【連載第6回】けっこう真面目な魔法の歴史。現実で魔法がどのように生まれ、どう変わっていったのか

魔法の歴史のお話

この記事では、魔法の歴史について多分に推測を含んで考察していきたいと思います。

神話や宗教にも触れますが、それらを否定も肯定もする意図はないので、悪しからず。

中世ヨーロッパの魔法

紀元前8万年頃に起きた氷河期によって危機に立たされ、人々は「魔法」を獲得し、それから「宗教」を得た。

それらを広めるのに「文字」が役立ち、情報の共有によって「文明」が生まれ、発展し、やがて「差別」が生まれたのは、これまでの回でも散々触れてきた。

ここからの時代は、みんな大好き「中世ヨーロッパ」が中心だ。

この時代は、欺瞞に満ちている。

614年から911年の間の297年間が、そもそも捏造された歴史で、今は西暦1700年代なんて話まであるのだから、本当に凄い時代だ。

西暦1年を過ぎた頃、世界の人口は3億人を超えていた。

そして、中世と呼ばれる時代に差し掛かる頃には、世界の人口は4億5千万人にまで達していた。

分かりやすく、普通の歴史の西暦を使って引き続き説明していく。

1193年にアルヴェルトゥス・マグヌスと言う錬金術師が生まれる。

年代からしてギリシア語かアラビア語版の「エメラルドタブレット」と言う錬金術師の本がヨーロッパに入り、再評価され、錬金術と言う「魔法」がヨーロッパに定着し始めた。

このエジプトを起源に持つ錬金術と言う魔法は、今で言う「自然科学」であり、自然魔術が基本であった。

アルヴェルトゥスは錬金術の研究で「薬草、石、動物の効能について」研究し、動物の操作や、物質の透明化の方法を探していた。

これは、今でもアプローチが違うが行われている事だ。

薬品を使ったり、脳に電極を挿して動物を操ったり、光学迷彩技術を実用可能にまで持っていこうと日々研究者達は試行錯誤している。

つまり、今を生きる科学者達は、ある意味で中世の錬金術師達の研究を引き継いでいると言える。

少し余談となるが触れたいのは、1214年、あのロジャー・ベーコンが生まれ、この中世と言う時代を生き、賢者の石を求めた事も忘れてはいけないだろう。

3~6世紀ごろに発展した「カバラ」と呼ばれる数秘術も、時代を表している。

中世の「魔法」は、それ以前の「魔法」よりも、より具体的に、より広い範囲で「世界の法則」を探求する事にシフトしていた。

中世の魔法学校

「世界の法則」を探求する事に人類が目覚めた。

この頃、大学と言う教育機関が創られた。

場所は、イタリアのボローニャ。

当時の大学で教えられていた学問は「占星術」「医学」「数学」が中心だった。

そのどれもが古代エジプトで特に発展し、ヨーロッパに入ってきた「魔法」と考えても差し支えないだろう。

最古の図書館は、紀元前300年頃に建てられたエジプトのアレクサンドリア図書館と言われているので、当時のエジプト文明が、どれだけ優れていて時代の最先端を走ってきたのかわかる筈だ。

中世は、それまでの神官やシャーマンやドルイド等が主に持っていた「魔法」を大学に通えるという意味で「一般の知識人」にまで手が届く様にした時代だった。

高度な魔法の「一般化」が起き始めていた。

中世の宗教

キリスト教が生まれて、約1000年。

布教活動は上手くいっていたが、それでも土着の多神教は根強く生き残り続けていた。

1000年前とは違って圧倒的権力を持ち、多数派となったキリスト教だったが、ベースが近いが別の分化した宗教として生まれたイスラム教に十字軍を差し向けたり、多神教の神々を悪魔と言って接触や信仰を禁じたりと、あまり褒められた物ではなかった。

だが、悪魔と呼んでいる神々を崇拝している文明の魔法は、非常に魅力的である。

大学の所でも触れたが、占星術も医学も数学も、エジプトから入ってきているし、哲学はギリシャである。

どちらも、がっつり多神教スタートである。

と言うか、人類が多神教スタートなので、避けようが無い。

つまり、多神教を全否定すると、文明が成り立たなくなるが、認めるとキリスト教の力が弱くなると言うジレンマを、はじめから抱えていた訳だ。

そこで、キリスト教会は「魔法」の中で、自分達にとって都合の良い占星術や自然魔術を「合法魔術」とし、脱魂・口寄せ・加害魔術と言った物を「非合法魔術」に指定する事で「魔法」に善悪を作る事にした。

この、キリスト教の都合によってつくられた歪んだ善悪観によって、異教の神々では無く、邪神や悪魔と言う概念が生まれるに至った。

それまであったのは、あくまでも「よその神」や「自然を象徴する怪物」が殆んどだった。

なのにキリスト教は「よその神」を「悪魔」と、都合よく解釈し、正しさの為には必要だと「嘘」をついたのだ。

悪魔を生み出したのは、よりにもよって悪魔を最も嫌っている人々だったのだから皮肉しかない。

そして、悪魔を倒すためと「正しさを象徴する神」を信仰する人々は、お互い自らを悪魔に変えていく事になる。

次回予告

次回、近代ヨーロッパ編。

科学革命によって揺れる「魔法」と「神話」の世界。

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