既存作品ザックリ分析
形式:連続アニメ作品、第七話
長さ:23分(OPEDテーマソング含む)
公式サイト:http://yurionice.com/
!注意!
この記事は、完全にネタばれを含んでいます。
主な想定読者
・分析作品から、物語の型を学ぼうと思う創作者で、その中でも、脚本術等を、好きな作品で学びたい人。
・分析作品を既に見た作品のファン。
・分析作品を見る予定は無いが、単純に内容を知りたい人。
分析で分かる事
物語のオチは、もちろん正確には分かりません。
分析によって分かるのは、主な物語の構造や、各要素の役割です。
「ユーリ!!!onICE」を分析
主人公(役割):勝生勇利
導き手:ヴィクトル・ニキフォロフ
対抗者:ユーリ・プリセツキー
協力者:長谷津の人々
オープニングイメージ
前回の説明。
みんなから応援の電話を受けるが、全てがプレッシャーになって追い詰められる勇利。
昨夜は眠れなかった勇利。
目の下にクマを作り、ヴィクトルに強制的に昼寝をさせられる。
昼寝する勇利にヴィクトルは抱きついて一緒に昼寝をする。
破滅の時、精神の極限状態
FP本番が近付く。
寝不足を解消した勇利の顔は、影があり、プレッシャーに追い詰められていく。
ペットボトルを開ける事も出来ない。
ヴィクトルは、練習中ジャンプに失敗して、これ以上自信を失わないようにと6分間練習でのジャンプ禁止を言い渡す。
だが、勇利はジャンプをして失敗してしまい、メンタルが更に落ち込んでいく。
グァンホンの本番が始まる。
選曲に疑問を持ちつつも、グァンホンは曲に乗って滑っていく。
それを見ていられない勇利は会場にある自分の近くのモニターの電源を勝手に落とし、椅子に座って顔を隠して貧乏ゆすりする。
誰の目にも追い詰められているのを見たヴィクトルは、考えを巡らせる。
グァンホンは、自分のグランプリシリーズはここで終わるが、こんな所で終わらないと心に誓い滑り終える。
SP79.87、FPとの合計で248.69。
得点を見て悔しさに涙を浮かべ、SNS断ちを決意する。
クリスの滑走。
SPに引き続き勝負モードで、会場の空気も良い。
それを感じてか、勇利は更に追い詰められ、ヴィクトルは人目の少ない所でアップしようと勇利を連れ出す。
滑っているクリスは、ヴィクトルとの出会いを思い出し、ヴィクトルを氷に連れ戻し、自分が勝つ事を望みながら恍惚の演技を終える。
応援していたミナコ先生は感動の涙を流しながら最高ですと震える。
SP85.60、合計283.81。
ピチットの滑走の順番が来た。
勇利は地下駐車場で、他人の順位を気にして動揺し、ヴィクトルは深呼吸を促す。
ピチットはタイの未来を掴むと意気込み、チェレスティーノは勇利に比べて華やかさが別格だと客席に目をやる。
ピチットは自分を信じ自分にしか出来ない事をやりきり、会場は大歓声に包まれる。
勇利のいる駐車場にまで聞こえてくる歓声を聞いて勇利は動揺するが、ヴィクトルは外野の音を聞くなと耳を押さえ目を見る。
第二ターニングポイント、メンターの導き
イグレシアの滑走。
ヴィクトルは勇利のモチベーションの上げ方がサッパリわからない。
いっそ、壊れやすい心なら一度粉々に壊してみようと思いつく。
試してみようと、勇利が負けたら責任とってコーチを引退すると勇利に言うと、勇利は固まった後にボロボロと大粒の涙を流し出す。
涙が苦手なヴィクトルは、本心じゃないと言うが、壁が壊された勇利は本心をヴィクトルにぶちまける。
なんで、今試す様な事を言うのか?
自分が悪く言われるのは良いが、ヴィクトルに迷惑かかるのが怖い。
ヴィクトルが心のどこかでコーチを辞めたいと思っていないか、不安。
ヴィクトルはコーチを辞めたい何て思っていないと言うと、勇利は知っているよと声を荒げる。
どうしたらよいか分からなくなったヴィクトルは、キスでもすれば良いのかいと言うと、勇利は、黙ってていいから離れずに側にいて、僕が勝つって僕より信じてよと、叫ぶ。
それを聞いたヴィクトルの中で、何かが変わる。
SP87.98、合計247.21で終わったイグレシアは、敗退が決まる。
ギオルギーは、変わらず元彼女を思い、滑走する。
自分の世界に入るギオルギーに、会場で見ていた元彼女のアーニャは親指を下げて答える。
ヤコフは、動揺するギオルギーにヴィクトルにない物を形にしたプログラムを自信を持って滑ってくれと祈る。
勇利とヴィクトル目も合わせずに会場に戻ってくる。
カメラに映った勇利を見て長谷津のみんなは、泣いたあとに気付き、何かあったかなと心配する。
ヴィクトルは、こういう時コーチならどうすればいいかヤコフに聞いておけば良かったと、一人悩む。
ギオルギーはSP98.17、合計252.44で、暫定3位、ヤコフは課題が山積みだとこぼす。
勇利の滑走順が来る。
ティッシュで鼻をかみ、丸めたティッシュを勇利はヴィクトルに渡そうとしつつ、わざとリンクに落とす。
ヴィクトルが慌ててキャッチすると、勇利はヴィクトルが気にしている頭頂部のつむじを人差し指で押し、何も言わずに滑りだす。
それを見ていたヤコフはヴィクトルに、生徒に慰められている様じゃ、コーチとしてまだまだだなと見守る。
始めて試合前に泣いた勇利は、スッキリし、リラックスした滑りを見せる。
勇利は滑りながらヴィクトルがコーチとして未熟で、自分がメンタルが弱いのは分かっていてコーチをしているんだから、あれぐらい覚悟していてよね、バカとヴィクトルに思う。
そんな事を思いながらも、勇利はヴィクトルを驚かせたい、強くなりたい、ヴィクトルの想像を超えられると思い、ヴィクトルの代名詞4回転フリップを、ヴィクトルでも飛ばない一番最後に飛び、成功こそいない物の惜しい結果を残す。
滑りきると、勇利はヴィクトルに僕良かったでしょと駆け寄る。
するとヴィクトルは、無言で勇利に抱きつき、二人はリンクの上に倒れる。
ヴィクトルは、勇利以上に驚かせる方法をこれしか思いつかないと語る。
大会の結果は、ピチットの初優勝。2位勇利。3位クリス。
テレビのインタビューでヴィクトルは、ロシア大会では勇利が優勝してグランプリファイナル出場は間違いないと語り、それを見ていたユリオは、モスクワでボルシチにしてやるこの豚野郎がと、怒りのあまりスプーンを折る。
折れたスプーンがボルシチに入り、スプラッタな絵になり、ユリオの心情が表わされる。
現状の分析結果
コンセプト:スポコン(普遍性)×男子フィギュアスケート(新規性)
モチーフ:男子フィギュアスケート、特別強化選手、世界大会
主人公のテーマ:勇利は自分の殻を破れるか?
物語のメインテーマ:勇利は大会で優勝出来るのか?
物語構造:旅物語、スポーツ
葛藤環境:ヴィクトルがコーチをしてくれるには、試練を乗り越えないといけない
主人公の動機:未来への投資行動。ヴィクトルにコーチをしてもらい、一緒にカツ丼を食べたい
欲求:承認
面白さ:リアリティ(男子フィギュアスケート)、予測不能(勇利は戦えるのか?)、感情移入(対抗者に勝てるのか? 憧れの存在、自分以上に自分を信じて欲しい、好きな人を驚かせたい)