「変人が勝負の世界で成長する物語」とは?
ここでは「変人が勝負の世界に関わり成長する」をテーマにした物語を解説します。
あらゆる勝負をテーマにした物語のパターンの一つです。
劇中ゲームもの、特にスポーツではお約束中のお約束です。
この形式の物語は、構造カテゴリーで別の言い方をするならば「成長の旅の中で、変わり者になる物語」となります。
解説
変人とは?
まず「変人が勝負の世界で成長する物語」とは、どの様な物語を指すのか?
この記事では「特定の勝負の世界に出会い、踏み込んだ主人公が変人扱いされながらも成長し活躍していく物語」として解説していきます。
主人公は凡人だった
この形式の物語の主人公は、物語が始まった当初は凡人です。
それは、まだ勝負の世界に踏み込んでおらず、その非凡な才能や特性を活かせる環境に身を置いていないからそう見えるのです。
多くの類型物語では、変化を求めていたり進路に迷っている主人公を冒頭に置きます。
それは、主人公が新しい事にチャレンジする心の姿勢を確保する為でもあります。
つまり動機です。
主人公は、新しい自分になりたいと心の中で思っている為、勝負の世界に出会った時、そこに飛び込む決心をする事が出来ます。
運命の出会い
物語が始まると、主人公は特定の勝負の世界を目の当たりにします。
ここで提示される勝負の世界が、物語のメインとなります。
サッカー、野球、バスケットボール、バレーボール等の球技もあれば、レースやダンス等の競技もあり、ここで作品の個性や方向性が決まります。
主人公は勝負の世界に出会い、そこに魅力を感じます。
多くの場合、魅力を感じるのは勝負の世界に生きる誰かへの憧れか、勝負に勝利した際に得られる賞品です。
自分は、ああいう風になりたい、あれが必要だと思う事で、物語が動き始めます。
最初の試練
主人公は最初、これから向かう勝負の世界では素人です。
そこで必要なのが、師匠やヘラルドとの出会いとなります。
主人公の事を素人として勝負の世界に迎える師匠は、最初は同じ勝負の世界の住人としては、主人公に興味がありません。
むしろ、勝負の世界に真面目に取り組んできた師匠にとってしてみると、素人で夢を語るような主人公は腹立たしい存在としてその目に留まります。
主人公は、まずは認めて貰うために行動を起こす事になります。
行動の第一歩は、勝負の世界で使える今持っている武器を認めて貰う事です。
武器は、入ろうとしている勝負の世界とは関係ない場所で取得した特技であったり、たった一つ持っていた使い方の分からない才能であったり、勝負の世界で通用する精神性であったりと様々です。
これが師匠の目に留まり、認めて貰う事で主人公は勝負の世界へと足を踏み入れる事を許される事になります。
叩きこまれる基本
勝負の世界に足を踏み入れた主人公は、勝負の世界で生きて来た師匠から基本を叩きこまれます。
まずは、最低限でも勝負をする戦場に立てる様に、師匠の指導によって鍛え上げられるのです。
この時、主人公はすっかり勝負の世界に魅せられ、自分で考えながら練習を繰り返していきます。
最初の勝負に向けて
予め持っていた強みと、師匠によって叩き込まれた基本。
この二つが揃ったら、早速最初の戦いです。
強くなるまで待つなんて事は無く、実践の中で学んでいきます。
主人公にとって、練習だけではなく、同じ勝負の世界で生きる者との出会いや、実際の勝負の一回一回全てが学びの場なのです。
最初の勝負
主人公は、ついに憧れの舞台、戦場に立つ事を師匠により許されます。
初めての勝負で勝てることは、稀です。
大抵は、大きな学びを勝ち取り、勝負には負けてしまいます。
この時、主人公の勝負を見ていた勝負の世界の実力者や、実際に戦った対戦相手は主人公の非凡な才能を見抜き、以降は良きライバルになる場合もあります。
本番の勝負へ
主人公が勝負の世界で生きる上で、ここからが本番となります。
それは、勝負に負ける事にリスクがある戦いが始まるからです。
勝負の世界での大会が始まったり、負けると何かを失う状況に追い込まれたり、時には、その両方が主人公に降ってかかります。
勝負に向けた準備
負ける訳にいかない主人公は、本番に向けた準備をします。
相手への対策だったり、得意技を伸ばしたり、時には必殺技と呼ぶべき物を開発します。
集団でおこなう勝負の場合は、仲間との交流を通して、勝つ為のヒントを得ます。
本番の勝負開始
負けられない戦いに挑む主人公。
相手の方が圧倒的に勝負の世界で長く生きてきた経験者である為、主人公は正攻法では勝ち目がありません。
工夫や作戦によって戦い続けますが、主人公の経験不足や弱点が露呈します。
ですが、主人公は勝負の最中にこそ学び、成長する為、新たに覚醒させた技を使い、相手を追い詰めていきます。
フィナーレ
一進一退の攻防の末、主人公は勝負の勝利条件を満たす事に成功します。
ここで本番の勝負が終われば、区切りがつき、終わらない場合は次の勝負に向けた準備が始まります。
こうして物語はフィナーレを迎えます。
まとめ
以上、凡人が勝負の世界に飛び込み、変人となり成長して、最後には勝利を収める物語と言う事でした。
この形式の物語のポイントは、主人公にとって本当に価値があるのが、勝利ではなく、勝負の世界で知り合う事になる仲間やライバル、師匠との出会いその物という所です。
主人公にとって、一回の勝ち負け以上に、勝負の世界での居場所が出来る事にこそ価値があり、だからこそ物語を見る人は、主人公が踏み入れる勝負の世界に対して、主人公と同じ様に憧れを感じる事が出来ます。
この記事が好きな作品探しや、この形式の物語を作る時の参考になればと思います。
必須要素
成長の旅
- 旅の目的
- 目的を同じくする仲間の存在
- 大事なのは成長の過程で、真の報酬は仲間
変わり者
- 図太いメンタルの主人公
- 変化する行動or見た目or名前
- 主人公を脅威に感じる存在
- 変わり者で無ければ解決できない問題
「変人が勝負の世界で成長する物語」該当作品
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