登場人物の魅力とは何か?
キャラクター設定
キャラクターを構成する要素には前回軽く触れましたが、その中でキャラクターの設定として、
- パーソナル情報
- フィジカル情報
- メンタル情報
- キャリア情報
この大きく分けた4設定がキャラクターを構成すると書きました。
まずは、順に見ていきます。
1:パーソナル情報
姓名、誕生日、年齢、家族構成、等の、個人的な情報です。
2:フィジカル情報
身長、体重、体型、髪の色、髪の長さ、目の色、歯並び、怪我や病気、等の、特に外的影響がある肉体情報です。
3:メンタル情報
性格、嗜好、こだわり、短所長所、趣味、思想、理念、積極性、社交性、ユーモア、くせ、等の、特に内的影響がある精神情報です。
4:キャリア情報
人生経験、学歴、職歴、恋愛、犯罪歴、人間関係、等の、登場人物が物語に登場する直前までの人生の情報です。
以上の4設定が相互作用を働かせながら、キャラクターは生まれます。
その上で、魅力的なキャラクターとは、どういうものでしょうか?
そもそも魅力とは?
物語の面白さで出てきた、
- リアリティ
- 予測不能
- 感情移入
この3要素がキャラクターの魅力でも、密接に絡んできます。
1:リアリティ
キャラクターが現実的か、では無く、物語の上で自然かどうかです。
物語が現実性を売っているなら、徹底的に現実的にすればいいし、ポップならポップに、物語世界にいて違和感の無い現実感が重要です。
ここがシッカリしているキャラクター程、キャラが崩壊した時に読者に違和感を与えます。
2:予測不能
キャラクターが予測不能かとは、キャラクターの事を、もっと知りたくなる要因が、どれぐらい詰め込まれているかです。
どんなにリアリティがあっても、見たまんまのキャラクターは、面白くありません。
ミステリアスである必要があるのです。
基本的な予測不能さを生み出すには、キャラクターの何かを過剰に増やすか減らすかです。
そして次に、一見して分からない対象的なギャップを持たせる事です。
よくある、「怖そうなヤンキーが雨の中捨て猫に優しさを見せる」のを見て「実は良い奴なのかも」というアレです。
または、旅人が実は王子だったり、掃除婦だと思ったら社長だったり、何を対称的にするか次第で何にでも応用できます。
3:感情移入
キャラクターに対して感情移入するポイントとは、共感です。
これがとっても重要です。
誰も好きにも応援する気にもならない作品は、かなり苦痛です。
では、どうやって共感させるのでしょうか?
その一つは、物語の上で動くキャラクターと、読んでいる読者を、比較させる事です。
読者は、キャラクターの生き方を、思考と行動を追っていきます。
その中で「自分と同じだ」とか「自分もこうなりたい」等と比較をします。
では、何を比較してもらえば良いでしょうか?
比較し、共感して貰える部分とは、目立つ箇所です。
つまり、登場人物が人間だから人間が共感するかと言うと、必ずしもそうではありません。
共感が起きる一つ目のポイントは、登場人物との共通点。
強い共感が起きるのは、その中でも短所や長所、その他には特徴と見られる部分となります。
短所とは、弱点や欠点等です。
長所とは、得意な事や能力等です。
特徴とは、キャラクターの持つ目的や夢だったり、癖であったり、見た目の奇抜さであったり、独特の哲学であったりと様々です。
ここで特に重要なのは、長所より短所、欠点になります。
物語の基本は主人公の変化を描くものです。
主人公が欠点を克服する物語の場合は特に、どうやって乗り超えるのかと言う部分で注目され、共感して貰える可能性があります。
もう一つ、重要な共感の手法が、納得性です。
共通点よりも重要です。
突然ですが、仮に……
善良なキャラクターが人を殺したとしましょう。
どう思いますか?
予測は出来ないが、リアリティが無い、共感も出来ない。
ところが、そのキャラクターがやむにやまれず、人殺しをしなくてはならない状況に追い込まれていたと分かるとどうでしょう。
その人を殺さないと大事な人が別の場所で殺されるとしたら?
その人は実は既に死にかけていて、安楽死させていたとしたら?
そのキャラクターが以降の展開で、ずっと人を殺した事を悔いたり、トラウマに思っていたら?
納得しませんか。
共感して、同情や応援の気持ちが湧きませんか?
そういう事です。
まとめ
魅力的なキャラクターに、実は様々な必要な要素がある事が分かったと思います。
好きなキャラクターや、オリジナルのキャラクターを一度見て見ると、自分の思わぬ一面が見えるかもしれません。
キャラクターの欠点や、行動の納得性など、意識したことが無かった方は、考えてみるだけで魅力がぐんとアップするかもしれません。
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