シナリオの書き方「モンスターパニック物語」の脚本構造を紹介!傲慢の罪は重すぎる?

「モンスターパニック物語」とは?

ここでは「怪物による混乱」をテーマにした物語を解説します。

逃げられない空間の中で、怪物に対処せざるを得なくなった人々を扱った物語です。

この形式の物語は、構造カテゴリーで別の言い方をするならば怪物の対処法を探り、難題に直面する物語」となります。

目次

  1. 解説
  2. 必須要素
  3. 該当作品

解説

モンスターパニックとは?

まず「モンスターパニック物語」とは、どの様な物語を指すのか?

この記事では「密室空間で限られた人々が怪物に対処する物語」として解説していきます。

密室空間と言っても四方を壁で囲まれている訳では無く、逃げ場が無いという状況を指します。

具体的には、簡単には出られない建物の中、狭い島や船の上、等です。

 

主人公は一般人

この形式の物語の主人公は、一般人です。

特別な技能や経験は主人公には、あまりなく、無力な方が良いのは密室空間で怪物と対峙する際に、より困難な状況の方が物語が面白くなるからです。

特別な技能や経験があるとしても、それは怪物を倒す事に直接関わらない物です。

巻き込まれる事件

物語が始まると、主人公が置かれた空間内で事件が起きます。

危険な怪物が暴れ始めるのです。

主人公は、現場に運悪く居合わせ、事件に巻き込まれます。

主人公には、どうする事も出来ません。

映画「ジュラシックパーク」では、絶海の孤島にある恐竜のサファリパークに招待された主人公達が体験ツアーをしていると、ある事情から恐竜を仕切る柵に流れていた電流が止まってしまい、恐竜が自由に島内を闊歩し、人々を襲い始めます。

映画「エイリアン」では、宇宙船の乗組員達が知らずに宇宙船内にエイリアンを持ち込んでしまい、逃げ場の無い宇宙船の中でエイリアンが乗組員達を襲い始めます。

怪物の力は強大かつ圧倒的で、攻撃に容赦が無く、主人公だけでなく誰一人として戦う事さえままならず、最初は一方的にやられてしまいます。

怪物への対処に乗り出さざるを得ない人々

一旦、怪物の攻撃から主人公達は逃げ切ります。

この隙に、主人公を始めとした人々は、怪物への対処法を探ります。

怪物を倒したり、怪物から逃げ切ったり、密室空間から脱出する為、主人公は仲間達と計画を練ります。

怪物を知る者

怪物をどうにかしようと試行錯誤していると、主人公達のもとに怪物の情報が舞い込みます。

それと共に、怪物が密室空間を闊歩する様になった原因が、実は人間側にあると言う事が分かります。

事態に対処する中で、秘匿されていた情報が主人公達にもたらされ、怪物の謎が少しだけ解明されます。

ここで分かるのは、怪物の力を手に入れたがった「人の傲慢」が、今回の事件の原因だと言う事です。

映画「ジュラシックパーク」では、システムエンジニアのネドリーが恐竜の胚を盗もうとして起こした事故が全ての原因と分かります。

映画「エイリアン」では、乗組員のアッシュと宇宙船のAIが乗組員を犠牲にしてでもエイリアンを生かして持ち帰る秘密任務を行っていた事が全ての原因だと分かります。

怪物から逃れる為に

これまで集めた全ての怪物の情報から、主人公達は計画を立てます。

怪物から逃げ切る為、あるいは倒す為に、人々は一致団結して一つの計画に全てをかける事になります。

映画「ジュラシックパーク」では、パーク内の電気を回復させ、柵の電流を復活させる為に電源の再起動が必要になります。

設備のある建物まで移動したりと危険を伴いますが、犠牲者を出しながらも計画は上手くいきます。

映画「エイリアン」では、脱出艇で逃げる支度を整えつつ、船に残したエイリアンを宇宙船ごと自爆させる計画を立て、自爆の準備が整います。

最後の戦い

順調に進んだかに見えた計画を阻む様に、怪物が襲い掛かってきます。

怪物は、主人公達が何をしようとしているか等は知らず、ただ捕食者として執拗な追跡をしてきます。

主人公達が生きて逃げのびるか、怪物が獲物を全滅させるかの最後の戦いです。

フィナーレ

多大な犠牲の末に、主人公達は計画を成功させます。

怪物から逃げ延び、あるいは怪物を倒し、密室空間からの脱出に成功し、安全地帯へと逃げ延びます。

ですが多くの場合、怪物は倒し切られておらず、目につく怪物を倒したとしても、人の手でどうにか出来る相手ではない事が示唆され、物語は不安を誘う中でフィナーレを迎えます。

 

まとめ

以上、密室空間に怪物と共に閉じ込められ、生き残りをかけて対処や脱出に奔走する人々の物語と言う事でした。

この形式の物語のポイントは、怪物でしょう。

ある意味で真の主役は、物語の中で脅威として描かれる怪物です。

交渉不能で、容赦なく本能のままに襲い来る怪物と同じ檻の中に入れられる恐怖と、そこからの解放が物語のカタルシスとなります。

また、モンスターは実際に遭遇したら恐ろしいですが、多くの場合は、とても魅力的です。

この記事が好きな作品探しや、この形式の物語を作る時の参考になればと思います。

必須要素

モンスターパニック

  • モンスターから逃げられない空間
  • 貪欲の罪に罰を与えるモンスター
  • モンスターの知識を持つ者

難題解決

  • 突然の事件
  • 事件に対して平凡な主人公
  • 唯一好意的な仲間
  • 生き残りをかけた試練

「モンスターパニック物語」該当作品

地道に追加、修正予定。

※他の形式の物語も知りたい場合は、物語カテゴリーをご覧ください。

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