既存作品ザックリ分析
形式:連続アニメ作品、第二話
長さ:23分(OPEDテーマソング含む)
公式サイト:http://yurionice.com/
!注意!
この記事は、完全にネタばれを含んでいます。
主な想定読者
・分析作品から、物語の型を学ぼうと思う創作者で、その中でも、脚本術等を、好きな作品で学びたい人。
・分析作品を既に見た作品のファン。
・分析作品を見る予定は無いが、単純に内容を知りたい人。
分析で分かる事
物語のオチは、もちろん正確には分かりません。
分析によって分かるのは、主な物語の構造や、各要素の役割です。
「ユーリ!!!onICE」を分析
主人公(役割):勝生勇利
導き手:ヴィクトル・ニキフォロフ
対抗者:ユーリ・プリセツキー
協力者:長谷津の人々
バックストーリー
ヤコフコーチに礼と別れを言い日本行きの飛行機に乗り込むヴィクトル。
オープニングイメージ
ヴィクトルが勇利のコーチになると知り、取り乱しながら勇利の実家の旅館に駆け込んでくるミナコ先生。
前回までのユーリ!!!の勇利による簡潔な説明。
温泉から出てご飯を食べて巫着て愛犬と寝ているヴィクトル。
ロシアではニュースになっていた。
来シーズン休んで進退を考えている事、勇利の完コピ動画を見て雷に打たれた様なイマジネーションを受けたのがコーチをする理由。
憧れの存在であるヴィクトル自身が勇利を選んで日本に来た、そのきっかけは偶然だったが勇利の演技がヴィクトルを引き寄せた事実に勇利は胸に手を当て嬉しさと驚きの表情を浮かべる。
一方その頃、ユーリはヴィクトルが勇利のコーチとして日本に行った事をニュースサイトで知り、俺との約束を忘れちまったのかよと憤り、大声でヤコフコーチを呼び、説明を求める。
当のヤコフは、大勢の取材陣に囲まれ、ヴィクトル日本行きの顛末を説明していた。
今休めば戻ってくる事は不可能だと思う事、自分を一番だと思っている人間が人に教える事は出来ない事を、取材のマイクを奪いカメラに叫ぶ。
ヤコフの叫びに、ヴィクトルは噂されて出るクシャミをし、目を覚ます。
お腹が空いた、ハングリーと言い、(Я хочу есть(ヤー ハチュー イェースチ)と言っても、外国人感は出るが日本に馴染みが無いからか?)コーチとして勇利が一番好きな食べ物を知りたいと言う。
出て来た大盛りのカツ丼にワオ!アメイジング!(Хорошо!でも良さそうだが、ハングリーに合わせた?)と言い、一口食べるとフクースナ!(Вкусный!こっちは、ロシア語なんだ、と言うより日本語ペラペラ設定っぽいから何語を挟んでも良いのか)と叫び、神の食べ物かと、ほっぺたにご飯粒をつけながらかき込んでいく。
勇利は太りやすいから試合に勝たないと食べられないが、最近は普通に食べている事を知り、ヴィクトルは、なぜ、試合に勝ってもいないのに、豚みたいな体型じゃ何を教えても無駄だから、痩せろとにこやかに現実を突きつけ、痩せるまでカツ丼禁止だしコーチもしないよ子ブタちゃんとプレッシャーをかける。
ヴィクトルは大量の荷物を持ちこんでいて、宴会場の一つを自室に借り受け、勇利と一つ屋根の下の生活を始める。
ヴィクトルは不安そうな勇利にコーチ料は、出世払いで良いよと先に言い、コーチとして信頼しあえる関係を築く為に勇利の全てを教えてほしいと視線の高さを勇利に合わせ、顎を撫でるが、天真爛漫だがどこか艶めかしいヴィクトルの態度に勇利は思わず逃げてしまう。
近づく事も怖がる勇利にヴィクトルは、一緒に寝てスキンシップを図ろうとするが、勇利は部屋を締め切って拒否をする。
部屋にあるヴィクトルのポスターを剥がし、一人ベッドの中で、今の感情は、嬉し過ぎるドキドキだと自覚する。
準備の時
次の日は、早朝からランニングでスケート場に行き、西郡ファミリーにヴィクトルが本当に勇利のコーチをし、ホームリンクに使いたい事を伝え、ヴィクトルは華麗な滑りを見せる。
西郡家の三つ子はヴィクトルの滑りに、動画、写真、SNSと大興奮。
勇利はヴィクトルの滑りを見ながら、憧れのヴィクトルが自分をどう思っているのかを知りたく思う。
そんな事は知らないヴィクトルは、子ブタちゃんは痩せるまでリンクに上がっちゃダメだよと、満面の笑みで滑りながらプレッシャーをかける。
ミナコ先生のバレエ教室で勇利はダイエットを手伝ってもらう。
現役続行ならヴィクトルを利用しない手は無い。
勇利は元々フィギュアスケートで無く、ミナコ先生のバレエ教室に通っていて、先生に勧められてフィギュアスケートを始めていた。
ダイエットと基礎トレーニングをしながら、ヴィクトルはミナコの事を勇利は好きなのか聞いてくる。
奥手な勇利は、何も話せず、ヴィクトルの恋愛話も止めてしまう。
もっと勇利を知りたいヴィクトルは話題を変え、長谷津城の話題を振ると、城が忍者屋敷になっている事を勇利に教えて貰い、興奮しながら長谷津城に行き写真を撮り、SNSに載せる。
SNSを追っていたユーリは、ヴィクトルの居場所を掴み、追う決意をする。
SNSの拡散で、メディアにも同時にヴィクトルの居場所が知れ渡り、寂れていた長谷津はメディアとヴィクトル目当ての観光客で賑わいを見せ始める。
その間も、勇利はひたすらダイエットと基礎トレーニングに励み、みるみる痩せていく。
対抗者の動き
1週間後
ヤコフに内緒で来日していたユーリは、長谷津に来ていた。
内緒故に位置情報を気にしていたユーリは、偶然目に入った虎の顔がプリントされたシャツを気に入り、誘惑に勝てずSNSに自撮り写真をのせてしまい、速攻でヤコフに居場所が割れる。
大事な時期なのに何をしているとかけて来たヤコフの電話を、ヴィクトルに約束を守ってもらうまで帰らないと宣言して切り、悪態をつく。
約束の回想、禁止されていた4回転ジャンプを成功させ、ヤコフに怒られていると、ヴィクトルが3回転ジャンプで世界ジュニア優勝をしたら、ヴィクトルの作った振付プログラムをプレゼントするのが約束。
そんな事を思い出しながら彷徨い歩いていると迷い、ヴィクトルの名を叫ぶと、釣り人がスケート場の場所を教えてくれる。
試練の時
貸切になっているスケート場に押し掛けるヴィクトルのファン達。
スケート場にたどり着くユーリと、ダイエットが一端完了した勇利が遅れて到着。
ユーリは勇利に回し蹴りをし、転倒した所を眼鏡の上から踏みつける。
ユーリは勇利にヴィクトルがユーリとの約束を反故にしてまでコーチをしようとしている事に謝罪を要求する。
ユーリが勇利の事を目の敵にしている以上に、勇利を見ている事に勇利は気付く。
本人に聞こうとリンクに行くと、ヴィクトルは自分の来シーズン用のプログラムの振付を滑っている。
ユーリは、ヴィクトルは人を驚かせたいが、何をしても観客が驚かない事を悩んでいる事を語る。
ユーリは、ヴィクトルが来シーズンを休む気なら、今滑っているプログラムが貰いたいし、もっと人々をビックリさせる事が出来、シニアデビューグランプリファイナル優勝も出来ると語る。
優勝を狙っているユーリに勇利は驚く。
ヴィクトルをユーリが呼ぶと、約束を忘れていた事を思い出す。
ユーリは、ヴィクトルに一緒にロシアに帰ろうと言う。
その提案に、ヴィクトルは、二人のユーリにヴィクトル用のショートプログラムの振付をそれぞれ別々にし、1週間後に発表会をする事を決める。
勝った方の言う事をヴィクトルが何でも聞くのが賞品で、西郡ファミリーの三つ子が興行と取り仕切るとヴィクトルと盛り上がる。
発表会は温泉onICEと名付けられ、その日の内にメディアを通じて広く知れ渡る。
ユーリは、ヴィクトルの側に勇利ばかりいたら不公平だと旅館に泊まる事になる。
文句を言いながらも温泉やカツ丼を満喫し、ユリオというあだ名までつけられる。
不安になった勇利は、夜にスケート場に練習に行く。
勇利が消えた事に気付いたヴィクトルは、仲居さんに勇利の居場所を聞き、ミナコ先生や西郡家の面々に勇利の事を聞きながら、練習する勇利を見つめる。
子ブタちゃんを王子様に変える魔法は、恵まれた練習環境。
次の日、3人でスケート場へ。
発表会の先のグランプリファイナルを見据えて意気込む。
リンクに行くと、振付用の曲を二人のユーリはヴィクトルに聞かされる。
曲のテーマはアガペーとエロス、ユリオがエロスが良いと言ったらユリオがアガペー、勇利がエロスを担当する事に。
イメージの反対をして観客を驚かせるのがヴィクトルの狙い。
二人は、自分で思うより無個性で凡庸な子ブタと子猫だから、自分でイメージを決めつけず自覚して、1週間でヴィクトルが納得するレベルに仕上げろと言われる。
出来なければ、振付は二人とも無し。
ヴィクトルからの試練をユリオは受け、ヴィクトルをロシアに連れ帰りコーチにする事を願う。
勇利は、ヴィクトルと一緒に、勝たなければ食べられないカツ丼をいっぱい食べたいから、全力でエロスをやり、ぶちかますと宣言する。
ヴィクトルは、良いね、そう言うの大好きだよと無邪気に喜ぶ。
現状の分析結果
コンセプト:スポコン(普遍性)×男子フィギュアスケート(新規性)
モチーフ:男子フィギュアスケート、特別強化選手、世界大会
主人公のテーマ:勇利はユリオに勝てるのか?
物語のメインテーマ:勇利は大会で優勝出来るのか?
物語構造:旅物語、スポーツ
葛藤環境:ヴィクトルがコーチをしてくれるには、試練を乗り越えないといけない
主人公の動機:未来への投資行動。ヴィクトルにコーチをしてもらい、一緒にカツ丼を食べたい
欲求:承認
面白さ:リアリティ(男子フィギュアスケート)、予測不能(勇利は戦えるのか? ヴィクトルの真意)、感情移入(対抗者に勝てるのか?)