【連載第4回】けっこう真面目な魔法の歴史。現実で魔法がどのように生まれ、どう変わっていったのか?

魔法の歴史のお話

この記事では、魔法の歴史について多分に推測を含んで考察していきたいと思います。

神話や宗教にも触れますが、それらを否定も肯定もする意図はないので、悪しからず。

紀元前1500年前

4大文明が、まだ栄華を誇っているのと時を重ねる頃。

ヨーロッパで着実に勢いを増してきた文明があった。

ギリシャ文明である。

黄河文明にインダス文明からヨガが流れ、現地で仙道へと変わっていった時期。

紀元前900年頃のアッシリアの王妃の逸話がギリシャへと渡り、紀元前800年には「フェイト/アポクリファ」にも登場したセミラミスとして伝説上の人物となっていた様な時代だ。

ギリシャ神話と地続きの時代、人々はメソポタミア文明やエジプト文明と同じように、後にオリンポス山の神々になる自然を象徴した多種多様な神々を崇めていた。

ミノタウロス、メデューサ、ハーピィ、カリュプディス、スキュラ、など数々の半人半獣や合成生物が生み出され、人々を恐れさせた。

これらは、他文明の情報が流れつき、現地の文化と同化した結果だろう。

「文明を持たない人々」と「文明を持つ人々」では、今で例えるなら「先進国」と「未開の人々」ぐらいの情報量の差があった。

すると、「魔法」「文字」「宗教」と言う最新の物は、現地では便利なものと一気に浸透した筈だ。

後進国でいきなり携帯電話が普及して有線電話を使わずに人々が無線電話を常識と思う様に、各地域で次々と新たな「魔法」「文字」「宗教」が生まれた。

紀元前1280年

ギリシャ文明が勢いを増している頃、エジプト文明では事件が起きていた。

モーセによる出エジプト、ヤハウェの啓示、ユダヤ教の始まりである。

文明の発展に伴い、どの文明も同じ問題を抱え始めていたのだ。

と言うのも、人は生物学的に群れる生き物ではあるが、群れの規模は通常、数十から多くても数百人と言う物だ。

それ以上になると、同じグループの中に「知らない他人」が生まれたり、グループごとの「上下関係」が浮き彫りになってくる。

つまり、グループ内に出来たグループで、知らない相手を判断すると言う、「個人」ではなく「グループ」で相手を決めつける現象が起きるのだ。

これは、今現在でも人類を苦しませ続けている「文明病」である「差別」の始まりだ。

モーセの場合は、ヘブライ人がエジプト人に虐待されるという「差別」に抗う為に、エジプトを脱出した訳だ。

この時「自然を象徴する古き神々」を捨てた人々は、他人と言う驚異から身を守る為、新しい神を手に入れた。

それがヤハウェである。

ヤハウェから与えられた十戒は、宗派などによって差はあるが、おおよそこのような内容である。

  • 主が唯一の神であること
  • 偶像を作ってはならないこと(偶像崇拝の禁止)
  • 神の名をみだりに唱えてはならないこと
  • 安息日を守ること
  • 父母を敬うこと
  • 殺人をしてはいけないこと(汝、殺す無かれ)
  • 姦淫をしてはいけないこと
  • 盗んではいけないこと
  • 隣人について偽証してはいけないこと
  • 隣人の財産をむさぼってはいけないこと

これは、それまでの神とは、革新的に違った。

自然を驚異に感じ、自然に生かされてきた人々は、自然を神にした。

だが、イスラエルの民が脅威を感じたのは「自然」では無く「他人」だった。

つまり、「差別」に苦しんだ人々が作り出した新しい神は「正しさを象徴する神」と言う、まったく新しい概念だったのだ。

「自然」と言う分かりやすい存在ではなく「正しさ」と言う抽象的な在り方の神格化は、以降の宗教観を一変する事になる。

紀元前450年

文明が広がると「ケルト神話とオガム文字」「北欧神話とルーン文字」などの神話と文字が次々と、地域に元々あった物語と他文明の情報が結びつく事で生まれていった。

こんな神話と地続きの時代の中で、エジプトで起きた宗教革命とは別の革命が、インドで起きた。

紀元前450年(まあ、諸説あるが)、インドで釈迦が生まれた。

紀元前1800年には、インダス文明は滅亡してしまっていたが、地域に根付く思想は、そう簡単には変わらない。

ヨーガによってチャクラを開く事で、個人で神性を獲得する事を目指すと言う、自分の内を探求する「魔法」を見出した人々の末裔で、王子の様な立場であった釈迦は、戦争やカースト制度と言う身分による差別社会で生きる中で、修行し、悟りを開く。

エジプトでは、モーセ達は虐げられる側の視点で新たな神と出会った。

だが、仏陀は、その文明社会そのものを客観的に観察し、自分の内を探求する事で「無我」にたどり着いた。

「どうして人が苦しむのか」を解明したという意味で、釈迦は時代の最先端を生きた人物だったのは間違いない。

当時、そんな事を徹底的に考える様な発想や知性を持った人は、稀だった。

と言うか、今でも稀だろう。

この、天才と呼んで問題なさそうな釈迦が残した物が、今の仏教のベースとなっている。

文明によって多神教が世界中に広がり、文明によって差別が生まれた事で、アプローチの違う3つの宗教が生まれた訳である。

自然の驚異から生まれた、数多の多神教。

他人や差別の脅威から生まれた、ユダヤ教。

脅威との向き合い方を突き詰めた、仏教。

ここから、人類史の中では「魔法」の活躍が加速していく。

次回予告

次回、文明の乱立・新しい宗教の勃興によって、神話と魔法の時代は新たな局面に向かい始める。

古代ギリシャ、古代ローマ、行けたら中世ヨーロッパぐらいまでサラリと触れたい。

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