構造チェック
この記事では、誰でも簡単に物語の種を育てる事が出来る方法の一つを紹介します。
ここでは、例として「このマンガがすごい!」でも話題になった「ダンジョン飯」を想定して、前回まではシミュレーションしてきました。
ですが、今回は要素の特性上触れないのでご了承ください。
この記事を読まれる方は、創作者であれば自身の作品に当てはめたり、創作中の物語や、新たな物語を想像しながらお読み頂ければ幸いです。
その1:不足が無いかチェックする
前回までで、物語の基本的な作り方は、物語の構造的な面で見れば触れられてきたと思います。
ここまで育ててきた物語が、ちゃんとしているかどうか、ここからは見ていきます。
物語の不足をチェックする方法は、いくつかあります。
一つは、パラダイムとの比較です。
パラダイムは、いわゆるテンプレートです。
の記事を見ていただければ、パラダイムが何なのか分かると思います。
この様なテンプレートに、創ってきた物語が、ちゃんと沿っているかを、最後にチェックする事で、不足を防げます。
「なら、最初からテンプレートに当てはめて物語を創ればいいじゃないか!」と、人によっては思うかもしれません。
実際、テンプレートに当てはめても、物語は、ある程度なら形作れます。
ですが、最初から型を下に敷いて、穴埋めを「あえて」しなかったのは、その方法は、簡単に思えて難しい手法だからです。
好きな要素を好きに入れると、慣れていない場合は、テンプレートを無視してハメている事にも気づかないまま、不自然な形で創作を進め、挫折したり、無理やりな物語が出来てしまう事が、非常に多いです。
テンプレートに、入れて良い要素と入れてはいけない要素、テンプレートの増設方法等を把握していない場合、テンプレートに当てはめても思い通りの物語を創るのは、かなり難しいと言う訳です。
型とは、考えないでも勝手に体が使ってしまうぐらい、体にしみこませて使わないと、その本領を発揮できません。
武術でも、スポーツでも、楽器演奏でも、同じ事ですよね?
もう一つのチェック法は、客観的に見て説明不足がないか否か、説得力が欠けていないか、伏線や前振りを忘れていないか、です。
これに関しては、後述します。
その2:余分が無いかチェックする
物語の余分をチェックする方法は「メインプロットやコンセプトに対して、全ての要素・構成が貢献しているか否か」を見ていけば分かります。
つまりは、ストーリー上、役に立たない地の文も台詞も、余分と言う事です。
削った方が良い、蛇足が無いかのチェックですね。
役に立たないが、魅力的に思えるなら、役に立てるように見直してみましょう。
そうする事で、ここまでで過不足を地道にチェック出来ました。
ですが、実は他にもチェックするべき事は、沢山あります。
台詞が自然か、魅力的か、キャラクター設定に反していないか、等の各「表現」も見た方が良いですし、シーンの構成も前後関係や長さ等で確認するべきです。
これに関しても、先の客観的チェックと一緒に、次で説明します。
その3:他人に読んでもらう
ここまでで、物語は、ほぼ完成した筈です。
プロットや設定の段階で、第三者にチェックを頼んだ人もいるかもしれません。
良いと思います。
あなたが創る物語には、あなたから見ると、強烈なバイアスがかかっています。
バイアスとは、「思い込み」です。
ちゃんと、物語が、表現が、意図が、メッセージが、諸々が第三者に伝わっているか確認する為には、客観的な意見が必要です。
信用のおける家族や友人、第三者に読んでもらい、意見をもらえる事が望ましいですが、それが出来ない場合もあります。
その場合は、時間を置いたり、脳をリフレッシュさせてから、客観的な視点を保って、自分で読んでみましょう。
その際、批評的、批判的、改善に繋がる思考で読みましょう。
否定的に読むのはNGです。
批評的とは「もっとこうした方が良い」に繋がる様な客観的な感想や意見です。
批判は、言うなれば「こうとも取れる」みたいな、厳しいツッコミです。
これらを引き出せば、自主的に改善や抜けの防止が出来ます。
一方で、否定的とは「つまらない」「くだらない」「全部だめ」みたいな、改善に繋がらない意見です。
改善に繋がる意見を取り入れ、手直しを繰り返し、先述した要素、
- 説明不足
- 納得性
- 伏線
- 前振り
- 自然か
- 魅力的か
- 設定に反していないか
- 構成は適切か
- シーンは長すぎないか、短すぎないか
- どんでん返しは機能してるか
- 感動できるか
等々に気を付けながら、改善を繰り返しましょう。
その4:発表する。
ある程度で創作した物語を発表しましょう。
完璧を目指すと、作業は終わりません。
締め切りがあるなら、締め切りまでに完成させましょう。
締め切りが事実上無いなら、ある程度で完成として、投稿でも、掲載でも、出版でも何でもいいです。
物語を世に出しましょう。
あなたの物語によって、共感した人達を夢中にさせ、感動させましょう。
終わりに
全8回に渡っての、物語の創作講座でした。
数ある手法の一つとして、参考程度に読んでいただけたらと思います。
どれも物語の構造に焦点を当てた記事だったですが、今度は表現に当てた記事も書こうと思います。
また、各章の要素は、どれも記事を短くするために軽くしか触れられていないため、章ごとの深堀記事や、今回のチェックリストも網羅的で体系分けされた物を今後記事にしていく予定です。
地味に長い、ハウツー記事シリーズでしたが、いかがだったでしょうか?
最終回の項目がチェックだった為「ダンジョン飯」関係無くなってますが、そこは、ご愛嬌と言う事で。
あと、ハウツーを、まだ全然大したことありませんがYouTubeで動画化しようと考えております。
仕事やら何やらで動画の方の更新が現在(2019年2月)止まっていますが、動画コンテンツを記事に埋め込むつもりでいますので、お気に入り頂けたら嬉しく思います。
※この記事は、加筆や修正をする可能性があります。