既存作品ザックリ分析
形式:連続アニメ作品、第十話
長さ:23分(OPEDテーマソング含む)
公式サイト:http://vivid-strike.com/
!注意!
この記事は、完全にネタばれを含んでいます。
主な想定読者
・分析作品から、物語の型を学ぼうと思う創作者で、その中でも、脚本術等を、好きな作品で学びたい人。
・分析作品を既に見た作品のファン。
・分析作品を見る予定は無いが、単純に内容を知りたい人。
分析で分かる事
物語のオチは、もちろん正確には分かりません。
分析によって分かるのは、主な物語の構造や、各要素の役割です。
「ViVid Strike!」を分析
主人公(役割):フーカ・レヴェントン
導き手:アインハルト
敵対者:リンネ
協力者:ジムのみんな
オープニングイメージ
変身バンク。
価値観の再構築の時
フーカの啖呵に、リンネは自分の事をフーカも誰も分からないと返す。
フーカは、伝えようとしないで周りが分かってくれると思うなと正論をぶつける。
畳みかける様に、一回負けて引退すると言っていたのに、ベルトをチラつかされて戻るのは、心が弱いと言いきる。
リンネは、蹴りを放ちながら、好きで競技も格闘技もやっていた訳じゃないと言い訳する。
強くなったと思えればそれで良かったと本心をぶつける。
リンネにフーカは、嫌な事から逃げ出す為の良い訳と何が違うのか問う。
答えられないリンネは拳で応え、他人のフーカには関係無いと言う。
リンネにとって本当の家族は、死んだ祖父で、その愛情を裏切ってしまった事が許せない。
その原因を作った悪意を持った人達に見下されたり奪われない様に、強くなると決めた。
リンネの言葉と拳を受けるフーカは、リンネに強烈な一撃を加え、強くなったらいいと言う。
フーカの一撃に動きが止まるリンネ。
フーカは、競技で強くなって、タイトルや勝ち星を心の支えにするのを否定しないが、リンネはそれでさえないと更に強烈な一撃を加え、吹き飛ばす。
辛い過去から逃げて、目先の目標に縋って、心を閉ざして、自分も周りも見えていない、周囲全てが敵に見えているのかと再度問う。
リンネは、どうすれば良かったのか問い返す。
自分の犯した罪や失敗を忘れて生きれとでもいうのかと。
フーカは、リンネの考えは極端で、折り合いをつけろと言うが、リンネは自分なりに折り合いをつけていると言う。
リンネは、フーカに構わないでほしいと言い、戦闘が再開する。
ジルは、リンネの強さを確信する。
しかし、アインハルトは、これで終わらない事を確信している。
フーカは、リンネの裏をかき、仲間から教わった技を次々と繰り出す。
自分の身体をイメージ通りに操るセンス、吸収力によって、変幻自在に技をリンネに食らわせ、吹き飛び壁にめり込んだリンネの胸の骨が折れる。
壁から剥がれおちるリンネは地を這う。
リンネは、たった4ヶ月で驚異的な強さを獲得していてギャラリーに衝撃を与える。
天気が変わり、豪雨になる。
リンネのトレーナーが降参する事を進言するが、ジルは考えている。
リンネは、意識があり身体が動くのに諦めたくないと言う。
ジルは、続行を決める。
雨の中、対峙する二人。
お互いが全力でぶつかりあう。
リンネは、夢を思う。
何も間違わなかったifを求めている。
目立たず、攻撃されず、祖父と、家族と今も暮らす幸せな日々。
それは全部、幻想だと分かっている。
それを壊したのは、リンネ自身だとリンネは思う。
取り返しのつかない事態になるまで、動けなかった自分の弱さが悪い。
そう考え、リンネは自分を許せない。
許されたいが、許す事が出来ない。
誰よりも強くならなければ、自分を許す事が出来ない。
世界中が敵に見えていると、フーカがリンネに言ったが、それは少し違う。
リンネは、世界中で誰より私が嫌いだと、本心を語る。
リンネの悲痛な感情に、フーカは表情を歪める。
フーカとリンネ再びぶつかり合うが、リンネの攻撃の方が深く入り、フーカの意識を飛ばす。
ギャラリーがフーカに飛びかける。
フーカ、飛んだ意識の中で回想。
リンネとの出会いを思い出す。
リンネとフーカは、同じ頃に孤児院に来た。
孤児になり卑屈になっていたフーカに、リンネは笑いかけ、お菓子を分けてくれた。
孤児になり、初めて笑顔をくれたのは、リンネだった事を思い出す。
フーカは意識が戻り、リンネの拳を受け止める。
リンネの優しさが、フーカを人間らしくしてくれた。
フーカは、リンネに、どうしたら自分を許せるのか問う。
問いに、リンネは放っておいてくれと拒否を示す。
フーカだけ、恵まれた環境で幸せになれば良いと、回想と対比してリンネは卑屈。
説得や説教に対して、礼を言い、無理して私につき合わなくていいと言うリンネ。
フーカは、辛さと怒りが混ざった様な表情で、断ると言う。
リンネは、泣きそうな表情を浮かべている。
リンネがフーカを嫌いでも他人だと思っていたとしても、それでも良い。
大切な幼馴染で友達だと思っているフーカ。
一人で泣いて、涙で目を腐らせているのがフーカは我慢できない。
辛いことや後悔があるなら、半分背負うし、苦しめるモノがあるなら一緒に戦ってやる。
だから、自分の事を嫌いだなんて言わないでくれ。
フーカの言葉と思いに、リンネは、昔からずっと優しいねと言う。
リンネは、孤児院にいた頃は、辛い事が合っても未来に希望があった。
フーカと過ごした思い出は、リンネの宝物。
だけど、全てを失った、自分が間違ったあの日を境に、リンネには未来への道が見えていない。
リンネは、決着をつけ、自分が勝ったらフーカはリンネに関わらないと約束して欲しいと言う。
フーカの未来を思っての、リンネの提案。
フーカは、自分が勝ったらと聞くが、リンネは、無いよ。私が勝つと言いきる。
ジルは、リンネの育成と接し方を間違えたと涙を流す。
勝っても負けても、自分の所に帰ってきてくれたら、今度は間違わないと誓い、祈る。
勝負を決めるのは、歩んできた道。
どんな未来を選ぶか、見守りましょうとヴィクターが語る。
第十話終わり
現状の分析結果
コンセプト:魔法少女(新規性)×総合格闘技(普遍性)
モチーフ:魔法、美少女、総合格闘技、大会、ジム、異世界
主人公のテーマ:お金や力よりも大切な物とは何か?
物語のメインテーマ:幼馴染と再び戦い、勝つ事が出来るか?
物語構造:所属環境の問題に向き合う物語。ここで言う所属環境は、フーカとリンネの二人の関係
葛藤環境:不公平な世の中と不遇な境遇
主人公の動機:過去の清算行動。友達を救いたい
欲求:承認
面白さ:リアリティ(総合格闘技のジムやシステム)、予測不能(フーカは、リンネに勝てるのか?)、感情移入(力を持って変わってしまった大切な人がいるか?)
ちなみに関連作品はこちら
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