「ユーリ!!!onICE第四話」を分析してみた

既存作品ザックリ分析

作品名:ユーリ!!!onICE

形式:連続アニメ作品、第四話

長さ:23分(OPEDテーマソング含む)

公式サイト:http://yurionice.com/

 

!注意!

この記事は、完全にネタばれを含んでいます。

 

主な想定読者

・分析作品から、物語の型を学ぼうと思う創作者で、その中でも、脚本術等を、好きな作品で学びたい人。

・分析作品を既に見た作品のファン。

・分析作品を見る予定は無いが、単純に内容を知りたい人。

 

分析で分かる事

物語のオチは、もちろん正確には分かりません。

分析によって分かるのは、主な物語の構造や、各要素の役割です。

 

「ユーリ!!!onICE」を分析

主人公(役割):勝生勇利

導き手:ヴィクトル・ニキフォロフ

対抗者:ユーリ・プリセツキー

協力者:長谷津の人々

 

バックストーリー

 

オープニングイメージ

勇利は寝坊してしまう。

慌ててスケートリンクに向かうと、ヴィクトルが笑顔で待っていた。皮肉は言うが。

勇利にとっては、神様がコーチを毎日してくれるシュールさと、神様のコーチ料後払いに喜びとプレッシャーが勇利を押し潰す。

考え事をしながらジャンプをすると勇利は失敗する。

ヴィクトルはその癖もしっかり見ていた。

 

ミッドポイント、対抗者の動き

温泉で練習の疲れを癒しながら、フリーの構成を話し合う勇利とヴィクトル。

フィギュアの採点方式説明。

勇利はTESが減点されてもPCSで持ち直すのがパターンの選手で、ヴィクトルはそんな勇利にTESを狙って三種類の四回転を入れなくてもPCSで満点を出せば良いじゃないかと言う。

ヴィクトルが勇利のコーチを買って出たのは、音楽だと言う。

その身体が奏でるスケーティングそのものを活かした、高難度プログラムを作る事が目的で、ショートでその事は立証されたと言う。

次のフリーのプログラムは、勇利が作る事になるが、勇利は今までコーチに決めて貰っていたと言う。

それを聞いたヴィクトルは、勇利の前のコーチ、チェレスティーノに電話をかけさせる。

勇利はチェレスティーノと解消してヴィクトルにコーチをして貰っている負い目から、謝ってしまうがチェレスティーノは気にしていない。

ヴィクトルは電話を奪うと、何で今まで勇利に曲を選ばせなかったのか素直に聞くが、別に選ばせなかった訳ではなく、勇利も一度だけ曲を持ってきた事があると聞かされる。

知り合いに作って貰った曲で悪くは無かったが、勝てるイメージがあるのかと聞くと自分のへの自信の無さから結局最後はコーチが選んだ曲に逃げてしまっていた。

勇利はチェレスティーノに勇気を出してグランプリファイナル優勝を宣言すると、チェレスティーノは去年のグランプリファイナルが終わった時に聞きたかったと言われ、チェレスティーノが勇利を応援している事を悟る。

勇利は、ずっと連絡出来ずにいた蟠りを解消できてホッとするが、ヴィクトルは勇利がチェレスティーノに聞かせたデモ曲をヴィクトルに共有していなかった事を責める。

俺コーチだよね?という圧力に、はいすみませんとしか言えない。

 

その頃、ロシアではユリオがユウコから勇利がフリーを自分でプロデュースする事をメッセンジャーで知らされていた。

年上のスケート選手ミラがメッセンジャーを覗きこんで、日本に女でも作りに言ったの?と言われ、悪態をついたらリフトの練習と真上に背面から持ち上げられる。

ヤコフに、お前らペアにでも転向する気かと言われ、謝るミラの手の上でユリオはジタバタする。

ユリオは、勇利に負けた事で練習嫌いだったのに、ライバル出現を意識して練習に励んでいた。

ユリオを見て、ヤコフは自分の才能を過信していたのに、これは面白い事になると言う。

元ボリショイバレエのヤコフの元奥さん、リディアがユリオのコーチになり、ヤコフとリディアとユリオが同居する事に。

 

ユリオからユウコにメッセンジャーで行った情報が勇利に知らされる。

それよりも勇利はヴィクトルにデモ曲を聞かせて、薄い反応だった上にダメだしされ、他の候補を探す事に。

 

今までのコーチに曲を選んでもらって振付も任せる当たり前だった事を、ヴィクトルがやっている自分で曲を選んで振付もする、漠然と憧れていた事に切り替えないといけない。

真夜中まで選ぶが決まらず、SNSを見ているとリンクメイトのピチット君が目に入る。

電話すると、バンコクに来てと言われる。

作って貰った曲の作曲者の女の子と、お蔵入りが原因で気まずくなっている事を相談すると、共通の知り合いだから探りを入れて見るとピチット君が申し出てくれる。

実は、作って貰った曲のオーダーは勇利がしていて、テーマは勇利のスケート人生だった。

当時の勇利の勝負弱さまで見事に再現してしまっている曲だが、勇利はこの曲が引っ掛かって前に進めないでいた。

どう変えれば勇利の曲は、スケート人生は、良くなるのかを雨の中走りながら考える。

ユリオは、リディアに、過去の自分は死にました。何度でも生まれ変わる人間が強いのですとスパルタ指導を受けている。

 

ヴィクトルに曲を決められていない事を、自分の判断を信じられないのか聞かれる。

アドバイスで、恋人に愛された事は?と聞かれ、勇利は思わすヴィクトルに噛みついてしまう。

神様に反抗してしまった自分に動揺する勇利に、ヴィクトルは冷静に恋人が今までいなかった事を悟る。

急に優しくなるヴィクトルに対して、勇利は急速に距離を取り始める。

遂には、練習をすっぽかすが、罪悪感に耐えられず結局ヴィクトルの誘いで海を見に行く事に。

 

浜辺でヴィクトルがウミネコをカモメと言う。

一回だけ訂正するが直さないヴィクトルは、故郷を思い出し話し出す。

勇利も昔を思い出し、話し出す。

デトロイトで、やたらグイグイ話しかけてくる女の子がいたが、リンクメイトが事故に遭った時、病院の待合室で慰める様に女の子が抱きしめてくれたが、無意識に突き飛ばしてしまった過去。

不安で動揺している自分を隠し、心の中に踏み込んで貰いたく無かった事に気付く。

ミナコ先生も西郡もユウコも家族も、弱い勇利を強くて成長出来る人間として信じて扱って来てくれた事に気付いた。

ヴィクトルは、勇利は弱くないし、みんなもそう思っているだけさと語る。

ヴィクトルは、コーチとしてどの様な立場でいて欲しいのかを聞く。

父親、兄、友達、恋人?

恋人発言に驚く勇利は、ヴィクトルは憧れのヴィクトルのままでいて欲しいと言う。

勇利は、自分の嫌な所を見せたく無くて無視をしてしまったが、全部をスケートで返すと言う。

それにヴィクトルは、手加減しないよ、それが俺の愛だから、と返す。

ヴィクトルと仲直りの握手をしながら、人は踏み込んだ分だけ踏み込んでくれる事を実感する。

 

自室に戻ると、踏み込むのを怖がってちゃだめだとメールを出す。

曲を作曲者の女の子に作りなおして貰う事を依頼し、OKを貰う。

ヴィクトルには、曲が完成するまで、ヴィクトルが飛べるジャンプ全てを教えて欲しいと伝える。

リディアのスパルタについて行くユリオを見て、ヤコフは早めにヴィクトルの側から離れて正解だったのかもしれんと思う。

ユリオは自分の強さを新たに作り出し始めていた。

 

手本のジャンプで疲れたヴィクトルに、勇利はスタミナはあるし、若いと言われる。

勇利は、思わず目に入ったヴィクトルのつむじを触ってしまう。

そんなに危険か?とヴィクトルは精神的ダメージで倒れてしまう。

土下座する勇利と不貞寝するヴィクトルを見て、西郡は仲良くやってるじゃねえかとぼやく。

 

曲がメールで届き、勇利は寝ているヴィクトルを起こして曲を聞かせる。

ヴィクトルからOKが出る。

次の日の練習で、曲に合わせて演技構成を考える二人。

スタミナのある勇利なら最後に4回転トウループも出来るとヴィクトルが言う。

やめておくか聞かれると、勇利は、やると即答する。

曲のテーマをヴィクトルが聞くと、勇利は溜めて、僕の愛についてですと真面目に答える。

ヴィクトルは、最高のテーマだね。完璧と太鼓判を押す。

軌道に乗った二人は、プログラムを一気に仕上げていく。

 

グランプリシリーズのアサイン発表。

ミナコ先生、西郡ファミリー、ユリオ達と皆が注目する。

ユリオは勇利を意識している。

勇利はアサイン決定のお祝いを開いて貰う。

グランプリシリーズ説明、勇利は中国とロシア大会で、ロシア大会ではユリオと当たる。

勇利がスケート界からヴィクトルを奪ったと恨まれていても、みんな勇利の味方だよと言って貰うが勇利の顔色は優れない。

更に、去年の全日本で調整失敗をして11位に終わっている事を思い出す。

シード権が無い勇利は、地方ブロック大会に出無いといけない。

国内大会にも、ミナミ君と言う若手ナンバーワンのライバルがいる。

ふと勇利はグランプリファイナルで泣いてから半年経っている事を実感する。

お父さんが勇利を応援できると喜んでくれ、勇利は素直に喜ぶ。

 

今まで一人で戦っていると思っていたが、ヴィクトルが現れて状況が一変した。

昔と変わる物、変わらない物、全てが新鮮に飛び込んでくる。

失った物をもう一度手繰り寄せる事は出来ないけど、何がそこにあったのか今は良く見える。

 

ユリオは、リディアの指導で、プリマらしく成長していた。

ユリオ自身、今の美しい容姿でいられる時間が短い事を自覚していて、今利用できる物全てを使って絶対に勝つ決意でグランプリシリーズに臨んでいた。

勇利は、ヴィクトルがいつまでいてくれるか、身体がいつまでもつか、どちらも永遠では無い事を自覚していて、ヴィクトルの時間を今だけ僕に下さいと神に祈る。

 

勇利はヴィクトルに言われ、自分の曲に名前をつける。

YURI ON ICE

ヴィクトルは完璧と言い、いよいよ9月、勇利とヴィクトルのシーズンが始まる。


第四話終わり

 

現状の分析結果

コンセプト:スポコン(普遍性)×男子フィギュアスケート(新規性)

モチーフ:男子フィギュアスケート、特別強化選手、世界大会

主人公のテーマ:勇利は自分の殻を破れるか?

物語のメインテーマ:勇利は大会で優勝出来るのか?

物語構造:旅物語、スポーツ

葛藤環境:ヴィクトルがコーチをしてくれるには、試練を乗り越えないといけない

主人公の動機:未来への投資行動。ヴィクトルにコーチをしてもらい、一緒にカツ丼を食べたい

欲求:承認

面白さ:リアリティ(男子フィギュアスケート)、予測不能(勇利は戦えるのか? 国内大会で勝てるのか?)、感情移入(対抗者に勝てるのか?)

 

BD

※記事の内容は、訂正、追加、更新等する事があります。

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