普遍的動機
普遍的動機とは、国・時代・宗教を問わず誰でも理解が出来る動機を指します。
具体的には、死にたくない、何か食べたい、恋人が欲しい、家族を危険から守りたい、復讐したい、等の文明の種類や発展具合によって変化しない類の動機です。
なぜ普遍的動機である必要があるのか?
普遍的であればある程、読者が動機に共感する可能性が高まります。
マズローの欲求階層を御存知でしょうか?
有名なので聞いた事ぐらいは、ある方も多いと思います。
欲求階層の下層ほど、普遍性があり共感を呼びやすいのがわかります。
下記の表を見ても分かる通り、階層の上方、右に行けば行くだけ、動機は共感し難いものになります。
また、物語が主人公の成長や変化を扱うという特性がある為、階層上方の成長した後の動機は、自然と扱い難い筈です。
※マズローの欲求階層をベースにした階層図。本は挫折率高し。注意。
動機だけでキャラクターは動かない
動機はキャラクターを動かしますが、動機だけではキャラクターは動きません。
こうした方が良いという理想では、人間は動かないのです。
身近な例えで言うと、ダイエットした方が良いのが分かっていても、出来ないのと同じです。
キャラクターを動かす動機とは?
動機に欠かせない物がいくつかあります。
必要性の認識
あった方が良い、やった方が良い、という「納得」が大前提で動機に必要となります。
問題の認識
「正論では革命を起こせない。革命を起こすものは僻論(へきろん)である」と西郷隆盛も言っている通り、自分に関わる危機的な「問題」を認識させない限り、逆境でも人は動けません。
現状維持に甘んじてしまうのが人間です。
実現性の認識
現実的に出来そうか、どう行動すればいいか、何を解決すればいいか、これらを「想像」も出来ないと動きようがありません。
これを物語では、運命であったり、仲間や師、時には過去の記憶をきっかけに認識し、キャラクターは動機に従って行動を起こします。
まとめ
今回は、普遍的動機と、その有効な前提条件の説明をしました。
もし、動機がある筈なのにキャラクターが動いてくれなかったり、不自然に感じるのなら、前提を満たしているかチェックしてみると、原因が見えてくるかもしれません。