【これだけは知っとこう!】物語創作におけるテーマの種類を解説。モチーフテーマとストーリーテーマは全然別物!

物語に必要なテーマ

物語の創作には、必ず「テーマ」が必要になります。

今回は、世の中の人がプロアマ問わず「テーマ」に対して曖昧なまま創作をしている様なので、「テーマ」について丁寧に解説したいと思います。

表現のテーマ

最初に触れたいのは、表現のテーマです。

このブログでは、モチーフテーマなどと呼んでいます。

これは、創作する際「何を使って描くか」に関わるテーマとなります。

例えば、ファンタジーやSF、と言うのは「世界観を指定」するモチーフテーマの大枠です。

西部劇、時代劇と言うのも、「時間や場所を指定」する事で表現を指定するモチーフテーマの大枠になります。

スポーツ、演奏、戦争は「行動の指定」だし、乗り物、武器は「物の指定」だし、動物、種族は「生物の指定」です。

表現のテーマとは、何を主題として描くか決める事で決まります。

  • 艦これ=美少女×戦艦
  • ガルパン=戦車×部活
  • スト魔女=美少女×戦闘機乗り
  • まどマギ=魔法少女×SF
  • バンドリ=ガールズバンド×キャラクター
  • ラブライブ=アイドル×部活
  • フェイト=英雄×バトルロイヤル
  • フルバ=干支×呪い
  • ホスト部=ホスト×部活
  • ガンダム=ロボット×戦争
  • キャプテン翼=サッカー×必殺技
  • テニスの王子様=テニス×必殺技
  • 黒子のバスケ=バスケ×必殺技

みたいな感じになります。

表現のテーマ、モチーフテーマを決める事で、物語の表現に一貫性が生まれます。

キャラクターを構築する際も、モチーフテーマに従ってバリエーションを持たせる事で統一感のあるキャラクター群が創作できます。

多くの場合、創作者が最初に考える「テーマ」は、この「モチーフテーマ」になります。

物語のテーマ

次に触れたいのが、この記事の本題。

物語のテーマ、このブログではストーリーテーマなどと呼んでいる種類のテーマです。

これは「物語を通して何を伝えたいか」に関わるテーマとなります。

物語のテーマは、物語を通してキャラクターの一貫した行動を通して描かれる物で、最終的にメッセージを表現する物です。

例えば、スポーツものを創作しようとしたとします。

その場合、スポーツの試合を一貫した行動として繰り返し描いていくとします。

描かれるシーンを通して何を伝えたいか、それがストーリーテーマです。

編集さんに「この作品のテーマは?」と聞かれるテーマは、このストーリーテーマの方になります。

つまり、創作した物語作品が「全体を通して何を伝えたいか?」を編集さんは聞きたい訳です。

このストーリーテーマと言う物が厄介なのです。

問題1:モチーフとストーリーのテーマ混同問題

これが、現場で一番多い問題だと思います。

こんなことが良くあります。

仮に、あなたは、新人漫画家です。

サッカー漫画を描いたとします。

出版社に持ち込み、編集さんに見て貰いました。

編集さんは、決まり文句の様にこう言います。

「この作品のテーマは?」

あなたは、モチーフテーマを聞かれたと勘違いします。

どう考えてもサッカー漫画なのに、なぜ聞かれたのだろうというモヤモヤは押し殺し、プロデビューに向けて気に入られようと言葉を選びこそしますが、モチーフや劇中の表現に対する言及しかしません。

ですが、編集さんが聞きたい事は、ストーリーテーマなのです。

編集さんが求めている答えは、例えば、

「テーマは、スポーツは勝利が全てなのか? です。最終的に試合の勝敗よりも、ここまで一緒に努力してきた仲間が本当の宝と言うメッセージです」

と言う様な「物語を通して何をあなたが伝えようとしているか」になります。

このストーリーテーマが有るのと無いのとでは、作品のクオリティに雲泥の差が出ます。

世にある物語が面白いタイプの人気作品には、必ず何らかのストーリーテーマが設定されています。

例えば、コードギアスでは、

  • コードギアス=正しい目的の為なら、何をしても良いのか?

の様なテーマが有るのが分かります。

主人公のルルーシュは、愛する妹の為に、裏で人を操り、裏切り、殺し、ドツボにハマっていきます。

「正しい目的の為なら、何をしても良いか?」の様なテーマに沿った行動をして、最終的に物語のメッセージとして、積み重ねた行動の結末が提示されます。

ルルーシュは、代償を支払いながらも、テーマに沿った行動の末に、学び、成長し、選択の末に欲しかった報酬を得ます。

ちなみに、コードギアスのモチーフテーマは、

  • コードギアス=特殊能力×ゲットー・レジスタンス

と、言う感じで、レジスタンスの指導者が支配国を追われた王子で、戦車としてナイトメアフレームと言うロボットが出てきますが、ナイトメアフレームは魅力的ガジェットですがストーリーテーマには深く関わってきません。

あくまでも、レジスタンスや敵軍が使う兵器と言うポジションです。

問題2:ストーリーテーマの掴みにくさ

モチーフテーマは容易に掴めますが、ストーリーテーマは慣れないと非常に掴みにくい物です。

と言うのも「何を伝えたいか?」と言うメッセージや、描きたい結末が決まっていない状態だと、統一すべき主題を決める事が難しいからです。

なので、プロでも書いている途中で気付く事で良しとする場合もあります。

ですが、最初から分かっていた方が、物語を描く上ではブレが少なく、まとまりのある物語を創りやすくなります。

ストーリーテーマの掴み方

ストーリーテーマの見つけ方は、いくつかあります。

第1回 ゼロから面白い物語の基礎を作る方法 アイディアをログラインにする5つのステップの「その3」や、物語の目的とテーマとは?などの関連記事に詳しく書いてありますが、ストーリーテーマは「行動」から導き出されます。

つまり、劇中でキャラクターが「行動」をする事で、ストーリーテーマが見えてきます。

上で例に挙げたコードギアスの場合「正しい目的の為なら、何をしても良いか?」をストーリーテーマとしたのは、主人公の行動から導き出した結果です。

作品を知っているなら想像できると思いますが、主人公のルルーシュは「正しい目的の為」=「愛する妹が幸せに暮らせる世界の獲得」なら「何をしても良いか?」=「敵を殺す、無関係の人を巻き込む、裏切る、人を操る、嘘をつく、などの悪行は許されるか?」を実行していきます。

一つの目的に向けた行動の積み重ねから、テーマを導き出せると言う事です。

ですが、テーマが決まっていないと、この一つの目的に向けた行動の積み重ねに一貫性がなくなる事があり、その場合に「テーマがぶれて見える」ので、編集さんなどに「この作品のテーマは?」と聞かれる事になります。

そこで、目的に向けた一貫した行動の積み重ねによってテーマが見え、その結果物語のメッセージが見えるのだから、テーマを掴むためには「一貫した行動」や「メッセージ」を先に決める事が有効です。

コードギアスの場合は「一貫した行動=反社会的な行動」「メッセージ=正しい目的の為に、全ての責任や罪を背負う」みたいな感じです。

おわりに

慣れないと、モチーフテーマは分かっても、ストーリーテーマは簡単には掴めないかもしれません。

その場合は、自分が好きな作品のストーリーテーマが何か分析するなどして、考えるコツを掴んでみてください。

この記事が、モチーフテーマとストーリーテーマの混同を減らし、快適な創作の助けになれば幸いです。

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