シナリオの書き方「暴いて欲しい秘密の物語」の脚本構造を紹介!謎を解いたら勝つのは犯人?

「暴いて欲しい秘密の物語」とは?

ここでは「暴いて欲しい秘密」をテーマにした物語を解説します。

犯人が探偵に謎を解いて貰う事まで計算に含んだ、面白い形式の物語です。

この形式の物語は、構造カテゴリーで別の言い方をするならば「謎を解く中で、従うべき現実に抵抗する物語」となります。

目次

  1. 解説
  2. 必須要素
  3. 該当作品

解説

暴いて欲しい秘密?

まず「暴いて欲しい秘密の物語」とは、どの様な物語を指すのか?

この記事では「事件が起き、それを解決する為に謎を解かなければならなくなったが、犯人の目標が主人公に謎を解いて貰う事だった物語」として解説していきます。

主人公は、選ばれし探求者

この形式の物語の主人公は、探求者です。

謎を探求する職業、例えば刑事や探偵の時もあれば、ただ謎を解かなければいけない状況に追い込まれる事になる一般人の場合もあります。

映画「セブン」では、連続殺人事件を追う刑事でした。

ゲーム「PORTAL」では、実験の被験者が主人公となります。

多くの場合、主人公は自発的、あるいは状況的に、自分の意志で謎を追い始めます。

ですが、その実は事件を起こした犯人によって、最初から探求者として選ばれています。

つまり、どんなに偶然に思えても、主人公は犯人の仕組んだ計画の歯車の一つに過ぎないのです。

謎によって壊される日常

物語が始まって少しすると、事件が起きます。

主人公は、必ず事件に関わる事になり、事件を解決しなければならない状況に追い込まれます。

映画「シークレットウィンドウ」では、作家をしている主人公の所に、主人公の作品は盗作だと訴える謎の男が来訪します。

映画「アイアムマザー」では、主人公が住む施設に、怪我をした謎の女が助けを求めてやってきます。

映画「セブン」では、巨漢の男が奇妙な殺され方をした事件が起き、主人公が担当する事になります。

犯人からの秘密のメッセージ

主人公は事件の謎を解き、解決しようと行動を起こします。

ですが、これは犯人の思うツボです。

主人公は犯人から、事件と、そこから導き出せる推理によって、無意識にメッセージを受け取り、犯人の手の平の上で踊りながら事件の捜査や謎の探求を行っていきます。

映画「セブン」では、事件が七つの大罪になぞらえて起きている事に気付きますが、それが主人公へのメッセージだとは、この時点では誰も気付きません。

映画「アイアムマザー」では、トロッコ問題で有名な道徳問題を印象的に交えながら、主人公は謎の女の事を理解しようと努めながら、どうにか助けようとします。ですが、その状況自体が犯人からのメッセージだとは、視聴者は勿論、犯人以外の誰一人として気付く事は出来ません。

犯人に近付く為に

主人公は、謎を解く中でどうにか犯人を出し抜こうと考えます。

そこで、ルールを破ったりと言ったズルを行い、犯人よりも一時的にですが優位に立ちます。

しかし、犯人は更に上手で、ルール違反への対応策を事前に用意していたり、ルール違反自体を計画に入れているのです。

ゲーム「PORTAL」では、犯人は主人公を焼却処分しようとしますが、主人公がそれを回避してしまいます。ですが、それが犯人の計画の一部でした。

映画「セブン」では、違法捜査によって犯人に近付きますが、そんな事で止まる計画ではありませんでした。

映画「アイアムマザー」では、主人公が施設からの脱出計画を図ろうとしますが、犯人の計画はそこまで見越して立案されていました。

明かされ始める真実

主人公は、謎の一部を暴き、事件の真相に一歩近づきます。

多くの場合、犯人を特定して追い詰めますが、その狙いは分からないままです。

しかし、一見した勝利が目前に迫るかに見えます。

ゲーム「PORTAL」では、犯人を追い詰める事に成功します。

映画「アイアムマザー」では、施設からの脱出に成功し、世界の真実を知る事になります。

映画「セブン」では、犯人が警察署の入口に現れた事で逮捕する事が出来ますが、七つの大罪をモチーフにした連続殺人事件には二つ足りない状況に、嫌な予感が漂います。

暴かれる事で満たされる犯人

いよいよ物語のネタバラシ、大どんでん返しの時です。

犯人が事件を起こした理由、探偵役に主人公を選んだ理由が明かされます。

犯人の計画は、主人公が事件を暴く事を前提に組み立てられた物と言う事が分かり、主人公による真相の暴露と言う勝利の瞬間、犯人が真の勝利者となる仕掛けが判明します。

ゲーム「PORTAL」では、研究所のテストをクリアした後で発生した、アクシデントと思われた事件さえも研究所の用意したテストの一部だった事が明かされます。

つまり、事件を解決した事が、犯人にとっても被験者のテストクリアと言う勝利だった事が明かされる訳です。

映画「アイアムマザー」では、アクシデントの来訪者もテストの一部で、事件に見せかけた最終テスト、事件すべてが壮大なトロッコ問題だった事が判明します。

映画「セブン」では、主人公の妻が犯人に既に殺されていて、七つの大罪になぞらえた最後の事件の殺人者が、復讐者となる主人公自身として計画されていた事が明かされます。

どのパターンでも、主人公が勝利するには、犯人も勝利してしまう道しか残されていないという、ある意味で「既に詰んでいる状態」と言う事が判明します。

最後の選択

主人公は、犯人が仕掛けた最後のテストを受けます。

犯人と共に勝利者となるか、犯人もろとも敗北者となるかです。

ゲーム「PORTAL」では、主人公の脱出成功によって、犯人の手の平の上で踊らされていた事がエンディングで判明し、プレイヤーが何とも言えない気持ちになって、最高のエンディングを迎えます。

映画「セブン」では、主人公が犯人を殺す事で、犯人の計画が成功し、主人公の復讐が完了する事で、物語が幕を引きます。

こうして、この形式の物語は、複雑な気持ちに見る者をさせながらも、気持ちの良いどんでん返しの余韻を残したままフィナーレを迎えます。

まとめ

以上、暴いて欲しい秘密の物語とは、主人公に謎を解いて貰う事で、仕掛けた犯人が勝利を納める事が出来る形式の物語と言う事でした。

この形式の物語のポイントは、犯人と探偵が同時に勝利出来る高度な計画にあります。

謎を解いて真相に近付く程に犯人の思うつぼで、終始手の平の上で踊っている状態と言う、探偵なら遭遇したくない種類の事件によって最後に待っている大どんでん返しのカタルシスは格別です。

これは、探偵側としては「自爆テロ」や「ドッキリ」に遭遇した様な、後味の悪さを感じる事になります。

だからこそ、犯人は「ただの自爆」では無い、目的達成の為の高度な計画を用意する必要があるわけです。

主人公に感情移入して物語を楽しむ人が「これは一本取られた」と感じるような計画で無ければ、この形式の物語は機能しません。

この記事が好きな作品探しや、この形式の物語を作る時の参考になればと思います。

必須要素

ミステリー

  • 謎を追う動機がある主人公
  • 探求の為に破るルール
  • 企てる必要があった犯人
  • 謎の暴露によって変化する世界

人生の岐路を迷走

  • 問題に対して平凡非力な主人公
  • 特別な力を得て、問題に立ち向かう切欠に
  • 現実を受け入れる結末

「暴いて欲しい秘密の物語」該当作品

アイ・アム・マザーはネットフリックスで配信中です。

※地道に追加、修正予定。

※他の形式の物語も知りたい場合は、物語カテゴリーをご覧ください。

※アイキャッチはヒューマンピクトグラム2.0様より使わせて頂いています。

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