モチーフテーマ選びで気を付けないと損するかもしれない3つのポイント

モチーフの機能を説明します

モチーフとは、題材です。

モチーフテーマとは、表現する物の主題となる題材を、ここでは指します。

では、モチーフテーマの選び方って、気を付けていますか?

今回は、モチーフテーマ選びについて、大事な事をこっそりと解説しようと思います。

モチーフテーマには種類がある

と言う事で、モチーフのテーマには種類があります。

絵画であれば、りんごをモチーフにデッサンしたり、よくしますよね。

なんで「りんご」なのでしょうか?

例えば「ガンプラ」でも、良いじゃないですか?

でも「ガンプラ」は一般的にはならない。

これには、ちゃんとした理由があります。

その1:一般度

「りんご」と「ガンプラ」では、客観的な認識に違いがあります。

絵画の場合は「描く難易度」とか「目指す絵の練習に適しているか」みたいな理由もあります。

それら理由を除いても、一般的に描くモチーフは「ガンプラ」よりも「りんご」が選ばれます。

「ガンプラ」よりも「りんご」の方が、一般的だからです。

より手に入れやすく、触れやすい存在である以上、「りんご」は「ガンプラ」よりもモチーフとして選ばれる可能性が高い訳です。

その2:抽象度と具体度

まず抽象度、です。

うん、分かりませんね。

説明します。

「ガンプラ」は「ガンダム」の「プラモデル」で「ロボット」です。

つまり「ガンプラ」は、抽象的にするなら「ロボットのプラモデル」と言う事になります。

「ガンプラ」が含まれる概念ですが、より曖昧な表現ですよね。

逆に「りんご」を「ガンプラ」と近い抽象度にするなら「りんごの品種」を指定する必要があります。

「ガンプラ」は「ロボットのプラモデル」と言う抽象度にすれば「ガンプラ」よりは選ばれる可能性が高まります。

なんとなく、分かりますよね?

それでも選ばれにくいのは、1で触れた一般性に問題があるからです。

結局は一般性や普遍性で劣ります。

ですがデッサンの練習や、授業などで「りんご」を描くより「好きな漫画やアニメの絵を描きたい」と思った事のある人も、いると思います。

これにも、理由があります。

そこで、抽象度の反対の概念の登場です。

つまり、より具体的な物に対して、人は惹かれます。

例えば、「りんご」と「ガンプラ」では無く「キャラクターの絵」を描くとします。

その時「知らないキャラクター」と「好きなキャラクター」、あなたはどちらを描きたいでしょうか?

恐らく「好きなキャラクター」を選ぶ人の方が、多いと思います。

それは、既に「好き」と言う事もありますが、「既知」である事によって「情報の具体度」が違ってくる事で、より選びやすくなるからです。

ここまでの要素から分かる事

つまり、抽象的なモチーフは、幅広い層に理解されるが、愛されにくい

反対に、具体的なモチーフは、狭い層にしか理解されないが、愛されやすい

その際、重要になるのは、より一般的なモチーフの方が、広い層に選ばれやすい

と言う事になります。

表現には適切なモチーフ選びが大事な事が、分かって頂けたと思います。

ですが、創作を、特に物語の創作に関しては、まだ足りません。

知らないと損をする最後の要素、それは……

その3:エピソード(歴史・逸話)

モチーフテーマに「歴史」や「逸話」がある物を、ちゃんと選んでいますか?

それを、設定として利用していますか?

「一般度」「抽象度」と来て、最後の要素は「エピソード」です。

具体的な「エピソード」、つまり、モチーフテーマに「歴史」や「逸話」がある物を選ぶことは、非常に重要なポイントです。

特に、具体化したモチーフの個々にエピソードがある物は、モチーフとして強力です。

好例をいくつか

このサイトでは、例として何度も取り上げていますが「刀剣乱舞」と「艦これ」は、非常に優れたコンテンツです。

モチーフテーマに「歴史ある業物の名刀」と「大戦時の具体的な記録が残っている戦艦」を選び、擬人化したコンテンツなのですが、ここまで説明すれば、もうわかると思います。

本編中に全てのキャラクターにスポットライトを当てずとも、モチーフテーマに既に「エピソード」がある事で、強烈なキャラ付けの下地がある状態での展開が出来る訳です。

そして、もう一例、やはりこのサイトで何度も取り上げた事のある作品「Fate」シリーズです。

「歴史や神話の英霊」をモチーフテーマにし、サーヴァントと言うシステムによって一並びのキャラクターにしている「Fate」は、当然、モチーフテーマの「エピソード」と言う点で言えば、他の追随を許さない強さを持っています。

これ等の作品は強烈な「エピソード」を内包したモチーフテーマをキャラクター化した事で、爆発的な人気を獲得しているのです。

おわりに

「エピソード」のあるモチーフテーマを選んだ方が良いか?

速さが必要なら、その方が良いでしょう。

「一般的」で「具体的」で「エピソード」があるモチーフテーマは、滅茶苦茶強いです。

認知されるまでの速さが違います。

ですが、必ず必要と言う訳でもないし、既知の歴史や逸話である必要もありません。

「一般度」も「具体度」も「エピソード」でさえ、時間をかければ必ず作る事が出来る要素だからです。

「スーパーマン」や「スパイダーマン」は、それ自体の歴史を重ねる中で「一般度」も「具体度」も「エピソード」も獲得してきました。

モチーフテーマには、「一定の一般度と具体度」があれば良く、物語であれば「エピソード」は劇中で描けば良いのです。

逆に「エピソード」を自ら獲得した作品は、それ自体がオリジナルになれるため、認知される速さが遅くとも、とても強力なコンテンツになります。

好きなモチーフテーマを、選んで良い。

でも、モチーフの「一般度」と「抽象度」と「エピソード」を、何も考えないで選ぶと、思わぬ遠回りの可能性がある事だけは、知っておいて欲しい。

今回は、そんな話でした。

スポンサーリンク

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。