総集編
この記事では、誰でも簡単に物語の種を育てる事が出来る方法を紹介します。
紹介してきた一連の手法を順番に使わなくても、それぞれ単独の創作思考ツールと使える様にまとめました。
自分の物語創作スタイルに合わせて試しに使ってみて頂ければと思います。
ツール1:ネタ出し
使う時/オリジナルの物語を作ろうと言う時。
- 「世界観」いつ、どこで
- 「登場人物」だれが
- 「行動」なにをする
まずは、これだけ決めてしまえばブレないで物語を考え始められる。
「何でもあり」と言う抽象的なイメージを、3点を決める事で定めて具体化する作業になります。
ツール2:アイディア化
漠然とした抽象的な言葉を、更に具体化する時。
- 「世界観」
- 「登場人物」
- 「行動」
に対して「どんな?」と問いかけましょう。
行動に対しては、更に「なぜ?」と問いかける事で、動機を引き出す事が出来ます。
ツール3:コンセプト化
その物語がどんな要素から作られているかが分かっていれば、それをコンセプトへと昇華出来ます。
物語のアイディアがコンセプトとして成り立つか下記の質問をし、必須要素が満たされていない様であれば改善しましょう。
- 「普遍性」と「新規性」があるか?
- 「解決すべき問題」が連想出来るか?
- 「テーマ」と共に「感情」を表現出来るか?
悩みがちな「新規性」の獲得には、率先して「変」にしてみる事が有効です。
方法はオズボーンのチェックリスト等、色々あります。
「解決すべき問題」は、登場人物達が問題解決行動を取らざるを得ない「葛藤」や「ジレンマ」です。
「テーマ」とは、「物語の主人公の目的に対する一貫した行動」で表現され、その結果表現されるのが物語の「メッセージ」となります。
「物語の主人公の目的に対する一貫した行動」は、ポジティブな行動を描く時は、ネガティブな要素を足すのが良く、反対に、ネガティブな行動を描く時は、ポジティブな要素を足す事が効果的です。
「やりたい、やらなくてはならない行動」に「やりたくない要素」が加わる事で、一貫した行動自体に「葛藤」や「ジレンマ」が生まれ、物語はテーマと共に感情も表現され、魅力的になります。
ツール4:ハイコンセプト化
ハイコンセプトとは、「新しいが、理解しやすく、聞いただけで想像出来て、感情を掻き立てる」コンセプトの事です。
物語のコンセプトに、目的の為にどんな「魅力的な、したくない行動」を、しなければいけない、したい行動に足せるかでコンセプトの質が変わってきます。
ツール5:ログライン化
簡潔にどんな話かを一文や二文程度にまとめた物で、プレミス等とも呼ばれています。
ツール1~4までを使ってみれば「行動」に注目すれば容易にログラインに変換出来ます。
ここまでが第一回目に詳しく紹介したツールとなります。
ツール6:プロット化
冒頭のプロット化
プロット化には、コンセプトやログラインと言った中に見られる一貫した行動を「結果」と考え、そこから物語に必要な「原因」を洗い出していきます。
一貫した行動の結果に「なぜ?」を重ね、出した答えを「だから」で繋ぐ事でプロットの下地が出来ます。
クライマックスのプロット化
「テーマが示す疑問」に答えれば、結末が想定出来ます。
「やりたい、やらなくてはならない行動」に「やりたくない要素」それぞれの結末を決めれば出来ます。
ツール7:超えるべき壁を作る
壁とは物語に出て来る「敵、制限、目標、目的」等で、最初は主人公が超えられず、物語を通した一貫した行動の結果成長し、最後に乗り越える物です。
これが無かったり、低かったりすると、物語は盛り上がりません。
ツール8:壁の超え方
乗り越えるべき壁の超え方は「壁を乗り越える要素を分解」して考え、それを一貫した行動の最中に集めさせるのが効果的です。
必要な要素を2幕の中で集めさせたり、登場人物達に分散して割り振り、クライマックスで全てが集まる様にすれば壁を超えられます。
必要な要素ですが、選ぶ優先順位があります。
- 「コンセプトに従っている」
- 「魅力的で面白いアイディアである」
- 「アイディア同士に連続性とシナジーがある」
この条件を満たしていて、パズルの様に組み合わせたり、連鎖させる事で、素晴らしいクライマックスを作り出せます。
ここまでが第二回目に詳しく紹介したツールとなります。
ツール9:設定の考え方
登場人物であれば、以下の要素があれば考えやすい筈です。
- パーソナル情報:個人を特定する情報。名前とか誕生日とか。
- フィジカル情報:肉体の情報。金髪碧眼とか中肉中背とか。
- メンタル情報:優しいとかズボラとか。人生で培った価値観とか。
- キャリア情報:今まで何をしてきたか。
世界観であれば、
- 現実
- サイエンスフィクション
- ファンタジー
- 時代
- 場所
これらの要素から、抽象度を下げて、具体化していけば設定が定まる筈です。
ツール10:設定をプロットに落とし込み、膨らませ方
具体的になってきた設定とプロットを合流させ、プロットを膨らませます。
「なぜ」「どの様に」と問いかける事で、物語構築に必要な「描写」や「設定」が浮き上がります。
この自分への問いかけは、物語の具体化が必要な場面では幅広く有効です。
ツール11:全体をコンセプトに従わせる
物語の設定や描写を膨らませる際、気を付ける事。
- 「世界観の特徴を利用する事」
- 「前提を崩さない事」
この2点を守らないと、物語として違和感が生まれたり破綻してしまう。
以上を守って、コンセプトに沿って「連想」によってアイディアを出していき「変」にする。
- 「なぜ」
- 「どの様に」
- 「そもそも」
の質問をして、コンセプトに沿った設定や描写に変えて行く事で、物語は全体に統一感が出て磨きがかかります。
ここまでが第三回目に詳しく紹介したツールとなります。
ツール12:登場人物を魅力的にする
登場人物の魅力には、主に下記3要素があります。
- リアリティ
- 予測不能
- 感情移入
リアリティとは「世界観」と「行動」にマッチした人物であるか、どうかです。
予測不能は「奥深さ」や「ギャップ」であり「実は」で設定を追加する事が有効な手段です。
感情移入は「行動の納得性」と、リアリティと表裏一体の部分があります。
それ以外に重要な感情移入のポイントに、登場人物の「欠点」があります。
「欠点」にも満たすべき要素があり、まずは「欠点」の設定はコンセプトに従うべきである事です。
次に「欠点」は、登場人物の弱点や短所では無く「精神的な未熟さや、過去に負った心の傷」である事。
しかも、その「欠点」がプロットにある「目的達成の妨げになり、周囲の登場人物達に迷惑をかける物」である事が望ましいです。
それと同時に、登場人物には「欠点」があるにも関わらず、一貫した行動を取り続ける事を邪魔されない、あるいは求められる「特技」が必要となり、これも、やはりコンセプトに従うべき物です。
ツール13:2幕に入れる必要な要素の考え方
考え方のポイントとして、手に入れる物を「最終的な役割そのまま描かない」事があります。
クライマックスに必要な要素は、2幕で手に入れるのですが、それが最終的に「どの様に」使われるかは、手に入れた当初は分からない事が重要です。
それには、手に入れるクライマックスに必要な要素に「別の理由を与えてやる」事や「手に入れるまでに段階を踏む」事が有効な手段となります。
「手に入れるまでに段階を踏む」では、最終的に何に変化するか分からない様にアイテムや人物等の必要な物を、物語の中で行動を通して徐々に変化させていく事で、最終的に必要な物を手にする事になります。
ここまでが第四回目に詳しく紹介したツールとなります。
終わりに
今まで紹介してきた手法を、バラバラのツールとして今回は紹介しました。
物語創作の一助になればと思います。
※この記事は、加筆や修正をする可能性があります。
“第4.5回 ゼロから面白い物語の基礎を作る方法ポイントまとめ” への1件の返信