物語を独自分類する方法。その2:「二本目以降の線を探す」種類分け

前回のおさらい

分類の第一歩は、二分割と言う話。

好き嫌い、白黒、等々と分類者にとって意味のある線引きをまずは行う。

これは、このサイトで言うと、一例だが次の図の様になる。

ここでポイントとなるのは、「自分にとって意味がある分け方」である事と同時に、「第三者に説明出来る論理的な分け方」でもある事だ。

この、両方を満たす「線引きのルール」こそが、分類では非常に重要となる。

例えば、例に出した図の分類のままだと、サイト管理人の匙加減でエンタメ作品とアート作品を分けているのではと考える人もいるだろう。

だが、そうではない。

このサイトでは、次の図の様にエンタメ作品とアート作品を明確に線引きしている。

意味が分からない人の為に説明するが、エンターテイメント系の作品とは、広い層に感動を提供する事を目的としている。

感情を動かす上で、物語においては、キャンベルによって解き明かされた「世界中に共通して存在する物語の基本的な流れ」が非常に重要となる。

離れた場所で無関係に同じ構造の物語が生まれると言う事実があると言う事は、つまり、人間には、逃れられない本質的に好きなパターンがあり、それが同系統の構造を持った神話や昔話として、生まれ、語り継がれて来たと考える事が自然だ。

料理で例えれば「世界中に、肉や野菜を下ごしらえし、味付けし、火を通した料理がある」と言う事実は、人間が本質的に好きな、効率的な摂取方法がある、と言う事と似ている。

この、人が本質的に好いているパターンを使う事が、エンタメ作品では非常に重要で、それには料理なら調理方法の習得が必要であり、調理とは美味しい料理の構造再現が本質である。

それが物語でも、構造を再現すると言う、物語の調理方法の習得が必須な訳である。

と言った理由から、エンタメ作品は、決まった構造に様々な表現の方を合わせた作品と定義した訳だ。

逆に、アート系作品は、好かれる構造に忠実に従う必要が無い。

アートとは、本質的に個人の表現が主体であり、表現に合わせて構造を歪に合わせても問題が無いのだ。

なので、アート系作品は、見る人を選ぶ。

料理でも、決まった調理の定番料理と、奇抜な調理の創作料理では受け入れられる層も数も開きが生まれる。

表現に構造を合わせれば、本質的に好かれる構造から外れるが、だからこそ誰も見た事が無い物が生まれる可能性も秘めている。

エンタメ作品とアート作品では、面白さを感じるポイントがそもそも違う訳だ。

エンタメ作品とアート作品の定義の説明は、このぐらいにしよう。

この様に、明確な線引きは、切り口を鋭くするには、正反対の概念で分ける事がポイントとなる。

おさらい(と言うよりは長大な説明と補足)が長くなったが、ここからが今回の話だ。

今回は、二本目以降の線を探す方法を説明する。

二本目以降の線

二本目の線は、どこに引くか?

もう察しが良い人は分かると思う。

そう、方法は一本目の線と同じで、ただ一本目で分けられたグループを分けてやればいいだけだ。

そんな簡単な事を、なぜ、わざわざ記事にしたのか?

それは、どこに線を引くかで、カテゴライズはガラリと意味を変える事を説明する為だ。

また、例えよう。

人間を分類する事が人間は好きだ。

なので、人間を分類しようと思う。

人間を分ける時に、どこに線を引くだろうか?

ちなみに、人間に線を引こうと決めた時点で、一本目の線は引ひかれている。

人間とそれ以外で分けた訳だ。

二本目の線を引く場所は、自動的に「人間+」の要素となる。

まず二本目の線を探す訳だが、「人間+」で探すのは、例えばこんな風に考える事が出来る。

ここの分け方は、自分に意味があり、第三者に説明可能な線引きなら、何でも構わない。

ちなみに、ここで出て来た要素は、三本目以降の分割ルールにそのまま流用できる。

試しに、男・女を二本目、ロマンチスト・リアリストを三本目にすると、こうなる。

見て、まあ分かるだろう。

仮に、床に線を引いて、字を書き、道行く人にこの分類に合う場所に移動する事をお願いすれば、分類通りに人をカテゴライズ出来る(言う事を聞いてくれるかどうかは別だが、そんな意地悪は言わないで)。

これが整理の基本であり、自分に意味があり、第三者も同じルールで可能な常態で分けるのが、カテゴライズと言う訳だ。

今度は、これを物語やキャラクターで行ってみるのだが、それは次回にしよう。

ようやく、ここからが本番だ。

まとめ

以上、二本目以降の線の探し方の説明でした。

次回は、物語やキャラクターで分類例を提示し、新たな視点に気付いたり、記事を読んだ人が独自カテゴライズを行う助けになる事を伝えていきたい。

前回も軽く書いたが、創作者が独自に育てられる創作ツールは、非常に強力だ。

鉄板パターンでも、膨大なデータベースでも、実用に足るクオリティで作り上げるまでは非常に大変だが、一度出来てしまえば、それは創作者としては、まるで必殺技を持っている様な心強さを感じる物になる。

もちろん、必殺技は、常にアップデートしたり、別の状況に対応する為の新技の開発は必要になる。

だが、一つ必殺技を持てば、二個目以降の技は構築方法が分かっている為、一個目の習得程大変ではない。

カテゴライズは、創作に役立つ1ツールに過ぎないので、合わない人にはトコトン合わない事もあるだろう。

なので、ここで書く事かはアレだが、この記事が創作ツールとして、または、単純な整理整頓のコツとして役立てばいいし、仮に役立たずとも、創作者の方には独自の創作ツール開発が、創作を有利にする「一種の気付き」にでも繋がってくれればと思う。

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