「終末のイゼッタ第十一話」を分析してみた

既存作品ザックリ分析

作品名:終末のイゼッタ

形式:連続アニメ作品、第十一話

長さ:25分(OPEDテーマソング含む)

公式サイト:http://izetta.jp/

 

!注意!

この記事は、完全にネタばれを含んでいます。

 

主な想定読者

・分析作品から、物語の型を学ぼうと思う創作者で、その中でも、脚本術等を、好きな作品で学びたい人。

・分析作品を既に見た作品のファン。

・分析作品を見る予定は無いが、単純に内容を知りたい人。

 

分析で分かる事

物語のオチは、もちろん正確には分かりません。

分析によって分かるのは、主な物語の構造や、各要素の役割です。

 

「終末のイゼッタ」を分析

主人公(役割):イゼッタ

導き手:フィーネ

敵対者:ゲルマニア帝国

オープニングイメージ

ジークの語り。

白き魔女伝説の真実。

魔女を殺せ、それが妃殿下より下された命令。

ジークの祖先は命令に逆らえず、ゾフィ―が信頼の証として開示した地図を逆手に取り、力を使えない土地で魔石を奪い、異端審問官に引き渡した。

杖を奪った拍子に砕けた魔石は、国を救った恩人に対する裏切りの象徴。

その片割れを、ジークの家が代々保管していた。

ゾフィの裏切りに遭った怨嗟の顔を、ジークの祖先は死ぬまで忘れられなかった。

ジークは、イゼッタに魔石の片割れを見せる。

 

対決の時

占領されたエイルシュタット。

魔女の間を見物するベルクマン。

祀る事で許して貰おうとしたメルダース家をゾフィはどう思うかとこぼすと、ヘイガ―中佐に魔女の作戦担当から外されたのに熱心な事だと皮肉を言われる。

ベルクマンは気にせず、報告にあった墓を見に行く。

城の裏にたてられたリッケルトの墓。

手厚く葬られたリッケルトに、ゲールの快進撃は君のお陰だが、そのせいで自分は厄介な状況にあると笑い語りかける。

兵士がフィーネ達の潜伏先を発見したと、ヘイガ―に報告が入る。

 

隠れ家。

食事が喉を通らないフィーネと心配するロッテ。

そこにゲールの親衛隊の急襲。

応戦するも、多くの者が殺され、追い詰められていく。

 

制圧していくゲール親衛隊。

ヘイガ―は最後の一押しを始める。

そこに、ベルクマンがフィーネと面識があるので特定に役立つと同行を願い出る。

ヘイガ―は了承するが、銃を触ってベルクマンを嬉しそうに哀みながら、色々と手間が省けると語る。

 

ヘイガ―がフィーネ達が籠城する部屋の前に到着。

捕らえた兵を何人か連れてきなさいと言い、なるべく無傷の者をと付け加える。

フィーネは姿が見えないイゼッタを心配するが、ビアンカがイゼッタはジークと外出中だと明かす。

フィーネが、なぜと聞こうとすると、ヘイガ―が降伏させる為に連れて来たエイルシュタット兵の処刑を始める。

あっさりと二人殺され、フィーネが耐えられずに声をあげ立ちあがるとビアンカと近衛がフィーネを守る様に一緒に立ちあがる。

ヘイガ―に言われるままフィーネは一人でヘイガ―のもとへ行くと、ベルクマンが本人ですとヘイガ―に告げる。フィーネは、降伏を条件に他の者の身の安全の保証を要請する。

しかしヘイガ―は、もっと抵抗してくれる事を期待したのにとガッカリし、フィーネ以外を隠れ家ごと火炎放射器で焼き殺すと言う。

絶望するフィーネの顎を掴むヘイガ―に、姫様から手を離してと声がかかると、手だけ正確に煉瓦が当たり、フィーネは解放される。

直後、廊下にいたゲール兵達は大量の飛んでくる煉瓦に成す術も無くやられてしまう。

ヘイガ―が廊下に目をやると、そこには銃を構えたジークと、魔力で赤く輝くイゼッタが煉瓦を周囲に浮かせている姿があった。

イゼッタの胸には一際輝きを放つ魔石がペンダントになって下げられている。

ベルクマンは魔石の片割れか、と状況を理解し、逃げるヘイガ―と共に隠れ家の奥に逃げていく。

 

ヘイガ―とベルクマンを追おうとする近衛とビアンカ、ビアンカはジークがイゼッタにした説明を思い出す。

魔石を使うとゾフィと対等に戦えるが、寿命を蝕み、使い過ぎると長く生きられない副作用がある。

ビアンカは既に十分戦ってボロボロのイゼッタに、これ以上命を削る事を強いられないと涙を流す。

イゼッタは、最後までちゃんとやりたい、フィーネの為に戦う事だけが自分のやりたいたった一つの事と語り、ジークから魔石を自ら受け取る。

 

煉瓦を自身の周囲で旋回させて竜巻の様に身を守りながら、ゲールの残党を倒しヘイガ―を追い詰めていくイゼッタ。

ヘイガ―とベルクマンは、袋小路に追い詰められる。

ベルクマンは、銃を構えてヘイガ―に最後に教えてくれるかなと質問をする。

皇帝からベルクマンの抹殺命令が出ているのか聞くと、狼狽するヘイガ―は肯定し、お前だけが終わりなんだと精一杯強がり、なぜ私がこんな目に遭うと自分を憐れみむ。

ベルクマンは、ヘイガ―を撃ち殺すと、銃を捨て投降する。

身体検査をその場でされながら、ベルクマンは魔石の秘密を知っている事をペラペラと語り、フィーネは魔石を使うリスクを知る事になる。

 

目隠しを外されるベルクマン。

森の隠れ家に移動してきた事を、尋問しようとしているジークに推測で当てて有能さを見せつける。

ジークは、ベルクマンがゾフィの仕掛け人だね、アルノルド・ベルクマン少佐と聞くと、先日中佐に昇進したよ、ジークハルト・ミュラー補佐官と返される。

ジークは、眉を一瞬しかめ、今は首席補佐官だと返し、お互いの自己紹介を終える。

ベルクマンは、お互い情報が少し古かったと言いながら、エイルシュタットに自分と似た考え方の人間がいると思っていたと明かす。

ベルクマンは、早速取引を持ちかけ、ジークに目的達成の為なら手段を選ばないし、時には非道な事も出来る人間だと言い当てる。

ジークはヨナスを思い出す。

ジークはベルクマンと取引をする事にし、ベルクマンは自分の襟の後ろを破れと指示する。

そこにはフィルムが数枚隠されていて、キノコ雲が写っていた。

フィルムを検めるジークに、ベルクマンはゲールの新兵器情報、ゲールの計画を明かす。

ジークは、その重要な情報を、なぜこんなにあっさりと敵に明かすのか聞くと、自分には抹殺命令が出ていて、エイルシュタットに勝って貰う以外に道が無い事を明かす。

ジークは、国への忠誠が無いのかベルクマンに聞くが、ただ死にたくないだけさとシンプルな答えが返ってくる。

ベルクマンは、自分を殺しそうな相手を全て殺せば安全だと言い、ジークは、その思考の先には自分以外誰もいなくなると否定するが、ベルクマンは、それはとても安全そうだと肯定する。

ジークは思わずベルクマンを殴ると、自分とベルクマンは水と油で似ていないと軽蔑する。

ベルクマンは、不敵な笑みを浮かべ、そうかいと答えた。

 

執務室で、早速、新型爆弾やゲールの計画について話し合われる。

TNT火薬20kt分に一発で相当する悪魔の兵器。

フィーネは、自分が身を差し出し、降伏すれば良いと、弱音を吐く。

イゼッタが魔石で命を削る姿を、見たくない。

また、フィーネは魔女を戦争に使った自分はオットーを謗る事も出来ず、一線を最初に越えたのは自分だと語り、全てを終わりにしようと話をしめる。

イゼッタは、フィーネの右頬にビンタをする。

一人で勝手に終わらせないで下さいとイゼッタはフィーネに言う。

姫様は、自分は国のみんなに生かされている。だから戦うっていつも言っていた。

イゼッタも、今はそうだと言う。私の為に沢山の人が命を投げ出してくれた。だからまだ立っている。まだ戦える。だから、二人で終わらせなきゃ。苦しいのも辛いのもわかっているけど、いつもみたいに。

イゼッタは、お願いフィーネと、初めてフィーネを呼び捨てで呼ぶ。

フィーネは、自分の名前を言い、城の地下での誓いを思い出す。

確かに、命ある限りイゼッタの願いを叶ると誓っていた。

フィーネの瞳に意志が戻り、共に闘う事をイゼッタに告げる。

 

ベルクマンがゲールの作戦と、その対処法を皆に伝える。

クローンであるゾフィは、2時間のタイムリミットがあり、新兵器のミサイルはゾフィの操作無しには正確に飛ばない。

ゾフィを発射前に戦場に引きずり込み、全力戦闘をさせれば、まだ勝機がある。

ゾフィの魔法の使い方次第では、2時間も身体がもたない筈。

同時に、オットーが各国を脅迫する予定のヴェストリアでの会議に、フィーネが出席する必要がある。

ジークとビアンカが同行し、ベルクマンは一蓮托生だと、手はずを整える。

 

夜、フィーネが窓の外を見ると魔力の光で森が照らされている。

テラスに出ると、箒に跨ったイゼッタがフィーネを迎えに来る。

フィーネは、魔石を使うイゼッタの身体を案じるが、イゼッタは、そんなのどうだっていいとフィーネを夜の森へと連れ出す。

フィーネは二人の出会いを思い出す。

フィーネが連れだした訳を聞くと、イゼッタは昼間にぶってしまった事を思いきって謝る。

気にしていなかったフィーネは、顔を赤く染めるイゼッタに許しても良いが、一つ条件があると切り出す。

昼間せっかく名前で呼んでくれたのに、また逆戻りなのかと言うと、イゼッタは目を逸らし、恥ずかしそうにフィーネ様と呟く。

フィーネはイゼッタの頬に手を添えて、視線を合わせる。

様は要らない、歯切れよく、その調子での言葉に、イゼッタは、何度も何度もフィーネと名前を呼び続ける。

 

アルプスの山頂。

雲海を眺めながら、フィーネはイゼッタに本当に上手く行くのだろうか、上手く行ったとして本当に終わるのだろうか聞く。

イゼッタは、出来ると思うと答える。

イゼッタは、魔石を使って分かった事があり、フィーネに相談したくてと秘策を切り出す。

 

ヴェストリア、アルブリンゲン

各国の首脳が集まる。

ゲールが何を押しつけてくるか不安。

 

会議場に向かう車の中。

運転するジークと助手席のベルクマン。

ベルクマンにはビアンカが銃を向けている。

ベルクマンの後ろにはフィーネ。

 

同じころ、イゼッタが皆と別れを済ませ、出撃する。

共に闘ってきたライフルに触れ、お前ももうボロボロだね、でもがんばろ、これが最後だからと話しかける。

みんなおいでと言うと、身の丈を超える剣が反応し、イゼッタは最後の戦いに出る。

 

ヴェストリア、会議場に向かう最後の検問所

ベルクマンの手配した身分証によって順調に来ていたが、ここにきてバスラーがベルクマンを見つけ、身分証を破り捨て、車を止めてしまう。

 

ゾフィ、ゲール軍と対峙するイゼッタ。

ゾフィは、待ちくたびれた、さあ、始めましょうか、すべての終末をと言う。

第十一話終わり

 

現状の分析結果

コンセプト:架空戦記(WW2)×魔女

モチーフ:WW2、魔女、姫、ドイツ等の国々

主人公のテーマ:自己犠牲

物語のメインテーマ:イゼッタは、フィーネの為にエイルシュタットをゲルマニアから守り、戦争を終わらせられるのか?

物語構造:旅

葛藤環境:強国に攻め込まれる弱小国

主人公の動機:フィーネの為にエイルシュタットを守りたい

欲求:承認

面白さ:リアリティ(WW2、情報戦)、予測不能(魔女、ベルクマンの協力)、感情移入(自分の国を守りたい、優秀な指導者に仕える、恩を返したい、友達の辛い姿を見ていられない)

 

BD

※記事の内容は、訂正、追加、更新等する事があります。

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