シナリオの書き方「力を得た者の責任の物語」の脚本構造を紹介!一般人がヒーローに!?

「力を得た者の責任の物語」とは?

ここでは「力を得た者の責任」をテーマにした物語の解説をします。

 

この形式の物語は、いわゆるヒーロー物の一つです。

一般人がヒーローになる物語です。

この形式の物語は、構造カテゴリーで別の言い方をするならば「特別な力によって、使命を果たそうとする物語」となります。 

目次

  1. 解説
  2. 必須要素
  3. 該当作品

  

解説

力を得た者とは?

まず、そもそも「力を得た者」とは、ここでは何を指すのでしょうか?

この記事では「本人の意思では無い理由で特別な力を手に入れた存在」となります。

 

偶然特別な力を手にしてしまう

このタイプの物語の主人公は、基本的に物語冒頭では、いたって平凡です。

性格は純真無垢か、正義感が強い人物が多いです。

運命や偶然に誘われ、物語の序盤で特別な力を手に入れてしまうところから始まります。

最初は、手に入れた力に戸惑いますが、すぐに自分が超人になった事に気付き、その力を使う中で、力を持つ意味を見出し、物語がまわり始めます。

 

この時からスーパーパワーを、多くの主人公は周囲には秘密にして、そのルールを学んでいきます。

 

お決まりのルール

主人公が使える力には、大抵は分かりやすいモチーフや、特性があります。

モチーフで有名なのは、スパイダーマン、アントマン、デビルマン、仮面ライダーあたりでしょうか。

それぞれ蜘蛛、蟻、悪魔、バッタに因んだスーパーパワーを持っています。

 

特性で有名なのは、フラッシュがあります。

フラッシュは速さをコントロールする事で、特別な力を発揮します。

 

この様に、主人公がスーパーヒーローとなる事が多いこの形式の物語では、主人公には視聴者に分かりやすい、スーパーパワーが与えられます。

 

主人公しか対抗出来ない問題

この形式の物語では、主人公に課せられる使命が重要です。

力を手に入れたが為に、主人公は力を持つ者の責任を負わされてしまいます。

 

典型的なヒーロー物の場合は、主人公が得たスーパーパワーの出所がヴィラン(敵、悪者)と同じパターンがあります。

これは、ヴィランが強力なスーパーパワーを持っていて、同じ、または似た力を使える様になった主人公だけがヴィランに対抗出来ると言う状況です。

 

海外ドラマ「フラッシュ」では、粒子加速器の事故によって超人が同時多発的に生まれてしまい、超人となった犯罪者に対抗出来る者が、同じ様に超人となってしまった警察関係者(鑑識助手)である主人公のバリーしかいないと言う状況の中で、ヒーローへの一歩を踏み出します。

 

特撮「仮面ライダー」では、敵の組織に捕まり、怪人に改造されてしまいますが正義の心を失わず、ヒーローになります。

 

これら敵と同系統の力を手にするのとは他に、特別な力を持った者が強制的に役割を負うパターンもあります。

同系統の力を持つ悪はいないけど、責任からは逃れられないパターンです。

 

アニメ「花田少年史」では、交通事故の後遺症で幽霊が見えるようになった主人公に幽霊が助けを求めてくるのを、主人公は救ってゆく事になります。

最初は乗り気でない主人公は、幽霊にかなりの頻度で脅されたり説得されたりする事で、抵抗しても最後には幽霊の依頼を断れません。

 

アニメ「トロールハンターズ(ネットフリックス配信中。好き)」では、拾ったアミュレットが実は伝説の戦士の証で、主人公はトロールハンターに選ばれてしまい、悪のトロール軍団と戦う事になります。

この主人公は、アミュレットを手放す事も出来ず(自分の意志で捨てても戻って来てしまう)、悪のトロールもアミュレットを狙っている為、戦う以外に道が残されていません。

悪のトロールにアミュレットが渡ると、アミュレット自体が魔界への鍵になっている為、魔王が復活して世界が滅んでしまう為、ヒーローをする以外に道は残されていないのです。

 

この様に、主人公達はスーパーパワーを手にしたが故に、自分や大事な人の安全を守る為に悪と戦う事を強制されてしまいます。

 

始まる二重生活

スーパーパワーを手にした主人公ですが、多くの場合は正体を隠して今までの生活を続けます。

専業でスーパーヒーローをするなんて、すぐには出来ないんです。

 

すると、使命を優先せざるを得ないので、日常生活が徐々に犠牲になります。

日常の中でスーパーパワーを人知れず使って得をする場合もありますが、そんなものでは帳消しにできないレベルで日常に弊害が出てきます。

 

お約束では、大事なイベントの時に限って事件が起き、行けなかったり間に合わなかったりします。

こういった日常の犠牲によって主人公は、約束を破った、嘘をついたと、本当に守りたい相手との間に溝を作ってしまい苦しみます。

 

一方で、主人公が使命を果たす為に自身を犠牲にして頑張っている事を知る仲間がいる場合は、信頼も信用も着実に得られます。

また、主人公に救われた人々にはヒーローとして認知され始めます。

 

強敵に目を付けられる

この形式の物語では、ただ欲望の為に悪さをするヴィランとは一線を画す、ヒーローを狙うヴィランが現れます。

ある意味で最大のヒーローの理解者が現れるのです。

ヒーローを仲間にする為に勧誘に現れる者もいれば、ヒーローさえいなければ自分が最強だと考える者、ヒーローを仕事の邪魔だと思う者、自身の思想の為にヒーローと勝負する者と、種類は様々です。

 

その中で共通するのは、主人公がヒーローだからこそ、このヴィラン達は行動を起こす事です。

この状態にまで来ると、主人公はヒーローとしての二重生活が、自分の周囲の者達にとって危険である事に気付きます。

主人公の正体がバレれば、身近な者達が危険にさらされてしまうのです。

 

ヒーローの孤独

力を持ってしまったが為に、使命に向き合わなければいけない状況に追い込まれた主人公。

なのですが、自分を含めた周囲の者を守る為には戦い続けないといけないのに、戦い続ける事で、ヒーローとなったが為に自分の周囲の者達が危険に晒されると言う、何とも皮肉な状況に追い込まれます。

力を手に入れる

使命が発生する

使命に向き合わないと自分や周囲が危険

使命に向き合う事でヒーローになる

ヒーローになった事で自分や周囲が危険になる

戦い続けるしかない……

 

こうして、放っておけば孤独になっていく二重生活を続けざるを得ない主人公は、孤独にならない様に努力を始めます。

多くの主人公にとって戦う一番のモチベーションは、守りたい大事な人なので、それを裏切ったり失ったりは絶対にしたくないからです。

 

主人公がヒーロー生活を最適化する手段は、幾つかあります。

 

まず、代表的なのは秘密の共有者を作る事です。

主人公がヒーローだと知っていて、二重生活に協力してくれる仲間を作るのです。

この協力者は、主人公には無いスキルを持っていて、戦えなくとも主人公の事を大いに支え、時には二重生活のアリバイ作りにさえ協力します。

協力者は、主人公の置かれている状況に既に精通している当事者か、主人公の事を絶対に裏切らない昔からの親友等である場合が多いです。

秘密の共有者は、主人公と共に修羅場をくぐる中で、自分なりの戦い方を身に着けていきます。

ですが、主人公にそんなに都合の良い仲間がいない場合があります。

 いたとしても、守り切る自信が無い事もあります。

その時は、大事な人と距離を置く場合があります。

大勢のヒーローが、恋人や愛する人を守る為に、あえて身を引き、自分以外との幸せを見守る事を選びます。

この選択は、問題を先送り出来る代わりに、主人公に(それと、主人公を応援している視聴者に)切ない思いをさせます。

愛する人の危険は一見減りますが、この選択をする場合、主人公は愛する人の事を想い続けるながら、本心を隠して過ごす事になるからです。

 

このどちらも上手くいかない場合、主人公はヒーローである事を辞めようとします。

と言っても、実際に辞める事は出来ず、多くの場合は休業やボイコットをするだけです。

その場合は、社会にとってのヒーローの必要さを身をもって体感し、決意も新たにして戦いに身を投じる事になります。

他に、主人公の最後の手段は専業ヒーローとなる事です。

今までの人生を捨て、大事な人を守るために姿を消してしまうパターンです。

これを主人公がやると、行方不明になった主人公を事情を知っている仲間も知らない仲間も探す事になります。

何割かの作品は、一時的に主人公が交代して専業ヒーロー化した主人公を二重生活に戻そうとしたり、ヒーロー業自体から解放させる為に試行錯誤する話になったりします。

 

強敵との対決

ヒーローとなった主人公には、ヴィランとの対決が待っています。

ヴィランの野望が果たされたら大勢が傷つく様な状況が用意されたり、主人公の正体がヴィランにバレたり、正体がバレる事で大事な人が人質に取られたり。

あるいは、その全てを満たす状況に追い込まれ、主人公はヴィランを絶対に止めなければならなくなります。

 

主人公が宿敵のヴィランと戦う場合は、多くはヴィランが指定した時間や場所で戦う事になります。

これは、ヴィランにとって有利であり、相手によっては罠や、究極の選択(どちらかしか助けられないゲーム等)を用意する事で、ヒーローを疲弊させてきます。

万全ではない状態のまま、不完全な体調や装備のまま主人公はヴィランとの対決に臨まなければならないのです。

 

フィナーレ 

ヴィランとの対決の末、ヒーローはヴィランに勝利します。

手痛い敗北を喫する場合もありますが、その多くはリベンジマッチに続き、ほとんどは主人公の勝利のうちに終わります。

 

ヒーローとなってから出会った人々と協力したり、ヴィランと正面からぶつかり合い自分の限界を超えたギリギリの勝利をおさめます。

様々な戦い、様々な勝ち方があります。

 

ですが、この物語を盛り上げるのは、主人公のピンチと逆転にあります。

精神的にも肉体的にも追い詰められる中で、主人公が気付くヴィランの隙や弱点を突いた渾身の選択によるギリギリの逆転勝利や、タイムリミットが迫る中で目的達成する姿にこそ、読者、視聴者の心は震えるのです。

 

そうした戦いの果てで、物語はフィナーレを迎えます。

力を得た者の責任を果たした主人公は、力を持つに相応しい人物に成長し、本物のヒーローになるのです。

 

まとめ

以上、力を得た者の責任の物語とは、特別な力を得る事によって発生した使命を通して、主人公が成長する物語と言う事でした。

この形式の物語のポイントは、主人公の日常とヒーロー活動の二重生活と、その中でヒーローへと成長していく変化です。

一般人がヒーローに変わっていく物語。

最高に燃えますよね。

この記事が好きな作品探しや、この形式の物語を作る時の参考になればと思います。

 

必須要素

特別な力

  • 魔法の力のルール
  • 叶えたい願い
  • 魔法の力を知る協力者
  • 魔法の力無しで叶える本当の願い

スーパーヒーロー

  • 弱点や制限
  • ヒーローとしての名前
  • 守るべき相手
  • 倒すべき相手、解決すべき問題

「力を得た者の責任の物語」該当作品

地道に追加、修正予定。

※他の形式の物語も知りたい場合は、物語カテゴリーをご覧ください。

※アイキャッチはヒューマンピクトグラム2.0様より使わせて頂いています。

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