物語を独自分類する方法。その3:「分類線の意味を考える」種類分け

こっからが、ある意味本編

これまで、カテゴライズの基本を例を交えて説明してきた。

  • 一本目の線を引き、カテゴライズする物を決め
  • 二本目以降の線を引き、全体を細分化していく

以降は、これを繰り返していけば、カテゴリーは徐々に細分化され、より具体的な分類が出来ると言う訳だ。

例えば、漫画を分けるとしてだ、

  • 一本目の線は、漫画を分ける事を決めた時点で引かれている
  • 二本目以降は、その中でどう分けるかになる

例えば、

  1. 漫画+男性向け
  2. 漫画+女性向け

と分類し、更に

  1. 漫画+男性向け+大人向け
  2. 漫画+男性向け+子供向け
  3. 漫画+女性向け+大人向け
  4. 漫画+女性向け+子供向け

と言う風に、更に分類出来る

更に分けると

  1. 漫画+男性向け+大人向け+○○
  2. 漫画+男性向け+子供向け+○○
  3. 漫画+男性向け+大人向け+△△
  4. 漫画+男性向け+子供向け+△△
  5. 漫画+女性向け+大人向け+○○
  6. 漫画+女性向け+子供向け+○○
  7. 漫画+女性向け+大人向け+△△
  8. 漫画+女性向け+子供向け+△△

と言う風に、分けられ(〇△の中は何でもいいが、正反対の性質。男主人公か女主人公、の様な)以降も、延々とこのパターンが続き、「+正反対の性質」で分け続ける事で、徐々に詳細で具体的なカテゴライズが出来ると言う事だ。
見ての通りカテゴライズは、自分に必要のない物の分類まで行うと、非常に効率が悪い。

なので、最初の段階で「何が必要か」を明確にし、「必要に沿って分類する」必要がある訳だ。

必要を見つける技術

前置きはこれぐらいにして、今回は「分類線」の意味についてだ。

効率の良いカテゴライズには「分類した結果何が分かれば役立つか」が明確である必要がある。

そこで、重要な考え方が「必要」だ。

分類し続ける事は、パズルの様で、人によっては楽しい事すらある。

だが、意味のない分類は、意味が無い。

「分類後に、カテゴリーを使って何を知りたいか」と言う視点が無ければ、分類する意味が無い。

分ける事を目的にするのは、間違っていて、分けた物をどう使うかを考えなければならない。

今回は、それを説明する為に「物語の分類線」を例に出していく。

物語の分類線、分ける意味

キム・ハドソンの「新しい主人公の作り方」は、このサイト内でも何度か紹介しているのでご存知の人もいるだろう。

この本は、「男性的物語」と「女性的物語」と言う線引きで、物語を2つに分けている点で画期的な本だ。

と言うのも、それ以前のジョーゼフ・キャンベルが「千の顔を持つ英雄」等で説明してきた「物語の根底に流れる普遍的な流れ」は、神話や英雄譚をベースにしていて、結果的に「外向きな変化の物語」に偏っていた。

そこで研究家達は、神話や英雄譚にならない、正反対の性質のある「内向きな変化の物語」がある事に気付き、それをキム・ハドソンがまとめ、有名にした訳だ。

「外向きの変化」「内向きの変化」と言う二分割する切り口に気付いた事が、画期的だった訳だ。

それを、分かりやすく「外向きの変化=男性的物語」「内向きの変化=女性的物語」として、書籍内では解説している。

この「主人公の変化」のベクトルを「内外」で分けた切り口は、物語の構造を見極める上で、かなり有用な発見だった。

主人公は、必ず変化する。

それが、外向きの変化によって「自己犠牲的」な変化なのか、内向きの変化による「自己実現的」な変化かを判別出来れば、創作者は物語創作時に気を付けたり、参考にするべき作品を探す上で、半分の作品を「主人公の変化」と言う観点では最初から無視しても問題が無い事になる。

これは、作業の効率化と言う意味では、物凄い成果だ。

シンデレラストーリーを描きたいのに、物語構造でスターウォーズを参考にしてはいけない。

そんな今では当たり前の事を当たり前に出来たのは、過去の先人達が様々な切り口で物語の分類に挑戦し、構造的に正反対だと意識的にしろ無意識的にしろ、分類してくれたからに他ならない。

ちなみに、例に出した

  • 「外向きの変化」と「内向きの変化」
  • 「男性的物語」と「女性的物語」
  • 「自己犠牲的物語」と「自己実現的物語」

と言う表現は、全て同じ分け方の違う言い回しに過ぎない。

また、男性的女性的と表現されているが、主人公や該当キャラクターの性別を固定するモノでは無い事も一応言っておく。

分類して、何に使う?

「必要」が重要と先に述べたが、それぞれの人にとって求めているカテゴライズの切り口は違う。

例えば、物語の構造で分割する場合の分け方として、何がいいか。

  • 「事件の解決を目指す」と「事件を自分が起こす」

と言う分け方がある。

正反対の性質かつ、行動に言及するのがポイントだ。

表現一つで目につく物語が、大分違ってくると思う。

この分類をすると多くの人は、

  • 「探偵や刑事」と「犯罪者やトラブルメーカー」

の様な物語で分類するだろう。

この分類を一度行えば、以降は同系統の物語の参考や競合調査をする際、見るべきカテゴリーは絞れているし、見る必要のない領域もイメージしやすい。

既存で分類表があれば利用するのも手だが、自分だけのカテゴライズ済みのコレクションの強みは、その内容を把握出来ている事にある。

事件の解決を目指す物語として「医者や弁護士」と言った拡張も出来るし、分けた物を職業以外で分類すると、その中でまたパターンが見えてくる。

すると「依頼者や事件の舞い込み方」と言う切り口で

  • 「自分で依頼を受ける」か「状況に追い込まれる」

みたいな「やりたい」か「やらざるを得ない」と言う風な分け方で全てを分類出来る。

  • 事件の解決を目指す+依頼を受ける
  • 事件の解決を目指す+状況に追い込まれる
  • 事件を起こす+依頼を受ける
  • 事件を起こす+状況に追い込まれる

の様な分類をすると、今まで気づかなかった共通点が作品間で見えてくる筈だ。

更に「+正反対の性質」を付け加えて分類すれば、それはもう、自分だけのカテゴライズとなる。

プラスで、パターンには当てはまるが、あまり見ない職業で表現できれば、それは全く新しい物語になる。

その分類に当てはまる物を見つけて仕分ければ独自ツールは成長し、分類したカテゴリー内では、先のパターンの予測がつく様になる。

表現的には無限の可能性があっても、構造的には「人が好むパターン」と言う限定された範囲でしか変化しないからだ。

さらに、それが分かると、人が好むパターンと言う「効率の良い型」から、あえて外したり、逆に行く事で、「型破り」な物語も構築出来るようになる。

って結構、凄くない?

まとめ

以上、まあ、カテゴライズにも「目的意識」が必要、と言うようなお話でした。

数ある創作ツールの一つに過ぎませんし、この方法が最高なんて強要はしません。

ですが、自分の型を持って、それを必要なら破る事も出来ると言うのは、かなりの強みになるので、肌に合う人にだけ、おすすめしときます。

今回は、例で出したのは、物語の構造の分け方でしたが、物語は当然、表現でも分類が可能です。

次回は、物語の表現での分類と、それで出来る事を紹介して、連載を締めたいと思います。

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