シナリオの書き方「呪いによる変身物語」の脚本構造を紹介!呪われてラッキー!?

「呪いによる変身物語」とは?

ここでは「呪いによる変身」をテーマにした物語の解説をします。

 

タイトルからホラーストーリーだと思ったでしょうか?

確かに「呪い」がキーワードですが、今回のテーマとなる「呪い」は、怖いと言うよりは迷惑のたぐいです。

迷惑なのに、なぜ「呪われてラッキー」なんて記事のタイトルなのでしょうか?

それを、これからご紹介します。

この形式の物語は、構造カテゴリーで別の言い方をするならば「特別な力によって、変わり者になる物語」となります。 

目次

  • 解説
  • 必須要素
  • 該当作品

 

  

解説

呪いによる変身とは?

そもそも「呪い」とは何でしょうか?

怪談では、死を宣告されたり、悪霊が取り付いたり、そんなイメージですよね?

 

ですが、この形式の物語の中では、本人が望まない特別な変化の事を指して「呪い」とします。

また「変身」とは、姿形が変化する事だけでなく、行動の変化も含まれます。

死んだりはしないけど、自分の何かが勝手に変わってしまう。

地味に迷惑ですよね?

 

まず、呪いによる変身ありき

このタイプの物語の主人公は、基本的に物語冒頭では、いたって平凡であり、どちらかと言えば冴えない人物です。

ところが、運命や偶然に誘われ、物語の序盤で呪われた状態に陥ります。

呪われる事がきっかけとなり、物語がまわり始めます。

 

呪いの効果によって見た目が変わったり、行動が制限される事で、主人公は今まで通りには過ごせなくなります。

呪いによって、逃げようのない苦境に立たされる事になり、その中で身をもって呪いのルールを学んでいくのです。

 

姿が変わる物語の場合は、呪いが解けるまでの間、まったく別の人間として生きる事を強制されます。

映画「千と千尋の神隠し」では、魔女に名前を奪われた(呪われた状態の)主人公が魔女の営む八百万の神々が訪れる湯屋で働く事になります。

呪いによって主人公は見た目(千と千尋の神隠しの場合は名前)だけ変わり、まったく新しい世界に飛び込むわけです。

 

一方、行動が制限される物語の場合は、主人公の生きる世界は変わりません。

今まで生きてきた世界で、主人公は行動を制限されたまま不自由に生きる事になります。

映画「イエスマン」では、自己啓発セミナーでイエスしか言えない誓いを立て(呪われた状態になり)、あらゆる場面でイエスしか言えなくなってしまいます。

呪いによって主人公の行動だけが変わり、行動の変化によって周囲の世界が変わっていきます。

 

この様に、これらの「呪いによる変身物語」における「呪い」とは、主人公の意思に関係無く、一見、主人公にとって迷惑な条件で強制的に変身させてしまいます。

困ります。

ですが、呪いによる変化のデメリットを体感した後で、主人公は呪いを逆に利用できるメリットに目を向け始めます。

呪いなのに、悪いだけじゃないとは?

 

呪いのメリット・デメリット

まあ、呪いと聞くと、あまり良いイメージが湧かないかもしれません。

ですが、呪いによる変身物語においては、必ず呪いにメリットとデメリットの両方が用意されています。

このメリット・デメリットの関係こそが、物語のテーマにも深く関わる重要なポイントです。

 

実は、呪いのメリットとは、主人公が自分でも自覚の無かった自身の欠点の、強制的な矯正によって得られた物なのです。

逆に言えば、呪いのデメリットとは、直すべき欠点を強制的に封じる物と言う事です。

 

ん、よくわかりませんか?

 

映画「ライアーライアー」を例に説明します。

この映画の主人公は、大嘘つきの弁護士です。

 

嘘を平気でつくため、裁判でも勝てる優秀な弁護士でもあるのですが、その嘘を呪いによって封じられてしまいます。

息子にパパが嘘をつかないようにしてくださいと願われたら、それが叶ってしまうのです。

しかし、主人公にとって嘘は、悪い物ではなく、自分が有利に生きる為の道具でしかない認識です。

つまり「大嘘つき」とは、主人公からすると無自覚な欠点なのです。

 

それが呪いによって封じられると、弁護士は正直にしか振舞えなくなります。

これは嘘で勝ってきた弁護士からすれば死活問題です。

これが呪いのデメリットです。

 

ですが、嘘を封じられたが為に、嘘を使わずに立ち回る方法を模索します(最初はどうにか嘘をつこうと無駄な努力をするのですが)。

そのうちに、正直でいる事でも得をする事に気付き始めます。

これが呪いのメリットです。

  

……つまり、この形式の物語における呪いとは「主人公を成長させる為の装置」と言う事になります。

  

呪いに頼り始める

呪いのメリットに早くから気付いた主人公は、すぐに呪いに頼り始めます。

呪いと言う補助輪に頼って行動すると、物事が上手くいくからです。

 

自分の欠点が自動的に封じられた状態なので、周囲から主人公を見ると、より良い人に見えます。

序盤では平凡で冴えなかった主人公は、周囲から一定の好評価を受け、成功状態になります。

この形式の物語では、呪いは悪いだけものじゃない事が分かりました。

では、主人公はこの呪いと一生付き合っていくのでしょうか?

いいえ、まさか。

 

呪いが解ける時

物語の後半で、呪いに頼っていた事自体が裏目に出る事件が起きます。

それは、主人公としては意図せずに呪いが解けてしまったり、解け始めたり、解かなければならなくなったりと、とにかく呪いに頼れない状況に陥るのです。

呪いと言う補助輪から卒業する時期が来る為です。

 

呪いが解けても 

呪いに頼らずに、成長した姿を示すチャンス、試練の時が訪れます。

これは呪いと言う補助輪が無くても、呪われていた時と同じ様に行動出来るという、主人公が成長した姿を示す為です。 

ここで主人公は、呪いに頼らずに、呪いのデメリットが無いにも関わらず、行動の選択を迫られます。

呪いのデメリットが嘘をつけない事なら、主人公は呪いが解けたとしても真実を本心から吐露するのです。

呪われる事によって学んだ事を自分の意志で実行し、物語はフィナーレを迎えます。

まとめ

以上、呪いによる変身物語とは、呪いを通して主人公が成長する物語と言う事でした。

ポイントは、呪いのメリット・デメリットが主人公を成長させる為の助けになるかどうかという所ですね。

この記事が好きな作品探しや、この形式の物語を作る時の参考になればと思います。

必須要素

特別な力

  • 魔法の力のルール
  • 叶えたい願い
  • 魔法の力を知る協力者
  • 魔法の力無しで叶える本当の願い

変わり者

  • 図太いメンタルの主人公
  • 変化する行動or見た目or名前
  • 主人公を脅威に感じる存在
  • 変わり者で無ければ解決できない問題

「呪いによる変身物語」該当作品

 

地道に追加、修正予定。

※他の形式の物語も知りたい場合は、物語カテゴリーをご覧ください。

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