シナリオの書き方「異世界の英雄召喚物語」の脚本構造を紹介!英雄の役割とは?

「異世界の英雄召喚」とは?

ここでは「異世界における英雄召喚」をテーマにした物語を解説します。

異世界と言っても別に、剣と魔法のファンタジーである必要はありません。

この形式の物語は、構造カテゴリーで別の言い方をするならば「変わり者となって、使命を果たそうとする物語」となります。 

目次

  1. 解説
  2. 必須要素
  3. 該当作品

解説 

異世界の英雄召喚って?

まず、そもそも「異世界での英雄召喚」とは、ここではどんな状態を指すのでしょうか?

この記事では「圧倒的な力を持った主人公が、明確な使命を与えられて異世界に呼ばれる事」として解説していきます。

 

主人公は、とにかく強い

このタイプの物語の主人公は、例外なく超が付くほど強いです。

異世界に呼ばれる理由も、その強さ故に呼ばれます。

強さには秘密があり、それまで数々の戦場を潜り抜けてきた歴戦の勇士である場合が多いです。

神様から貰ったチート能力が強さの源泉では無いのです。

多くの場合、有能な反面、我や個性が強く独特の価値観を持っています。

異世界にいる強者にとっては扱いづらく、時には邪魔者です。

弱者にとっては、影響を受けるべき英雄としてその目に映ります。

異世界に英雄として召喚された主人公は、最初は困惑しつつも、劣勢である弱者の為に戦いに身を投じます。

明確な使命に向かって

この形式の物語では、主人公が何を目指すべきかが、味方である弱者によって早々に説明されます。

主人公が果たすべき使命は、表向きは弱者を虐げる強者を打ち負かす事です。

実際、主人公が加勢しなければ弱者達には破滅が待つ状況で物語は始まります。

味方は、主人公に対して「こういう理由で我々は勝てない、虐げられている。加勢して欲しい」旨を伝えます。

ここで、なぜ弱者の陣営が実力的に敵陣営に劣っているのかが、主人公には分かります。

それは、召喚されたよそ者として加勢する事になった主人公にだけ備わっている「客観的な視点」による単純な分析の結果です。

例えるならば、会議に通しで出ている者よりも、全体を要約して聞いた者の方が大事なポイントに気付きやすい原理です。

歴史の中で体験するよりも、歴史の本を読んだ方が全体がよく見えます。

こうして主人公は、この世界と戦場を俯瞰して見て、この世界の常識にとらわれない解決策を提供します。

解決策とは、主人公が持っている経験に由来する強さや、戦い方の提案と実行です。

この形式の物語では、主人公が持つ強さや特技は、挑むべき戦いを有利に進められるものと相場が決まっています。

漫画「ドリフターズ」では、異世界召喚された偉人達が二つの陣営に分かれて戦争をしていきます。

劣勢だった味方陣営を助ける事になった主人公達は、自分達の得意な戦略や戦術を駆使して敵を倒していきます。

アニメ「ドッグデイズ」では、競技化された人の死なない戦争をしている世界に召喚された主人公が、劣勢だった味方陣営に助太刀します。

主人公は戦士では無いですが、必要とされる競技戦争の技術を、元の世界のスポーツで備えている設定です。

アニメ「ノーゲームノーライフ」では、ゲームで全てを決める世界に、最強のゲーマー兄妹である主人公達が召喚され、弱小の陣営を立て直す形で毎回様々なゲームをしていきます。

敵陣営の描写

この形式の物語で忘れてならないのは、敵陣営の描写です。

主人公陣営の、弱さ、善良さ等を描くことによって、主人公の行動には正当性が生まれます。

それに合わせて敵陣営の、強さ、卑怯さ、残虐さ等を描く事で、上記の正当性がより強固なものになります。

その上で、英雄召喚された主人公は、最初の勝利によって実力を認められ、味方陣営内では英雄として扱われ始めます。

この頃から、敵陣営内では主人公の事を要注意人物としてマークし始めます。

敵の思惑

敵陣営の描写は大事ですが、その描写の中で特に大事な物があります。

それは、敵の思惑です。

要するに、動機や目的が何かと言う事です。

この敵の思惑は、物語の終盤までは、仄めかしたり小出しに描写されるだけで、正確には主人公達にも、視聴者や読者にも分かりません。

敵陣営が、例えば魔王にしろ悪の帝国にしろ、必ず目的があって戦争や侵略をしています。

この敵の思惑がとても大事で、これが無いと薄っぺらい悪役になってしまい、物語に奥行きも生まれず、敵陣営の魅力もガクンと減ってしまいます。

この敵の思惑は「自分達の正義の為」と「より大きな目的の為」がスタンダードです。

どちらにしても、敵は敵で自分達が正しい事をしていると信じて行動をしているのです。

すると、敵の行動に一貫性も生まれ、そこには美学や独自の道徳観が読み取れ、敵陣営が魅力的になります。

最初は、ただ残虐に見えた敵にも行動規範がある事が分かると、そこには見ている者の共感が生まれます。

また、こういった芯の通った悪や敵の描写をすると、どんなに悪い集団だとしても、部下がボスを慕っていたり、ついて行っている理由が分かり「そもそも雑兵は、なんでこんな指揮官に従っているんだ?」という疑問も読み手に抱かせません。

 

野望を阻む戦い

主人公は味方陣営と共に、敵陣営と決着をつける戦いに身を投じます。

この時、主人公は、ただ敵のボスを倒せば良い訳ではありません。

敵のボスの野望や目的が判明していない場合は、その勝負は保留となります。

引き分けや、片方の陣営の敗走等で決着し、敵の目的の一部が判明するに留まります。

多くの場合、そう言った戦いを繰り返す中で、敵の目的が徐々に判明していきます。

次第に、主人公達は敵陣営の武力に対してではなく、敵の目的に対して直接のアプローチが出来る様になります。

敵の真の目的が判明すると、真の目的に対するアプローチは、陣営同士の全面戦争を引き起こします。

主人公陣営は、その目的さえ阻止すれば勝ちであり、それは同時に敵陣営では、その目的さえ達成すれば勝ちなのです。

フィナーレ

多くの場合、敵の目的は、達成する直前にまで達します。

いつだって敵の方が計画的で、一枚も二枚も上手なのです。

ですが、主人公はここまでの戦いで強さを増し、主人公の影響を受けた多くの仲間達は、主人公を手本とし、立派な英雄に育っています。

戦いでは犠牲が出る事もあるでしょう。

激しい戦いの末、主人公達は、敵の目的達成を阻止し、勝利をおさめます。

召喚された異世界での使命を終えた主人公は、自分のいるべき世界に戻り物語はフィナーレを迎えます。

 

まとめ

以上、異世界の英雄召喚物語とは、英雄たる主人公が、その行動によって人々に手本を示し、共に戦う仲間にしながら、敵の野望を打ち砕く物語と言う事でした。

この形式の物語のポイントは、主人公が周囲に一つの手本となって良い影響を与えていく過程でしょう。

主人公と言う英雄を参考に、弱者達が憧れ、学び、成長して、共に戦い始めなければ、この物語は成り立ちません。

どうしても主人公が無双する姿ばかりに目を取られますが、主人公と共に成長する現地住民の存在は、実は重要です。

この記事が好きな作品探しや、この形式の物語を作る時の参考になればと思います。

必須要素

変わり者

  • 図太いメンタルの主人公
  • 変化する行動or見た目or名前
  • 主人公を脅威に感じる存在
  • 変わり者で無ければ解決できない問題

スーパーヒーロー

  • 弱点や制限
  • ヒーローとしての名前
  • 守るべき相手
  • 倒すべき相手、解決すべき問題

 

「異世界の英雄召喚物語」該当作品

地道に追加、修正予定。

※他の形式の物語も知りたい場合は、物語カテゴリーをご覧ください。

※アイキャッチはヒューマンピクトグラム2.0様より使わせて頂いています。

スポンサーリンク

“シナリオの書き方「異世界の英雄召喚物語」の脚本構造を紹介!英雄の役割とは?” への1件の返信

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。