既存作品ザックリ分析
形式:連続アニメ作品、第六話
長さ:23分(OPEDテーマソング含む)
公式サイト:http://yurionice.com/
!注意!
この記事は、完全にネタばれを含んでいます。
主な想定読者
・分析作品から、物語の型を学ぼうと思う創作者で、その中でも、脚本術等を、好きな作品で学びたい人。
・分析作品を既に見た作品のファン。
・分析作品を見る予定は無いが、単純に内容を知りたい人。
分析で分かる事
物語のオチは、もちろん正確には分かりません。
分析によって分かるのは、主な物語の構造や、各要素の役割です。
「ユーリ!!!onICE」を分析
主人公(役割):勝生勇利
導き手:ヴィクトル・ニキフォロフ
対抗者:ユーリ・プリセツキー、GPシリーズ選手達
協力者:長谷津の人々
オープニングイメージ
皆に実家から見送られて北京に向かう勝生勇利とヴィクトル。
ヴィクトルはエコノミーは久しぶりとはしゃぐが、勇利は寝かせてくださいと頼む。
ヴィクトルは、よくこんな狭いシートで寝られるもんだねと感心するが、ユーリにもたれてヴィクトルも熟睡する。
もたれられている勇利は寝苦しそう。
対抗者の動き
グランプリシリーズの他国の大会結果が紹介。
第一戦アメリカでは、一位アメリカのレオ・デ・ラ・イグレシア、二位カザフスタンのオタベック・アルティン、三位中国のジ・グァンホン。
第二戦カナダでは、一位カナダのジャン・ジャック・ルロワ、二位ロシアのユーリ・プリセツキー、三位チェコのエミル・ネコラ。
ユリオの表情は浮かない。
第三戦中国がこれから始まる。
注目選手として勝生勇利が紹介され、インタビューに移るが、勇利のインタビュー中もヴィクトルはマイペースで後ろを通りかかったヤコフを火鍋に誘う。
だが、ヤコフは次に話しかけるのは現役復帰を懇願する時だけにしろと、ヴィクトルのコーチ中の絶交を言い渡される。
だが、ヴィクトルはヤコフ食べないってと、まったく堪えた様子も無く勇利と火鍋を食べに町にくりだす。
酔っ払いエビにフクースナとご満悦だが、勇利は試合前に生物はちょっとと遠慮する。
記者会見でデカイ事言い過ぎたと反省し、負けたらどうしようといつも通りのネガティブ思考。
そんな時、偶然同じ店に来ていたピチット・チュラノンが相席し、チェレスティーノも呼ばれる。
同じころ、レオ・デ・ラ・イグレシアとジ・グァンホンが屋台にいると、ピチットがグァンホンを通訳として火鍋屋に呼び出す。
グァンホンは火鍋が苦手だが、ヴィクトルがいると聞いて行く事にする。
それを後ろで聞いていたギオルギー・ポポーヴィッチは若いなとキザに決める。
イグレシアとグァンホンが火鍋屋に行くと、すっかり酔っぱらって脱ぎ始めたヴィクトルに絡まれる勇利と、泡を吹くチェレスティーノを心配するピチットが待つ惨状が広がっていた。
ピチットはしっかりとコーチを心配しつつ、しっかりと写真をSNSにアップしている。
イグレシアとグァンホンは、アダルトな雰囲気でネットに挙げていいのか迷うが我慢しつつ、目の前の光景に震える。
次の日、ピチットがSNSに載せた勇利に裸で絡むヴィクトルの写真は、3180いいねをゲットし、人気になっていた。
溢れ出るネット欲を止められなくてとピチットは言い訳するが、我慢をしたイグレシアとグァンホンはズルイと責める。
だが、それよりも当事者の勇利は、試合前に遊んでいると思われるのではないかと受けるプレッシャーを強める。
突然、勇利の尻を揉む手が現れる。
クリストフ・ジャコメッティが、なんで昨日呼んでくれなかったのと話しかけて来た。
引き締まった勇利の身体を見て、ご主人様の躾がよく行きとどいているとクリスは言う。
そこにヴィクトルが来ると、クリスは君がいないんじゃモチベーションが上がらないと語るが、ヴィクトルとクリスのツーショットに後ろでは、ピチット、イグレシア、グァンホンはカメラで大忙し。
クリスのコーチも来て、クリスの為にもヴィクトルに現役に戻って欲しいと言い、女子選手もヴィクトルに本気でコーチをやっているのか聞いてくる。
そんな中でクリスは、勇利にヴィクトルを独占した罪は重いよと語る。
ショートプログラム。
ピチットの出番。
チェレスティーノは、ピチットの仕上がりに自信がある。
ピチットは、始めて見た大好きな映画のテーマソング、王様とスケーターで勝負をかけて滑り始める。
会場の客を味方につけ、曲を自分の物にし、自信溢れる滑りを披露し、得点は86.75。
グァンホンの番。
ピチットの滑りにプレッシャーを感じるが、僕だってと滑りだす。
勇利は、ピチットの滑りを見て、迷いが無くなった。
勇利は世界からヴィクトルを奪った男として思いっきり嫌われたいと決意する。
ウォーミングアップを見守るヴィクトルは、クリスに勇利は大丈夫なのか聞かれるが、今までにない勇利の雰囲気に期待を高める。
ロシアでテレビ中継を見ているユリオ。
勇利の番が始まる。
勇利は、ヴィクトルに顔を近づけ、目を見て、絶対に僕から目を逸らさないでと言う。
勇利が滑りだす。
誰もが目を離せない中、勇利は完璧な演技を達成する。
点数発表を待つ時、勇利にヴィクトルは気持ちよかったか聞くが、勇利は見ていた人達は気持ちよくなれたかどうか、疑問を返す。
得点は、106.84でパーソナルベスト更新。
勇利をハグし、ヴィクトルはあんなの見せつけられたら気持ち良くなるに決まっているだろうと囁く。
勇利は最高の生徒だとヴィクトルは褒める。
それを見ていたこれから滑る選手達は、それぞれが自分の滑りに備えていた。
その中、チェレスティーノだけがフリーが本当の勝負だし、勇利は追われる事に慣れていないと余裕を見せる。
ギオルギーの番。
テーマはハートブレイクで、ロシアで見ている女子選手達は爆笑して見ている。
ギオルギーはプライベートで彼女にふられ、本気で泣いての自分を捨てた彼女を追い続ける危機迫る演技を披露。
会場で見ていた当の彼女は寒気がする。
ヤコフだけが、冷静にお前らしい演技だと褒める。
得点は98.17。
イグレシアの番。
アメリカ大会優勝時より、更にアレンジをしての演技で、得点は87.98。
最後の滑走はクリス。
去年のGPファイナル銀メダリスト。
ミナコ先生は熱狂的な声援を贈る。
ヴィクトルがいない大会でモチベーションが上がっていなかったクリスは、勇利の滑りを見て君には負けたくないね、大人のエロスはボクの専売特許だよと、滑り始める。
本調子ではないが、ピークを世界選手権に持っていこうと崩れる事も無く、安定した滑りを見せる。
ヴィクトルは、スロースターターのクリスなのに、今日は色気のピーキングがぶっ壊れていると評する滑り。
クリスは勇利の清潔なエロスに勝てるのは自分だけだと、エロスにおいての圧倒的差を見せつける。
恍惚のショートプログラムを終え、勇利達は色気での敗北を受け入れる事しか出来ない。
得点は85.60。
追い詰められる時
SPを一位で終わった勇利。
他の選手達は、全員がFPで勝つ気満々。
追われる側になった勇利はテレビインタビューで、愛の力で勝つと言うが、その表情は引きつっていた。
現状の分析結果
コンセプト:スポコン(普遍性)×男子フィギュアスケート(新規性)
モチーフ:男子フィギュアスケート、特別強化選手、世界大会
主人公のテーマ:勇利は自分の殻を破れるか?
物語のメインテーマ:勇利は大会で優勝出来るのか?
物語構造:旅物語、スポーツ
葛藤環境:ヴィクトルがコーチをしてくれるには、試練を乗り越えないといけない
主人公の動機:未来への投資行動。ヴィクトルにコーチをしてもらい、一緒にカツ丼を食べたい
欲求:承認
面白さ:リアリティ(男子フィギュアスケート)、予測不能(勇利は戦えるのか? グランプリシリーズで勝てるのか?)、感情移入(対抗者に勝てるのか? 憧れの存在)