既存作品ザックリ分析
形式:連続アニメ作品、第一話
長さ:23分(OPEDテーマソング含む)
公式サイト:http://yurionice.com/
!注意!
この記事は、完全にネタばれを含んでいます。
主な想定読者
・分析作品から、物語の型を学ぼうと思う創作者で、その中でも、脚本術等を、好きな作品で学びたい人。
・分析作品を既に見た作品のファン。
・分析作品を見る予定は無いが、単純に内容を知りたい人。
分析で分かる事
物語のオチは、もちろん正確には分かりません。
分析によって分かるのは、主な物語の構造や、各要素の役割です。
「ユーリ!!!onICE」を分析
主人公(役割):勝生勇利
導き手:ヴィクトル・ニキフォロフ
対抗者:ユーリ・プリセツキー
協力者:長谷津の人々
バックストーリー
幼い日の原風景
憧れのフィギュアスケーターの華麗な滑り
憧れの先週のシルエットは、長髪だったのが滑っている最中に短髪に変わる
長い間、憧れている時間の経過を表しているのだろう
憧れの滑りを見ている主人公も、幼い姿から青年に変わる
憧れの人は、いつも主人公をビックリさせる
オープニングイメージ
悪い日常
12月
グランプリファイナル・ソチ、ロシアの27歳のスター選手、ヴィクトル・ニキフォロフが今シーズン引退も噂されていたが圧巻の5連勝。
比べて主人公である日本の23歳の特別強化選手、勝生勇利は、初出場最下位に沈み引退を噂される。
自己分析で理由は分かっていて、プレッシャーに負けてやけ食いをし、タイミング悪く実家の飼い犬が亡くなり、メンタルとフィジカルが最悪の状態だった。
自己責任とは言え、最悪の結果に現実が受け入れられない。
隠れるように会場のトイレで実家に電話をすると、地元の人達はパブリックビューイングで応援していたと聞かされる。
応援の嬉しさより、結果を出せなかった事への申し訳なさでトイレで泣いていると、個室の扉を誰かに思いっきり蹴られる。
なぜか謝りながら扉を開けると、そこにいたのはロシアのジュニアグランプリファイナル金メダリストのユーリ・プリセツキーが。
ロシアのユーリは、日本の勇利にロシアンヤンキーと内心形容されながら、黒パーカーのフードをかぶり、蔑むように勇利を見る。
ユーリは、来年シニアに上がるので、才能が無い同じ名前の勇利を良く思っていない様で、さっさと引退しろと言い捨て、舌打ちをして去る。
勇利は、自分よりも才能がある人間がいれば、自分がいなくても良いのではと弱気になる。
荷物を持って帰ろうとすると、暑苦しい諸岡アナウンサーに呼び止められ、引退を止められ、進退を問われる。
君の気持を聞いているんだ、と聞かれるが、何も考えたく無く、死んだ犬の事を思い出す。
横から不意にユーリと名前を呼ぶ声が聞こえる。
振り向くと、憧れのヴィクトルがロシアのユーリを呼んでいた。
僕にもいつかチャンスがあれば、そう思いながらヴィクトルを思わず見つめていると、ヴィクトルが記念写真?いいよとファンサービスをしてくれる。
勇利は、失意の表情で歩き出す。
憧れの存在と同じステージに立ち、やっと対等な立場で会えると少しでも思っていた自分に失望する。
タイトル
翌年3月、九州の長谷津
故郷の駅が綺麗になり、時間の経過を感じる。
考えてみると5年ぶりの帰省だった。
エスカレーターを降りると、そこら中に自分のポスターが貼られている。
ソチ以後も立て直せず大会でボロ負けを続け、代表に選ばれないままシーズン終了。
故郷に錦を飾れず、大学こそ卒業したが、コーチとの関係も解消し、進退未定のままコソコソ実家帰って来たのに、みなこ先生が派手に出迎えてくれる。
地元と言うだけで応援してくれる人達へのファンサービスも億劫な中、みなこ先生にヴィクトルならどんな時でもファンサービスは欠かさないと言われ嫌々する。
歩きながら聞かされる地元は、人が減り、先生のバレエ教室は生徒が殆どいないらしい。
勇利が地元を盛り上げなければと言われるが、重荷でしか無い。
勇利の実家の旅館。
テレビ中継、ヴィクトルは、その後の大会でも連覇を続けている。
母親は、大会に出られない事よりも5年ぶりに帰ってくる事が嬉しい。
勇利が帰ってくると母親が出迎えてくれる。
帰郷を喜びつつも、みなこ先生に選手としてあるまじき太り方を指摘され、それでも両親は選手生命よりも息子の帰りを喜んでかつ丼を進めてくる。
亡くなった犬に、仏壇で線香をあげる。
手を合わせていると、旅館の仲居をしている真利姉ちゃんに、旅館を手伝うのか聞かれる。
留年してまで大学に行っていたのにと勿体ながられる。
スケートを続けるなら応援すると言われるが、決める事が出来ない。
温泉を勧められ、温泉に浸かる事にする。
長谷津が衰退している事の説明、ユートピア勝生しか温泉旅館は残っていないらしい。
温泉から出ると、みなこ先生がフィギュアスケートの中継を見ている。
中継では、ヴィクトルが相変わらず期待されている。
ヴィクトルを見ていた勇利は、練習をするとスケート場に行くが、スケート場は営業時間が終わっていた。
キーイベント
お久しぶりです、ゆうこさん。
アイスキャッスルはせつのマドンナ、受付のゆうちゃんは、二つ年上のリンクメイトで幼馴染。
最初の憧れの相手。
スケートリンクを使って良いと案内してくれる。
回想
ゆうちゃん達と見ていた中継で、ヴィクトルを知った事、二人でヴィクトルを真似した事、ヴィクトルがプードルを飼っていたからプードルを飼い始めてヴィクトルと名付けた事、勇利とヴィクトルが戦っている所を見たいと言われた事。
スケートリンク
勇利は、ゆうちゃんに眼鏡を渡し、見ていて欲しいと言うと、憧れのヴィクトルの演技の完全コピーを披露する。
同時に中継では、ヴィクトルが大会で全く同じ演技をしている。
中継を見ているみなこ先生は、酔いながら、色気のある演技は、ヴィクトルみたいなイケメンより若くて初心な勇利みたいな奴の方がグッとくると意味ありげに言う。
演技が終わると、ゆうちゃんはヴィクトルの完コピを糞カッコいいと感動する。
やりきった勇利は、落ち込んでいるのにも飽き、スケートを好きだった時の気持ちを取り戻そうとしていると告白する。
中継のヴィクトルは、記者会見で来シーズンの抱負を聞かれ、顎を触り考え込む。
勇利は、そのままゆうちゃんに、何かを告白しようとする。
突然現れたアクセル、ルッツ、ループという名前の、三つ子が邪魔をする。
3つ子は勇利のファンで、幼馴染のゆうちゃんと西郡の娘だ。
西郡ファミリーは応援すると激励される。
インサイディングイベント
だが、自主トレーニングをしている勇利は、5年間スケートの事だけを考え、見ない様にしていた現実を自覚し、一人でスケートだけをしていた人生に気付く。
これからも一人で滑っていくのに、何が必要なのか、ようやく考え始める。
中継をみるとユーリ・プリセツキーが実力を披露し、勇利は引退しろとトイレで言われた時を思い出しながら焦る。
自室に戻り、いつかまたヴィクトルと同じ氷上に立ちたいと思っていると、西郡家の3つ子がヴィクトルの演技完コピを実は撮影していて、勝手に動画共有サイトへアップし、大事になるが、現実逃避をして寝てしまう。
動画は、めぐりめぐってユーリやヴィクトル達の目にもとまる。
朝起きると季節外れの雪。
玄関には、巨大なプードルが。
騒ぎを聞きつけた父親が、温泉にカッコいい外国人が来ていると教えてくれる。
慌てて物にぶつかり、服を着たまま靴下を濡らし温泉に駆け込むと、そこには一糸纏わぬヴィクトルの姿が。
ヴィクトルは、勇利を見ると、ポーズを決めながら今日からコーチになり、グランプリファイナルで優勝させると宣言をした。
ヴィクトルのウィンクに、勇利は驚きの叫びで応えた。
憧れの人は、いつも勇利をビックリさせる。
現状の分析結果
コンセプト:スポコン(普遍性)×男子フィギュアスケート(新規性)
モチーフ:男子フィギュアスケート、特別強化選手、世界大会
主人公のテーマ:勇利はヴィクトルと対等になれるのか?
物語のメインテーマ:勇利は大会で優勝出来るのか?
物語構造:旅物語、スポーツ
葛藤環境:好きなフィギュアスケートをし続けるには、強くならないといけない状況
主人公の動機:未来への投資行動。いつかヴィクトルと対等になりたい
欲求:承認
面白さ:リアリティ(男子フィギュアスケート)、予測不能(勇利は戦えるのか? ヴィクトルの真意)、感情移入(失意の帰郷、夢は叶うのか?)