既存作品ザックリ分析
形式:連続アニメ作品、第五話
長さ:24分(OPEDテーマソング含む)
公式サイト:http://w-witch.jp/
!注意!
この記事は、完全にネタばれを含んでいます。
主な想定読者
・分析作品から、物語の型を学ぼうと思う創作者で、その中でも、脚本術等を、好きな作品で学びたい人。
・分析作品を既に見た作品のファン。
・分析作品を見る予定は無いが、単純に内容を知りたい人。
分析で分かる事
物語のオチは、もちろん正確には分かりません。
分析によって分かるのは、主な物語の構造や、各要素の役割です。
「ブレイブウィッチーズ」を分析
主人公:ひかり、下原、ジョゼ
導き手:ひかり→下原、下原→ジョゼ、ジョゼ→ひかり
協力者:502の仲間達
敵対者:ネウロイ
オープニングイメージ、日常と事件
シチューを作る下原。
味見と称してジョゼがつまみ食いを繰り返していると、クルピンスキーがジョゼをつまみ食いしたいと割って入る。
だが、下原はクルピンスキーにシチューを渡して話を終わらせてしまう。
後ずさりするジョゼをよそに、クルピンスキーはノリの悪さにそりゃ無いよと残念がる。
ひかりがおはようございますと挨拶して入ってくると、ジョゼはちょっと用事がと避ける様にして台所を出て行ってしまう。
ひかりが、ジョゼに嫌われているのか心配すると、クルピンスキーはジョゼはボクの思いにも応えてくれないぐらいの照れ屋だからしょうがないとフォローする。
ひかりは困りながら微妙な返事を返す。
悩みの時
朝食の席、だが、ジョゼは先に済ませて姿が無い。
ひかりは気にするが、他のメンバーは料理に夢中だ。
下原の料理を皆が褒めるが、下原は喜んでもらえて嬉しいと言いつつも素直に嬉しそうでは無い。
ひかりも料理が出来るか聞かれるが、孝美の海軍カレーが好きだと天然を発揮し、直枝にそんな事聞いてねえとドヤされつつ、クルピンスキーに可愛いと喜ばれる。
仲間との交流、準備の時
朝食後、ひかりが部屋に戻ると部屋が綺麗に掃除され、磨かれていた。
音のする隣の部屋に行くと、ジョゼが実家がペンションをやっているからベッドメイキングなら出来るかなと、やってくれていた。
ひかりが部屋を見ていると、部屋に直枝がやってきて、なんでこの部屋にひかりがいるんだと怒りだす。
ここは直枝の部屋で、勝手に見るなと言うが、ひかりは天然を発揮し、部屋は見ていないけど何か今度部屋の本を貸して下さいと直枝を挑発してしまい、ジョゼの周りを追いまわされる。
ひかりを捕まえた拍子に、本棚にぶつかり、落ちて来た分厚い本の角で直枝には大きなコブが出来る。
ジョゼがコブを治癒魔法で治すと、ジョゼの頬が赤くなり、ひかりが心配すると、治癒魔法を使うと身体があつくなるだけだからと言い、ジョゼは部屋を後にする。
心配そうにジョゼを見送るひかりに、直枝はお前も出て行けとようやく追いだす。
試練の時
作戦会議
ラドガ湖北方でネウロイ侵攻が止まっているが、12月の頭、湖の凍結が始まると侵攻が開始されると予想される。
タイムリミットは1ヶ月足らず。
次の補給を待って、新たな防衛網構築をする。
定時偵察をラドガ湖北方のペトロザヴォーツク周辺にまで広げ、当番の下原とジョゼに遠乗りの訓練も兼ねてひかりも同行する事に。
ひかりの同行に、ジョゼの表情は浮かない。
危機の時
ひかりは編隊の後ろで、接触魔眼の事を思い出すが、変な動きをしているひかりを不審に思った下原にどうかしたか聞かれる。
ひかりは、隊長に使用禁止された魔眼は機密扱いとされ、明かせないので体操をしていたと苦しい言い訳をする。
話を変えようと出身地の話をすると、下原は秋の国、広島の尾道だと言う。
ひかりは、佐世保と同じで坂が多いと共通点を喜び、502で下原はずっと活躍していて凄いと称えるが、下原は自分は役に立っていないと暗い表情を浮かべる。
ひかりは食事を褒めるが、下原は、料理は関係無く、前線基地で大事なのはネウロイと戦い戦果をあげる事が大事で、自分はまだまだダメだと卑下する。
聞いていたジョゼは、下原がダメなんて事は無いと思わず声を荒げるが、任務に集中しようと言って誤魔化す。
ミッドポイント
ラドガ湖を超えると、雪が降り始める。
寒冷前線の動きが早いと下原は読み、予定通りペトロザヴォーツク周辺まで来ると、異常に吹雪いていて町は凍りついていた。
町の上空には妖しい黒い雲。
下原が遠見が出来る魔眼で見ると、雲の上にはネウロイが。
ジョゼが無線で基地に連絡をするが、ノイズだけで無線が通じない。
下原は、自分にだって戦えると、戦う事を決意し、ひかり、ジョゼと、3人でネウロイに挑む。
破滅の時、メンターの導き
攻撃を受けたネウロイは、急速に周囲を冷却し、下原とジョゼの銃が凍りついてトリガーが動かなくなる。
後衛を任されていたひかりは、自分の銃は凍っていないと前衛に出るが、下原とジョゼが止める間もなく、3人のユニットが凍りついて地表に落とされてしまう。
魔法力で軟着陸した下原とジョゼは、凍傷になりかかり意識を失って積雪に突き刺さるひかりを慌てて救助するが、このままではひかりの命が危ない。
ジョゼは、自分を責め動揺する下原にビンタをし、落ち付かせる。
下原は積雪に横穴を掘り、かまくらを作る。
その頃、救助に行こうとスタンバイしていた502のメンバーは、吹雪のせいで捜索中止を言い渡され、待機する事に。
3人の身を案じ、面倒と言っていた直枝が悔しそうにユニットの台座を殴る。
ひかりが目を覚ますと、下原とジョゼが上着を脱いで、直接肌でひかりの体温を温めてくれていた。
特にジョゼは、治癒魔法と、その副作用の発熱を利用してひかりを回復してくれていたらしい。
ひかりは、無茶をした自分のせいだと自分を責めるが、ジョゼは、ひかりに別の事で謝りたいと言う。
孝美を治しきれなかった事が、後ろめたかった為、あわす顔が無かったという。
ひかりは、孝美が一命を取り留めたのは、ジョゼのお陰だと改めて礼を言う。
ひかりに感謝され、ジョゼは許され涙を見せる。
仲が深まった2人に下原は抱きつく。
遠見の魔眼が使える下原が、周囲の様子を見に吹雪の中へ出ていく。
待っているひかりは、寒そうに火を焚きたいと言うが、燃やす物が無い。
戻って来た下原は、銃を見つけて来たが、銃身が折れ、使い物にならない。
ネウロイは近くに見当たらず、ひかりは基地に向かったのなら早く知らせないとと言うが、ジョゼは無線が繋がらないし吹雪の中では動けないと言い、下原は、まずは生き延びて、どうにかして基地に伝えようと言う。
下原が見つけた放棄された戦車に移り、下原は白樺の樹皮で火をおこし、ようやく暖を取れる。
下原の父親が学者で、一緒にフィールドワークをして、そういった知識があるという。
ジョゼの腹の虫が鳴ると、赤面するジョゼはビスケットを持っていた事を思い出し、3人はビスケットを分けあう。
その頃、502基地では、クルピンスキーが作ったキャビアのスープに皆が苦しんでいた。
先生は、自分の苦労して集めていたキャビアのコレクションを勝手に開けたばかりか、不味い料理に使われ唖然とした後に大激怒する。
隊長だけは平然と口に運びはするが、不味いと呟く。
戦車の中で、3人は吹雪の様子を見るが、すぐには止みそうにない。
冷気で前線を刺激するネウロイに驚愕しつつ、今頃はペテルブルグも吹雪の筈だが、その吹雪の原因がネウロイだと想定できる筈も無いので、一刻も早く連絡を取りたい。
だが、吹雪が止まない事には、身動きさえままならない。
502基地では、吹雪の中3人の陸上捜索の報告を待っていたが、見つけた報告は来ない。
隊長と先生は、異常天候にネウロイと何かしらの関係があるのではと、気にはなるが何も出来ない。
対決の時
吹雪が止み、3人は戦車の外に出る。
ペテルブルグは猛吹雪に襲われていて、ネウロイが移動したのは確かなようだった。
ひかりは、502基地のみんなが出撃しているのではと楽観的だが、下原は、暑い雲と猛吹雪でネウロイの存在に気付いているのは3人だけと推測し、基地では吹雪のせいで出動もままならないと言う。
3人でネウロイを倒そうと言う話になるが、武装は無く、接近すると冷気でユニットを凍らされ、落とされてしまう。
打つ手を考えて悩んでいると、下原はウィッチに不可能は無いと、昔の上官の口癖を思い出す。
下原は、ガラスの熱割れを利用して、銃無しでネウロイを倒すと作戦を明かす。
急激な温度差で脆くなったネウロイを叩く。
高温を作りだす燃料は、避難に使っていた戦車の燃料が使えそうだ。
下原は、木とワイヤーを使って、器用に弓矢を作る。
矢の先端には、砲弾から取り出した火薬が仕込まれていた。
ユニットもすぐに凍らない様に布を巻き、空いた砲弾には削ったアルミを入れ、簡易の燃焼剤にした。
3人がネウロイ追跡を始めると、ラドガ湖が凍っている。
ネウロイの雲に突入すると、すぐにユニットの表面が凍り始める。
ネウロイを見つけ、燃焼剤を投げつけるジョゼとひかり。
下原はネウロイに矢を射って、燃焼剤に着火する。
下原の読み通り、脆くなったネウロイは砕け、コアが露出する。
ピンチの時、最終決戦
下原がコアに矢を射ろうとした時、ユニットの凍結が進み、失速し始め、狙いを外してしまう。
残りの矢は一本。
ひかりは、自分のユニットはまだ持つと下原を支えるが、長くはもたない。
ジョゼに温める様にお願いするが、ジョゼは怪我人がいないと治癒魔法を発動出来ないと言う。
ひかりは、下原のユニットに頭突きをし、怪我をする。
ジョゼは、ひかりを治癒し、下原のユニットを温め、時間を稼ぐ。
下原は二人に支えられながら、今度はネウロイのコアの破壊に成功する。
戦果をあげられない事を悩んでいた下原は、そこにはおらず、3人は基地に帰還する。
エンディングイメージ
3人の無事を喜ぶ502のメンバー達。
あのぐらいの吹雪で死んでちゃ話にならないと直枝が言うが、クルピンスキーが素直じゃ無いなと、からかう。
吹雪を起こすネウロイ撃破の大手柄を称えられる下原、ジョゼ、ひかり。
下原は、任務ですからと返すが、ジョゼとひかりは下原を見て嬉しそう。
昨日の朝食のリクエストにあった、扶桑料理を作った下原。
茶碗蒸しにはキャビアが入っている。
先生は喜ぶが、クルピンスキーは塩辛いだけで何が良いんだかと反省しておらず、先生に偽伯爵と怒られる。
アレクサンドラが食事の力は凄いんですねと隊長に言うと、隊長は美味いとだけ呟いた。
第五話終わり
現状の分析結果
コンセプト:魔法少女×第二次大戦時の戦闘機乗り
モチーフ:魔法、美少女、第二次世界大戦、戦闘機、パイロット、架空戦記
主人公のテーマ:姉と同じ戦場に立てるのか?
物語のメインテーマ:ネウロイを倒し戦争を終わらせられるか?
物語構造:旅物語
葛藤環境:ネウロイに侵略されている世界
主人公の動機:姉の様になりたい
欲求:所属
面白さ:リアリティ(ミリタリー)、予測不能(近寄れ無いネウロイ相手に、銃無しでどうやって戦うのか?)、感情移入(本当に貢献したい所で貢献できているかの不安。力不足への後ろめたさ。失敗への許し)
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