物語でテーマって大事なの?
あなたは「テーマ」と言う概念を、どう考えているでしょうか。
- 何の役に立つの?
- 大事なの?
- テーマって何?
疑問に思っている、考えた事がある、何となく分かる……
テーマが何なのか、分かっている様でハッキリしないと感じている人、結構いるのではないでしょうか?
もし、あなたが「テーマ」は大事ではないと、過去に結論を出したのであれば、今回その認識を改めて貰う事になります。
で、テーマって大事なのか?
そんなもの、大事に決まってるでしょう。
って事で今回は、テーマがあなたにとって簡単になる様にお話します。
テーマへのイメージ
あなたは「テーマ」に、どんなイメージを持っているだろうか?
日本語で言う「主題」なのだが、そもそも「主題」って何だろう?
順番に考えてみよう。
例えば、テーマソングがある。
主題歌って奴だ。
ゲーム、アニメ、ドラマ、映画、色々な番組等で「お決まりの曲」みたいな漠然としたイメージが無いだろうか?
オープニング&エンディング、盛り上がるシーンで流れる、そんなイメージの「テーマソング」だ。
きっと、あなたの好きなコンテンツには、好きなテーマソングがあるだろう。
『テイルズオブジアビス』のテーマソング、バンプオブチキンの『カルマ』等、好きな人が多いと思う。
私も好きだ。
有名だから、例に挙げてみた。
「歌詞が本編を表してて、神曲!」
なんて感想を、レビュー等で見る事もあると思う。
これは、正しくも、少しおかしい。
その事に、あなたは気付くだろうか?
コンテンツに対する主題歌である以上、歌詞が本編を表している事は「主題歌として、本来自然な事」である筈なのだ。
つまり「歌詞が本編を表している」所は、普通の事で、特筆して本来褒めるべきポイントでは無いはずだった。
それを、わざわざ褒めたくなるのは、そんな当たり前が出来ていない物が、世の中に溢れすぎている為だ。
この現象が発生した原因は、コンテンツに対して主題を表していない「取ってつけた名ばかりのテーマソング」が当たり前となっているからであろう。
有名歌手やバンドとのコラボレーションによって、主となるコンテンツと無関係な曲が、主題歌としてセット販売されるのは、平然と行われている。
それ自体を悪いと言う気はない。
後付けでイメージがマッチする事もある。
『ゲットワイルド』が流れると『シティーハンター』を思い出し、『そばかす』のイントロが流れれば、『るろうに剣心』を思い出す様にだ。
だが、この「テーマと言う概念の曖昧化」は、創作の場において大きな問題がある。
「テーマ」とは、本来的に「中心」であり、全てはテーマに従わなければならない。
「テーマ」とは、ある意味で「王様」の様な存在なのだ。
そういう風に考えて見ると、取ってつけた主題歌の問題も分かると思う。
物語は、テーマと言う王様を中心に作られ、当然、その主題歌はテーマに沿った、王様を表した歌であるべきなのだ。
王様を称える歌を流さなければならない時に、王様を無視した勝手な歌を流す事の異常性を想像して欲しい。
「テーマ=王様」が、よく分からない?
しかし「テーマ」は「王様」で「中心」で、だから大事だと説明しても、腑に落ち切らない人もいるだろう。
分かるようで分からない、そんな人の方が、むしろ多い筈だ。
そもそも、曖昧になっている「テーマ」と言う概念が、物語の中心にあった所で何になるのかイメージし辛い。
良くある例えで「テーマは背骨」と言う表現がある。
分かっていれば、言い得て妙だが、分からない人からすると、やっぱり分からない。
そこで、そんな人は視点を一度変えてみよう。
「テーマカラー」は、どうだろう?
チーム等で同じ色のユニフォームやグッズに身を包む、アレだ。
これは、かなり分かりやすい。
テーマが「王様」で「背骨」って言う意味も、視覚的に分かる。
「テーマカラー」が「赤」なら、その色を中心にしなければならない事は、子供でも分かるぐらいに単純だ。
この例えなら「取ってつけた様にテーマカラーを名乗ったアイテム」が「青」だった時の異常性も分かるはずだ。
だが、話を戻して物語のテーマになると、また分かりにくく感じる人が多いだろう。
物語のテーマは、色とは違って感じるからだ。
でも、テーマの概念が同じである以上、色と似た様な運用で間違いでは無い。
問題となるのは、何を「テーマ」と言う「王様」にするかである。
王を決めるのはあなただが、あなたは王ではない
あなたが物語を作る時、テーマを決めるのは、当然だが、あなたが決めなければならない。
だが、あなたは「テーマ」と言う「王様」を決める事が出来るが、あなた自身が王になる事は出来ない。
あなたは自分で決めた「王様」に、物語を作る上で絶対に従う必要があるわけだ。
では、何を「テーマ」に据えれば、物語がちゃんと統治されるのだろうか?
例えば、「赤」を「テーマ」にした所で、あなたの物語は赤く染まるだけだ。
それは「テーマカラー」を決めた事になるが、物語のテーマを決めた事にはならない。
では、物語の主題とは?
ストーリーのテーマって、何なのだろうか?
ストーリーテーマとは?
連載の最初の方で「伝えるべき価値がある物事」を認識して貰ったよね。
その後、それを登場人物の「行動」で伝える為に、デザインしようって話をした。
ストーリーテーマとは、正に、その「伝えるべき価値がある物事」に関係する物だ。
それは、ストーリーテーマとは、登場人物の一貫した行動によって、表現される物だからだ。
終わりに
まだ、良く分からない人もいるだろう。
それは、そうだ。
この記事は、テーマの途中までしか説明していない。
テーマが王様で中心で背骨でと、色々と例えて来た。
だが、ストーリーのテーマが、登場人物の行動で表されると言われても、やっぱり分かるようで分からないのが、まあ普通だ。
今回は、テーマは大事で、王様で、あなたが決めないといけない「らしい」と言う認識だけ持ってくれれば、それで良い。
“【物語の作り方】その9:テーマって決めないといけないの?” への1件の返信