目的と目標の関係
端的に言えば、「行先」と「過程」です。
ここで、普段から目的と目標を意識していない人に注意が必要なのが、常に目的があっての目標というのが健全な考え方と言う前提です。
目標だけを掲げるのは、まったく意味が無いと言う事です。
少し前にこんな例え話を見ました。
A「勇者の目的は?」
B「魔王を倒す事」
A「それは目標」
B「じゃあ、目的は?」
A「魔王を倒した先の世界平和」
この様な掛け合いです。
これが的確に目的と目標の関係を表しています。
目的不在の目標とは?
繰り返しになりますが、目標は、目的達成の為に必要な過程です。
つまり、目的が無い場合、必要な過程は無く、目標を達成した所で無意味です。
目標の先には、常に目的があります。
現実の世界において「目的不在の目標設定」または、「目的と目標の逆転」は、日常的に起きる事です。
例えば、お金をいくら稼いでも、それが何の為なのかが決まっていなければ意味がありません。
目的のある目標とは?
目的は、1つだけしかなく明確ですが、内容は、定性的・抽象的な物です。
比べて目標は、複数あり不明確ですが、内容は、定量的・具体的な物です。
目標は、目的達成の為の前提条件を整える為にあります。
例えば、金持ちになる事が目的なら、目標は目的を満たす為の事をすれば良いのです。
目的だと思ったら目標だった?
実は、この目的と目標はピラミッドの様な階層構造をしています。
金持ちになる事を目的にし条件を満たすには、稼げる仕事に就くでも、会社を興すでも、石油を掘るでも、満たす目標は何でも良いですよね?
ここで目的だと思っていた金持ちになるは、実は上に別の目的があり、それを満たす為の目標に過ぎません。
例えば、金持ちになる事が目的で無く、目標となる目的は、家族に不自由させない為かもしれません。
更に、家族に不自由させない事が目的で無く、目標となる目的は、幸せな家庭を作る為かも知れません。
ここで注意が必要なのは、常に最上位の目的に沿った目標達成を心掛けないと、本来の目的達成が出来ない事にあります。
そして、上位の目的が明確になった時、下位の目標だと思っていた事が的外れだと言う事が起こりえます。
例えば、目標の過剰達成は、成功している錯覚に陥るので、非常に気持ちよく中毒性があります。
仕事上の成功が楽しくなり、家族の為と言って仕事しかしない事で、結果的に過程を蔑ろにするなんて話は、良く聞くものです。
手段の目的化は、上位の目的を意識せず、目標だけを追っていると陥る思考の腐敗状態を指します。
他にも、ルール、規則、法律といった類の物も認識不足や時間経過によって、同じ状態に陥ります。
その究極の行きつく先がディストピアです。
正しい目的と目標の設定とは?
絶対の正解は、もちろんありません。
しかし、相対的な正解には近づけられます。
目的を設定する時に、「なぜ」それを達成する「必要」があるのかを、答えられなくなるまで問い続けるだけです。
すると、認識出来ている本当の目的と、達成に必要だと思っている目標が自然と見えてきます。
最上位の目的を満たす為に、目標が健全かどうかを上位から順にチェックしていけば、大間違いは、起きません。
まとめ
主人公の目的を、間違えた目標で進めると、目的達成が困難になります。
あなたの物語は、正しい目的と目標の設定が出来ていますか?