主人公とは何者か
考えた事があるでしょうか?
実は、主人公には、主人公になる為の条件があります。
今回は、主人公について説明します。
主人公の条件
その主人公、主人公ですか?
タイトルになっているキャラクターが主人公?
未来少年コナン、名探偵コナン、るろうに剣心、バットマン、スーパーマン。
確かに、主人公っぽいです。
ですが、ドラえもんでは、のび太君が主人公ですし、ポケットモンスターでは、サトシが主人公です。
一人称視点の人物は、主人公?
これは、かなり主人公っぽいです。
ですが、厳密には残念。
狂言回しという、ややこしいポジションのキャラクターが存在します。
読者が物語を理解する為の手助けをする事が役割りで、主人公でない場合があります。
シャーロック・ホームズで言うワトソン君の様なポジションです。
主人公っぽい奴が主人公だ
かなり乱暴な論理ですが、一理あります。
では、何が主人公を主人公っぽいとしているのでしょうか?
ここをわざわざ読んでいる方は、それが知りたい訳ですし。
その1:物語の中心で行動しているか?
物語の中心にいつもいて、何かしている。
非常に主人公っぽいです。
旅、恋、試合、戦い、あげたらキリがありません。
ですが、それだけでは足りません。
こんなのはみんな分かっている事です。
それに、主人公と行動を共にするキャラクターが沢山いたら、誰が主人公か分かりません。
その2:物語の中心で葛藤しているか?
葛藤とは、対立や選択の迷いです。
と言う事は、物語の中心で葛藤しながら行動すれば主人公なのでしょうか?
まだ少し足りない様です。
その3:物語を通して葛藤を解決した結果、変化しているか?
物語の中心にいて、葛藤していて、行動していて、その結果変化する。
非常に主人公な感じがします。
変化の旅路、成長物語が物語の基本です。
ですが、肝心の物語の中心とは、どこでしょうか?
それが分からないと、焦点の当てようがありません。
物語の中心とは、テーマ
以前の記事「物語を創る始点について」にて少し触れた「テーマ」です。
物語の中心となるテーマとは、「物語の最初から最後まで一貫した、主人公の葛藤しながら行動した結果、起きた変化」そのものです。
つまり、終始一貫したキャラクターの葛藤と行動の結果が、テーマを表現し、それが主人公を決定します。
例えば、スポーツ物を書きたいとします。
物語のテーマが分かっている人(テーマと言うものが主題であり、主人公の変化に関わるものである事を含め)は、主人公の欠点や欠陥をテーマに盛り込み、主人公がスポーツの試合や仲間との交流の末に、壁を乗り越える変化をする物語を書きます。
ですが、物語のテーマを分かっていない人は、漠然と試合を描きたい交流を描きたいと書きます。
すると、その試合の中で成長する人物が一番主人公になってしまいます。
これが連載物で、たまたまそう言う回と言うなら良いのですが、映画脚本でそれをやると、想定していたキャラクターとは別のキャラクターが目立ってしまい、役を食われる状態になってしまいます。
※物語の主人公に必要な要素をカテゴリー別にまとめる記事を執筆中です。物語カテゴリーから別個には確認できますので、興味があれば見てみて下さい。
まとめ
簡単に言うと、テーマと主人公は切り離せません。
主人公というキャラクターが、改めてどれだけ大切なのか、わかっていただけたと思います。
スピンオフでも無い限り、他のキャラクターが好きだからといった理由で、物語を変えずに物語の主人公を変える事は、出来ません。
主人公が、創作者が主人公と定義しても、主人公にならない場合があるのは、テーマを体現する生き方を主人公にさせる事が出来ない時に起きます。
また、主人公を物語の傍観者にし、魅力的なその他のキャラクターを見せる為の役割だけに一貫した場合も、テーマと主人公にギャップがある場合は、ただの狂言回しになっている場合があります。
あなたの主人公は、テーマを表していますか?
それとも、主人公を見て物語のテーマに気がつきましたか?
そもそもテーマは、ありますか?
今回書いたようにテーマは重要な物です。
ですが、物語を作っている時は分かりにくく、テーマその物の意味も曖昧な場合があります。
テーマと言う物、それ自体を深く理解する為の記事も書く予定です。
テーマとは? から、テーマの見つけ方まで学んで、大事な割に曖昧で扱いにくい物から、テーマのお陰で面白い物語が書けるまでテーマ自体の見方を変えましょう。
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