2019年4月開始、春アニメの超個人的感想まとめ

アニメ感想

今期は「これは凄い!」みたいな新作タイトルが少なく、やや不作に感じました。

以下、あくまでも個人の感想です。

異世界かるてっと

  • 世界観・リアリティ:★★
  • ストーリー・予測不能:★★★★
  • キャラクター・感情移入:★★★★

ヒットした異世界モノの小説4作品「このすば」「リゼロ」「オーバーロード」「幼女戦記」のメインキャラクター達が一堂に会して学園生活を送る、と言うお祭り作品の様な本作。

ただのお祭り作品で終わるのか、しっかりした着地点を用意しているのかが気になる作りで、意外なダークホース。

15分アニメかつデフォルメキャラながら、入りから各作品ごとに転移直前の設定を用意しての再異世界転移から始まる真面目な作りは、かなり好印象。

クロスオーバーによるキャラの絡み、各作品の主人公の対比と、見たい要素をちゃんとやってくれる痒い所に手が届く、当たり前をちゃんと出来ている作品なので、今期の中では地味に期待を寄せている。

追記:最後までちゃんとしたクロスオーバーお祭りアニメで面白かったです。

2期決定に転校生予告と、今後も目が離せない感じです。

ULTRAMAN(ウルトラマン)

  • 世界観・リアリティ:★★★★
  • ストーリー・予測不能:★★★★
  • キャラクター・感情移入:★★

ネットフリックス配信アニメ。

巨大ロボット漫画「鉄のラインバレル」の清水栄一×下口智裕が2011年から月刊ヒーローズで連載している漫画原作で、特撮の初代「ウルトラマン」の数十年後を描いた作品。

「ウルトラマン」の主人公だった早田進(ハヤタ隊員)の息子である早田進次郎を主人公に物語が展開する。

原作は未読だが、基本的な物語構造は「鉄のラインバレル」と近く、同作者の作品が好きなら楽しめる筈。

逆に、ラインバレルで初期の主人公の雰囲気や性格が苦痛だった人は、似た苦痛を味わう部分がある。

映像としては、フル3DCGなので作画崩壊の心配もなく、一貫してハイクオリティなので見ているだけでワクワクする部分もあるが、ハイクオリティな3DCG故に、破壊されるオブジェクトを一々作らなければならず、それにはコストがかかる為、汚れや破損の描写に苦手さが窺える。

ストーリーとしてはシーズン1終わりでは、まだまだ途中だがシーズン2への引きで綺麗に終わっていると言った感じ。

ウルトラマンと言うモチーフを使った作品の一展開として、ウルトラマン=宇宙人由来のパワードスーツ的な解釈も面白く、楽しめた。

カラータイマーの解釈も、トータル3分の活動限界をリミッター解除演出と言う設定をスライドさせたのは、素直に感心。

機動戦士ガンダムTHE ORIGIN

  • 世界観・リアリティ:★★★
  • ストーリー・予測不能:★★★
  • キャラクター・感情移入:★★★★

機動戦士ガンダムの名ライバルキャラクター、シャア・アズナブル目線で描かれる一年戦争の前日譚。

原作は、2001年から10年間、機動戦士ガンダムのキャラクターデザイナーである安彦良和が連載していた漫画作品。

機動戦士ガンダムを知っていればニヤリと出来る事間違い無しの本作だが、一つの復讐劇として単体で見ても十分に楽しめる。

原作漫画のクオリティも高かったが、アニメーションのクオリティも気合が入りまくっていて高い。

本作ではメカ描写に限られるが、上記のウルトラマンと同じように3DCGを多用する事で、作画崩壊の無いハイクオリティを維持している。

だが、ウルトラマンで課題に感じていた「汚れ」や「破損」と言った描写が、こちらの方は上手く処理されていて気にならなくなっている。

戦艦やロボットが破損する表現も、コストをかけたくない場面では煙と破片の描写によって上手く壊れた表現をしていたりと、まるで違和感を感じさせない。

登場するモビルスーツ等のメカは、前日譚なので今から見ると旧式と言う扱いなのだが、出てくるモビルスーツはどれもカッコよく、劇中の最新鋭兵器として最高の形で描かれている点も是非見て貰いたい。

往年の人気キャラクター達の過去が生き生きと描写されていたり、原作アニメ時点ではガバガバだった設定に対して小粋なフォローが随所に見受けられ、そういう面でもニヤリと出来る。

本作の主人公であり後にシャアとなるキャスバルだが、両親を奪われた復讐の為に暗躍する姿は見ていて気持ち良く、物語の基本構造は巌窟王と通じるものがある。

巌窟王ではエドモン・ダンテスが協力者と長い修行の結果、復讐する力を得るのに対して、キャスバルは周囲の協力を最初は受ける物の、最終的には生まれながらの天才かつ、ニュータイプと言う新人類である事で成し遂げるに至る力を得ていく。

圧倒的実力で計画を遂行していくシャアを、こうも格好良く見せつけらると、「アムロ、こんな奴によく勝てたな」ってマジに思う筈。

ちなみに、今期NHKで放送している最中だが、既にアマプラでOVAを視聴済みなので、最後まで見ての評価である。

NHK放送版は、エンディングテーマが往年の名曲のカバーになっているので、OVAを既に見たってファンにもお勧めしたい。

名作なんだから2周目したって良いしね。

追記:オープニングの1979年代演出とか、エンディングのプロジェクトX感とか、本編以外でNHK放送版としての価値をプラスする姿勢は素晴らしいとしか言いようがない。最高。

鬼滅の刃

  • 世界観・リアリティ:★★★★★
  • ストーリー・予測不能:★★★★
  • キャラクター・感情移入:★★★★★

今期の覇権アニメ候補。

原作は、2016年から週刊少年ジャンプに連載されている同名の漫画。

王道直球な物語は、冒頭の入りから、1話中盤から終わりにかけた掴みまで正にお手本の様に完璧と言って良い構成。

旅立ち、修行、関門と丁寧ながらもテンポよく着実にイベントを積み上げ、物語として面白くならない訳がない。

クオリティに定評があるが、脱税騒動で不要な注目を集めてしまったユーフォーテーブルの制作と言う事もあり、作画も安定して高水準なのも嬉しい。

追記:圧倒的に妹が可愛いアニメであった。

キャロル&チューズデイ

  • 世界観・リアリティ:★★
  • ストーリー・予測不能:★★
  • キャラクター・感情移入:★★★

すっかりお約束になった音楽アニメ。

音楽アニメにハズレは少ないのジンクスに漏れる事無く、この作品も面白い。

ただ、未来の火星が舞台なのにインスタグラムや現実で一昔前の実在のバンドや歌手の名前が普通に出てくる事に、地続きの未来ととらえるべきか、現代を舞台にしても別に良かったととらえるべきか、少し悩んだ。

映画「はじまりのうた」等の洋画を下敷きに基本を構成し、その設定だと舞台が日本だとマッチしにくく、アメリカやヨーロッパのままにするには細部の設定にリアリティと言うよりはリアルを追及して「嘘」と感じられる事で、物語の本筋以外で評価される恐れがあるよりも、いっそ「火星」に舞台を変えてフィクション色を強める事で物語と音楽で評価してもらえる様に配慮して作られたのでは?

なんて感じたので、個人的には火星にしたのは、下手に日本を舞台にするよりかは大正解だったと思う。

追記:良くとれば、暗くならない。悪くとれば、軽い所がある。そこら辺は好みの別れる所だと感じた。

主人公達の抱える問題も、ライバルの抱える問題も、見えてこそいるがあまり大きくなく、その葛藤が大きく感じない事も軽さの理由。

ただ、主人公達が火星の音楽業界で伝説を作る物語が本筋で、結末も、ほぼ決まっているので安心して見ていられる。

あと、音楽アニメだけあって、音楽は良い。好き。

追記2:オーディション編までで、一区切りの感想を。

オーディション開始と共に暗い展開が顔を見せ始めた。

暗い展開は、良い。

問題は暗い展開では無く、そこに繋がる伏線が全体的に弱い事だ。

前半の山場だったが、そこまで大きく盛り上がる事も無く、雑な作戦であっさりと復帰してしまったのも、まだ途中だから良いと言う安易さをどこかで感じてしまう。

音楽は良いし、キャラも悪くない。

だが、脚本にストーリーで楽しませてやろうと言う気概がそこまで感じられず、主役が音楽のみとなってしまっている。

音のあるアニメーションだから見ていられるが、小説や漫画と言った音の無いメディアだったら、ストーリー面が厳しく思える。

逆に、音楽はアニメーションと言う媒体で無くとも、十分な魅力を維持出来ているだろう。

しかし、これがもし「キャロル&チューズデイの音楽だからこそ」と言う思い入れが深くなる様であれば、音楽の価値はさらに高まることになる。

それを期待しつつ、引き続き後半を追っていきたい。

追記3:最終回まで視聴。

音楽とキャラクターは高評価だが、物語に関しては時々小石に躓く事があるか無いか程度で、山も谷も無い「ずっと登りの丘」の様な退屈な作品であった。

主人公達が、基本的にハイスペックで自分達の前に立ちはだかる苦難を乗り越える能力を予め持っている為、緊張感が著しく低い事。

主人公の周囲を固めるキャラクター達こそ主人公なのでは無いかと苦難に見舞われるのだが、その解決方法の大半が、かなりフワッとしている。

なので、キャロチューコンビが狂言回しで、他のゲストキャラこそが主役と見ても物足りなく、仮に音楽を抜くと何も残らないぐらい薄味の作品となってしまっている。

特に物語面でひどく感じたのが、最終回。

ラスボスが勝手に改心してしまい、初期から期待を煽り続けて来た「伝説の7分間」が無くても火星は平和で、まるで意味が無い自己満足のライブとなっている。

残念ながら、最初の期待の煽り方が上手かっただけに、★は全て一個ずつマイナスとさせて貰った。

音楽アニメにハズレ無しは、もはや過去の物の様だ。

キャロル&チューズデイっぽい音楽映画に興味があれば、まだ見てない人は映画「はじまりのうた」は本当におすすめ。大好き。と言うか、この監督作品は、どれも良い。最高。

さらざんまい

  • 世界観・リアリティ:★★★★
  • ストーリー・予測不能:★★★★★
  • キャラクター・感情移入:★★★

謎の標識、浅草、河童、尻子玉、欲望。

とにかく、初見時は「何を見ているんだ」と感じるであろうイクニワールド全開の展開に、知らぬ間にジェットコースターに乗っていたような感覚で流されるままに視聴。

謎を抱えたまま様式美的なシンボリックな展開が繰り返されながら、徐々に進むストーリーからは目が離せない。

3人の主人公達がそれぞれ願いを叶える為に敵と戦う物語なのだが、確実に世界の裏側が存在しているが、説明されない事で、非常に考察が捗る作りなのは、毎度の事ながら上手い。

ウテナ、ピングドラム、ユリ熊嵐と来て、監督の作りだす独特な世界に漬かった事がある人なら、今作も監督は期待に応えてくれそうである。

ただ、尻子玉が重要アイテムなので、変身シーンと戦闘シーンが地味にエグイ。

追記:主人公達の抱える闇と毎回の欲望漏洩、河童とカワウソの戦争、尻子玉の正体、深まる謎と、安定して面白いイクニワールド。

人によって好き嫌いはハッキリ分かれるだろうが、敵味方共にミュージカル仕立ての定型シーンも心地良く、シュールさが非常に魅力的。

追記2:最後まで本当は何を見ているのか所々分からない難解さを保ちつつも、ストーリーテーマは明快で、非常に面白かった。

モチーフを上手く利用したクセになる繰り返し表現の上手さは、本当に凄い。

ストライクウィッチーズ 501部隊発進しますっ!

  • 世界観・リアリティ:★★
  • ストーリー・予測不能:★★★
  • キャラクター・感情移入:★★★★

原作は、4コマnanoエースに連載された「ストライクウィッチーズ」のスピンオフ漫画である。

このサイトを古くから知っている人は察しているだろうが、管理人は当シリーズのBDや漫画・小説は一通り持っている程度の、まあまあなファンである。

だが、ここではある程度の客観的視点を維持したままの感想を述べたいと思う。

本作は、スピンオフ元としたアニメ内にあるネタをベースとしたギャグ作品であり、元ネタを知っていれば笑えると共に、懐かしさに浸れる作品だ。

スピンオフ作品の為、単体での評価は難しいが、シリーズの一作品として見れば原作に愛があるギャグマンガとして十分楽しめるだろう。

余談、自衛隊ポスター騒動は記憶に新しいが、特に影響なく本作ではズボン描写がある。

次に続く予定の2020年「第501統合戦闘航空団 ストライクウィッチーズ ROAD to BERLIN」、2021年「連盟空軍航空魔法音楽隊ルミナスウィッチーズ」に向けて安心したファンもいたのでは無いだろうか?

追記:安定の面白さのまま最終回を迎え、まさかの劇場版公開決定!?

ひとりぼっちの○○生活

  • 世界観・リアリティ:★★★
  • ストーリー・予測不能:★★★★
  • キャラクター・感情移入:★★★

「三ツ星カラーズ」が2018年冬にアニメ化された漫画家カツヲの描く、同名4コマ漫画が原作のアニメ。

原作は未読だが、「三ツ星カラーズ」の作者だからと言う安心感で視聴開始。

ボッチを拗らせた主人公の一里ぼっちが、名が体を表す友達を毎回増やしていくストーリーは、大きな事件が起きる事は無いが、テーマの決まった小さなイベントに溢れたクスリと笑える心地の良いシーンが流れていき、安定して面白い。

「三ツ星カラーズ」でもそうだったが、周囲の環境含めて基本的に優しい世界なので終始安心して見ていられる。

追記:優しい世界。

自己中な行動は滑稽に、利他的な行動はコミカルに描かれ、キャラクターの好感度を損なう事が基本的に無い。

登場人物毎に分かりやすく性格的欠点があり、特に主人公は欠点と正面からぶつかる必要に迫られている為、常に葛藤が生まれ、物語として見ていて飽きさせることも無い。

さらに、時々挟まれる真面目な絆を感じさせる描写は、先述のコメディタッチが良い反動となって胸に響く作りになっている。

極端な派手さは無い作品だが、基本に忠実で丁寧な作りなので、みんなに見て貰いたい。

フルーツバスケット

  • 世界観・リアリティ:★★★
  • ストーリー・予測不能:★★★★★
  • キャラクター・感情移入:★★★★

ギネスにも載った少女漫画、フルーツバスケットの再アニメ化作品。

原作既読で、1話から「ああ、そういう話だった、懐かしい」と言うノスタルジーに浸りながら視聴。

以前のアニメの印象が強いせいか、リメイクに私が慣れない所はある物の、普通に面白い。

毒電波や乱闘で破壊される家など、どこか時代を感じさせる設定や描写はある物の、原作が間違いないので直近のアニメ封神演義的な事さえしなければ、安心して見ていられる。

ただ、変身シーンの煙だけ嫌に気合が入っていると言うか、画から浮いて感じたのだけ気になった。

追記:やっぱり名作。

※他のアニメも視聴次第追加します。

※全話同時配信のウルトラマン以外は、4話前後まで視聴です。

※2019年5月29日、8話前後までの感想を追記。6月1日THEORIGIN追加。6月27日、1クールまでの感想追記。

※おススメがあれば今期に限らず教えてプリーズ。

※この記事は、加筆・修正する予定です。

※★の評価は、個人的主観による所が大きいです。

※評価項目は、仮ですので、今後改善する可能性があります。

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