漫画家の頭の中
漫画の描き方本は大量にありますが、それらには種類があります。
大きく分けて2種類。
- 描画や物語造り等、技術のコツを伝える物。
- 創作者としての思考法・マインド自体を伝えようとする物。
この片方か、あるいは両方を伝える事が創作ハウツー本の中身です。
技術のコツや体系化されたハウツーを伝えるタイプ(当ブログは、こちら寄りです)は、技術の鍛錬や研究・分析の結果を分かりやすく伝える事が価値になります。
技術等の体系化されたハウツーは、定量的に伝える事が出来る為、誰でも習得出来るし、習得すれば誰でも教える事が出来ます。
「相対性理論」は、誰でも理解出来るし、理解出来れば深度に差はありますが誰でも誰かに教える事が出来ます。
技術よりも大事なのは、思考法
ですが、技術よりも大事な物があり、それが思考法やマインドに当たります。
これは、成功者からしか「正解の一つ」を学ぶ事は出来ません。
「正解の一つ」と書いたのは、間違いなく成功要因ではありますが、なんでも思考法を身いにつければ良いと言う訳では無いためです。
環境との相性、使う人の性格や性質による相性によっては「絶対の正解」には、ならないからです。
ですが、正解を知っているかいないかでは、その差は大きく違います。
「相対性理論」の様な発見をする為には、アインシュタインの思考法を理解し、アインシュタインの「世界の見方と考え方」を知る事が助けになります。
つまり、手塚治虫の様な「大成功者」に憧れるならば、技術を学ぶよりも先に「マインドに触れる」事が、実は大きな糧になる訳です。
そして、こればかりは、大成功をしている本人からしか知る術はありません。
同時に、説得力も生まれません。
ですが、偉大な先人達はハウツー本や自叙伝、漫画以外の著書やコラムの中に「漫画家としての成功者としてのマインド」を残してくれています。
今回紹介するのは、そういった「マインド」が感じられる本達です。
手塚治虫
漫画の神様こと手塚治虫先生の本です。
マンガの神様が書いたハウツー本だけあって、古典です。
ですが、中には神の言葉やマインドが詰まっています。
藤子・F・不二雄
手塚治虫の影響で漫画家を志した「トキワ壮」出身の一人、今でもテレビアニメが続いている「ドラえもん」の生みの親、藤子・F・不二雄先生のハウツー本です。
石ノ森章太郎
藤子・F・不二雄と共に「トキワ壮」で漫画家になった石ノ森章太郎先生のハウツー本です。
「仮面ライダー」シリーズは、今でも新作が作られ続けています。
赤塚不二夫
「トキワ壮」出身漫画家の一人。
おそ松くんの続編「おそ松さん」で再び脚光を浴びたギャグマンガの巨匠、赤塚不二夫先生の本です。
ちばてつや
「あしたのジョー」が「メガロボクス」としてリメイクされて話題になった、ちばてつや先生の本です。
松本零士
今も「宇宙戦艦ヤマト」等のアニメが作られ続けている、松本零士先生の本です。
小池一夫
「子連れ狼」の生みの親、キャラクター創作論で有名な小池一夫先生の本です。
山本おさむ
作品のモチーフで、障碍者教育や原発事故等、社会派な物を向き合って描き切る事に定評がある山本おさむ先生の本です。
ジャンプ作家陣
売れっ子ジャンプ作家達に、テーマに沿ったインタビューをした本です。
作家それぞれの創作法やコツもあり、贅沢な本です。
鳥山明
世界的に人気のある「ドラゴンボール」の生みの親、鳥山明先生によるハウツー本。
昔、高確率で友達の家にドラゴンボールと一緒に置いてあったイメージがあります。
高橋陽一
世界的に人気のある「キャプテン翼」の生みの親、高橋陽一先生の自叙伝です。
荒木飛呂彦
海外の有名ブランドとのコラボも話題になった「ジョジョの奇妙な冒険」の生みの親、荒木飛呂彦先生による本です。
井上雄彦
「スラムダンク」で有名な井上雄彦先生の本です。
先生の抱える苦悩や思考プロセスに触れられる貴重な一冊です。
小畑健・大場つぐみ
リアルなジャンプ漫画家の漫画化で話題になり、アニメ化と実写化も果たした作品。
「デスノート」の小畑健先生と大場つぐみ先生のコンビが送る「バクマン」です。
リアルとフィクション入り乱れたリアリティ溢れる漫画業界の内情は、漫画家志望者でなくとも楽しめる事間違いなしです。
藤原カムイ
「ロトの紋章」のイメージが強いですが、今でも現役で精力的に活躍されている藤原カムイ先生による本。
漫画の技術書的な側面の方が強い一冊ですが、デジタルのテクニック等までフォローされているので、これから漫画を学ぼうと言う人には有用な一冊です。
藤田和日郎
「うしおととら」や「からくりサーカス」が立て続けにアニメ化されて話題になった藤田和日郎先生の本です。
大半の創作ハウツー本が「漫画の作り方の技術やマインド」をメインにしている中、この本は「漫画家に必要な技術やマインド」を伝えようとしていて、一味違います。
藤田先生が読者に語り掛ける形で、メンターとして教えてくれる訳です。
すごいタイトルですが、先生の作品が好きなら、先生のことがもっと好きになる良書です。
島本和彦
映画化やドラマ化経験も豊富な熱血漫画家、島本和彦先生の描く漫画家の漫画シリーズです。
同じ漫画家の漫画である「バクマン」と違うのは、実在の人物が登場する事や時代を描くと言うフィクション性の低さでしょう。
小学館漫画家本シリーズ
各作家にスポットを当てたインタビューや企画記事本のシリーズ。
値段が割高だが、内容自体は面白い。
ヒロユキ
2019/3/17追加。Twitterでバズってて知りました。
作者がデビュー前の13歳からデビューした22歳までの失敗から学び、デビュー後の実践の中で気付いた売れる漫画を作る為の考え方が詰まった一冊です。
※この記事は、加筆・修正する可能性があります。