「世直し物語」とは?
ここでは「世直し」をテーマにした物語を解説します。
日本で馴染み深い代表作は、水戸黄門等です。
この形式の物語は、構造カテゴリーで別の言い方をするならば「使命を果たす為、謎を解く物語」となります。
目次
- 解説
- 必須要素
- 該当作品
解説
世直し?
まず「世直し物語」とは、どの様な物語を指すのか?
この記事では「裁かれる事の無い悪者に、世を忍ぶ仮の姿で近づき、証拠を掴んで成敗する物語」として解説していきます。
主人公は圧倒的強者
この形式の物語の主人公は、とても強いです。
それは、既に巨悪と戦えるだけの圧倒的な力を、これまでの人生で手に入れているからです。
強さの根拠は、主人公本人の腕っぷしによるものでは無く、特別な能力を持っていたり、凄い特技を持った味方がいて、これが最大の武器となっています。
普段から身分を隠して社会に溶け込んでいるのも、大きな特徴です。
身分を隠しているのには、様々な理由がありますが、共通するのは身分を隠して生活している事が悪に悟られずに近づく事に有利に働いている事です。
事件との遭遇
物語が始まると、事件が起きます。
被害者や加害者との遭遇や、依頼が舞い込む形で主人公達は事件に気付き、深く関わっていきます。
事件の概要が分かり、主人公は有能な仲間と共に事件の関係者周辺から調べる事になります。
悪人は姿を隠しているか悪事の全貌を隠している為、この時点では明らかに悪そうな相手でも成敗する事は出来ません。
法執行機関の動けない訳
その社会に存在する法の番人は動けません。
証拠が無い、弱みを握られている、力が足りない、様々な理由があります。
時には、本来の法の番人自体が悪である事もあります。
複雑な事件
主人公達が事件を調べていくと、解決するには一筋縄ではいかない事が分かります。
悪人が被害者の弱みを握っていたり、被害者だと思っていた者達こそが真の悪人であったりと、物語の真実は常に隠されています。
この形式の物語では、隠された謎を解き明かす事で真の被害者と加害者を明らかにし、正義を執行する事が求められます。
近づく真実
主人公達は、事件の関係者との交流を通して事件の真実に近づいていきます。
しかし、この時はまだ解決出来ません。
情報が足りず、主人公達は真実に急接近した事に気付けないのです。
最後のピース
主人公達は、事件を解決する最後のピースを手に入れます。
最後のピースとは、既に遭遇している事件の真実に「気付ける」証拠です。
真実への仮説にたどり着いた主人公達は、ついに事件解決に乗り出します。
最終決戦
主人公達は、悪者と相対します。
本性を隠している場合は、罠を張って現行犯で断罪します。
本性を現した場合は、真っ向勝負での断罪となります。
いずれにしても主人公達は、その社会では勝てる者がいないぐらい強いので、負ける事はありません。
ドラマ「水戸黄門」では、助さん格さんが悪者を懲らしめた末に、印籠を出すパートです。
ドラマ「暴れん坊将軍」では、主人公がやはり正体を現して悪人達が一度は平伏し、開き直って襲ってくる悪者達を片っ端から成敗していくパートです。
ドラマ「遠山の金さん」では、懲らしめてからの桜吹雪の彫り物を出すのがお約束です。
フィナーレ
事件の被害者達が救済されたその後が語られたり、帰らぬ被害者を追悼したり、いずれにしても事件が解決した事で得られた物を提示します。
事件が解決し、関係者達のその後が語られる中で物語はフィナーレを迎えます。
まとめ
以上、 強力な力や仲間を持つ事を隠した主人公が、隠れた悪を裁く物語と言う事でした。
この形式の物語のポイントは、事件の裏に隠された真実に近づくまでの過程にあります。
過程で悪が裁かれるべきで、弱者が救われるべきである事を描く事で、最後の決戦において心置きなく悪党を成敗してスッキリと終われます。
この記事が好きな作品探しや、この形式の物語を作る時の参考になればと思います。
必須要素
スーパーヒーロー
- 弱点や制限
- ヒーローとしての名前
- 守るべき相手
- 倒すべき相手、解決すべき問題
ミステリー
- 謎を追う動機がある主人公
- 探求の為に破るルール
- 企てる必要があった犯人
- 謎の暴露によって変化する世界
「世直し物語」該当作品
※地道に追加、修正予定。
※他の形式の物語も知りたい場合は、物語カテゴリーをご覧ください。