主人公の普通と特別とは?
これは、主人公が所属環境を基準に、平凡であるか異質かを表します。
平凡と異質とは?
物語で描かれる主人公は、解決するべき問題に対し、所属環境を基準に、その他大勢より突出した能力で解決に当たるか否かで、平凡か異質かが決まります。
例えば、主人公が魔法を使える場合、他の大多数の人が魔法を使えないなら特別です。
ですが、主人公が魔法を使えても、他の大多数の人も魔法が使えるのなら普通ですよね。
特異性という切り口
この特異性は、あくまでも所属環境を基準に決まります。
突出した特異性とは、問題解決に寄与すれば、何でも構いません。
大多数の人々より戦闘能力が強く、それが問題解決に寄与するならば、ヒーローです。
特異性とは、力や知性、権力の様な分かりやすいモノだけでなく、性質や、時に境遇等までもが含まれます。
4つの特異性の考え方
特異性は、大きく分けて4種類に分類できます。
主人公に自覚がある自分の特異性
これは、スーパーヒーローもの全般です。
自分の特異性に自覚があり、特異性が最大の魅力であり、同時に悩みの種となります。
必ず、自ら自覚している何らかの弱点があり、それは時には正体を明かせない事であったり、正義を司る者としての制約であったり、大切な人や、そのまま肉体的急所であったりします。
その特異性ゆえに、その他大勢を救う事を使命にしますが、同時に誰の目にも異質に映り、救うべき大多数に疎外感や孤独感によって悩まされます。
例えば、
主人公に自覚がない自分の特異性
これは、主人公が自分の特異性に気付いていないが、周囲は特異性にある時を境に気付くパターンです。
このパターンで、主人公の特異性に早くから気付いているのは、敵味方含めて周りにいる一部の人間だけです。
多くの場合、一見平凡な主人公が、大きな目的を達成します。
例えば、
主人公に自覚がある借り物の特異性
これは、平凡だった主人公が、ある時を境に、特異性を手に入れ、平凡だった時には出来なかった自分の願いを叶えようとするパターンです。
借り物の力の為、主人公は力の特性を学ぶ内に、力の欠点や弱点を認識します。
このパターンでは、主人公が持つ特異性は、永遠に主人公の物ではなく、失われる可能性を孕み、ある瞬間に自分の手で特異性を手放す事で多くの場合ハッピーエンドが訪れます。
例えば
主人公に自覚がない借り物の特異性
これは、平凡な主人公の所に、ある日、運命の相手が現れ、主人公と相手が、その事実を受け入れるパターンです。
ラブストーリーやバディは、これに当てはまります。
例えば
まとめ
特殊能力や魔法が物語の中心アイディアの物語でも、それらが普遍的な世界観になると、必要要素が変化します。
特別な存在として主人公を描きたい場合は、特異な世界観の中で、主人公の何が特異なのかを考えてみてください。
※物語の構造毎の分類は、「10のストーリータイプから学ぶ脚本術」内で詳しく説明されています。