物語のテーマが機能しない5つのパターン

テーマを機能させよう

テーマが分からない、テーマが見つからない、そんな嘆きの相談を良く受ける。

だが待って欲しい。

そもそも、テーマが分からないから困っているのだろうか?

テーマが見つからないから、本当に困っていると言えるのか?

もしかしたら、テーマを使いこなせていないだけの事もある。

今回は、テーマにまつわる5つの問題を語ろうと思う。

目次

  1. そもそもテーマを分かってないパターン
  2. テーマ散らかりパターン
  3. テーマ余白パターン
  4. ストーリーテーマを掴めないパターン
  5. テーマの表現方法が分かっていないパターン
  6. 終わりに

1:そもそもテーマを分かっていないパターン

テーマ、テーマ、テーマ、と言っているが、殆んどの人がテーマの事を真面目に考えたりしないと思う。

無いよね?

このサイトでも「テーマは主題だ」とか「ストーリーとモチーフそれぞれにテーマが必要」とか解説してきたが、きっと足りていない。

まだ十分にテーマを理解出来ていない、そんな人もいると思う。

だから、何度でも言う。

色々な言い方をする。

そのどれかが少しでも理解の助けになるかもしれないから、あえて様々な表現をする。

で、だ。

テーマとは、何か?

テーマは、主題であり、中心となる要素であり、コンセプトの一部であり、伝えたい事であり、伝えるべき事である。

良く出来たテーマパークを想像すると、テーマに染まっているのが分かる。

ディズニーランドは、ディズニーと言うモチーフのテーマで表現が一貫している。

テーマカラーを想像すれば、より分かり易いかもしれない。

スポーツチームのテーマカラーが赤なら、チームのユニフォームには赤が使われていなければおかしい。

つまり、一度テーマに定めた要素は、途中で変えられないし、従わなければならない。

もう一度言う。

テーマは、基本的に途中で変えられないし、従わなければならない物だ。

例えば、ディズニーランドの新アトラクションのモチーフが「悪魔のいけにえ」には、常識的な感覚があるのなら、しないし、出来ない。

それは、ディズニーランドのテーマが、ディズニー作品、最近ではディズニー傘下の作品に限られているからである。

同じ様に、レゴランド内にレゴ要素不使用のアトラクションは間違っても設置されないだろう。

レゴランドのテーマが、レゴに限られているからだ。

仮に、レゴランド内にポケモンコラボのコーナーが出来たとしても、レゴでポケモンを作るのは想像出来る筈だ。

挙げた例は、どれも当り前に思えるだろう。

だが、待って欲しい。

これが物語になると、急に出来ない人が現れる。

そこだ。

そこが、問題なのだ。

テーマへの理解が「悪い意味で適当」な人は、物語を作っているとテーマに従わなければならない「ルール」をすっかり忘れてしまう。

すると、ミステリーが途中からバトルになったり、スポーツが途中から恋愛になったりする事がある。

テコ入れの為に路線変更するのは、リスキーだが構わない。

問題なのは、制御出来ていない為に、テーマの外へと物語の舵を切ってしまう事だ。

  • テーマは途中で変えられない
  • テーマは従わなければならない

これを、まずは肝に銘じておこう。

2:テーマ散らかりパターン

テーマは、出来るだけ絞らなければならない。

小さくまとまっていれば、まとまっているほど分かり易く、良いテーマだ。

テーマの中に複雑さがある分には、困らないがテーマはいつも単純であるべきだ。

ディズニーは作品が多様な為、テーマは単純だが表現に多様性がある。

テーマカラーも色の指定で無く、蝶の羽、花、宝石、と言ったモチーフによる指定を行えば、テーマは単純だが様々な色を使える。

  • テーマは絞らなければならない

これらを理解しているだけで、事故は大幅に減る。

複数の要素を使いたいなら、複数をまとめる上位概念を探せば良い。

宝石だけでなく金属も使いたいと考えたなら、鉱物をテーマにすればよく、蝶以外にバッタを使いたいのなら昆虫に、蜘蛛やサソリを使いたいなら虫に、と上位の最適な概念を探せば良い。

3:テーマ余白パターン

これも、かなり多い。

テーマを絞って決めた。

従う気もあれば、テーマの外に行く気も無いし、変えようとも思っていない。

なのに、テーマを上手に表現出来ない。

それは、テーマの使い方に問題がある。

そこで気にしたいのが、まずは余白だ。

物語のテーマの割合として、ストーリーのテーマにも、モチーフのテーマにも「余白」がどれぐらいあると思っているだろうか?

もし、かなりの余白を残しているのなら、怖がらないで余白をテーマで埋めて欲しい。

例えば、ディズニーランドのゴミ箱や街灯がディズニーランドのテーマにそぐわず、雰囲気を壊していたら?

良い物語も同じで、余白を取らずにテーマで埋め尽くすつもりで取り組まなければならない。

艦娘を集めて戦わせるゲーム「艦これ」のプレイヤーの肩書が「提督」なのは、テーマに沿って余白無く設定したからだし、「刀剣乱舞」のプレイヤーが審神者と言う設定なのも、余白を生まない為の設定ゆえだ。

小さくとも大事な所での余白は、物語の良さを損なってしまう。

一見すると余白は自由に出来る部分であり、創作者としては良い事に思えるかもしれない。

だが、テーマに関していえば、それは違う。

きっと本当に欲しがっているのは「可能性」や「遊び」の部分であり、それらもテーマに沿わないとならない。

つまり、物語の中には、出来るだけテーマを詰め込むべきなのだ。

物語は、最初から最後までテーマで染め上げる必要がある事を理解しよう。

4:ストーリーテーマを掴めないパターン

これは、とんでもなく多く見る失敗だ。

ストーリーテーマとは、物語の構造に関わる物を決めるテーマだ。

ストーリーテーマを決める際は、「主人公の行動」に着目すると良い。

敵と戦う、冒険する、推理する、恋愛する、企む、旅をする、色々出てくるだろう。

主人公の行動に着目すれば、ストーリーテーマに必要な要素は掴める。

だが、これだけでは不十分だ。

魅力的な物語を作りたいなら、行動に対して葛藤が必要になる。

行動に対しての、葛藤だ。

「戦う」なら「戦えない」「戦いたくない」だ。

だがしかし「戦わなければならない」と言う設定がいる。

でないと「戦わない」で終わってしまう。

つまり、行動に対しての葛藤と共に、葛藤しても行動せざるを得ない動機も必要になるのだ。

例えば「戦える」が「人を傷つける事を愛する人に禁じられたため戦いたくない」が「目の前に困っている人がいるから戦うしかない」となれば、行動・葛藤・動機のセットによって、主人公の物語の中での行動が具体的になる。

このサイトでは何度か取り上げているが、

漫画「ダンジョン飯」では「ダンジョンに潜って置いてきた仲間を助けたい」が「今行くならモンスターを食べるしかないので行きがたい」が「仲間を助ける為には行くしかない」と言う風に、行動・葛藤・動機がそろっているのが分かる。

そして、この「葛藤しながらも、動機を持って、行動する」と言うのが、ストーリーテーマに繋がっていく。

上述のダンジョン飯なら「仲間を助ける為なら、何をしても良いのか?」みたいな感じだ。

手っ取り早くストーリーテーマを掴むなら

  • 行動
  • 葛藤
  • 動機

のセットを見つけよう。

ここの最後に良くある失敗が、セットがバラバラなパターンだ。

セットで各要素が影響を与え合っている事に意味がある事ので、バラバラにあっても意味が無い。

セットで考えるのだ。

それで物語の重要な要素が浮かび上がってくる。

5:テーマの表現方法が分かっていないパターン

テーマの原則は、なんとなく分かった。

モチーフのテーマは、好きに決めれば良い。

これに関しては、みんな結構得意だろう。

ストーリーのテーマは、上の方法できっと掴めた筈だ。

物語の中を余白無くテーマで埋め尽くす覚悟も出来た。

さあ、書こう。

ここで筆が止まる。

そんな、テーマを理解出来た気がしたが、まだテーマを使えるようになったわけじゃない人もいると思う。

だが、テーマを使うのは、コツを分かっていればそんなに難しくない。

ストーリーとモチーフのテーマに沿って、主人公の行動を絡めて表現するそれだけだ。

まあ、細かく言えば、もう少しあるが。

例えば、

上で例に出した漫画「ダンジョン飯」では、

  • 「ダンジョンに潜って置いてきた仲間を助けたい」が
  • 「今行くならモンスターを食べるしかないので行きがたい」が
  • 「仲間を助ける為には行くしかない」

と言う行動・葛藤・動機のセットから

  • 「仲間を助ける為なら、何をしても良いのか?」

と言うテーマを主人公達の行動で、様々な表現をする事で物語が進行する。

主人公達の行動は、一貫して「仲間を助ける為のダンジョン攻略」だ。

そこに必ず葛藤となる「モンスターを食べる」パートがグルメ要素として挟まり、毎回登場人物の誰かがそれを嫌がりながらも美味そうに食べる。

最初は「モンスターを食べる事」自体に『そんなことをしても良いのか?』と言うシチュエーションに乗せて、主人公達の行動が繰り広げられる。

モンスターを食べたら今度は「どんなモンスターまで食べて良いのか」「食べる為ならどこまでしていいのか」と話数を重ねる毎に一つの大きなテーマに対して様々な見方からの疑問をぶつけ、その答えを探し、示す。

いつもモンスターを食べているが、その根元には常に「仲間を助ける為に、こんなことをしても良いのか?」と言うメインのテーマがある。

その為、読者はテーマに沿った様々な疑問と答えを見ながら、仲間の大切さを感じる事が出来る。

この、テーマが掲げる質問、専門用語で「セントラルクエスチョン」と呼ばれる物を具体化する為の、細かな質問を順番に表現するのが、物語のテーマ表現の基本である。

つまり、ストーリーのテーマの根本が掴めたなら、テーマを具体化する細かな質問を枝を伸ばして沢山用意して、それに答えなければならない状況を作る必要がある。

もちろん、ストーリーのテーマを表現する際は、モチーフのテーマもフル活用しなければならない。

モチーフのテーマも、メインのテーマから具体化する細かなモチーフを選ぶ必要がある。

ダンジョン飯なら、モンスターが上位概念のモチーフなら、下位概念にはドラゴンやオークと言ったモンスターの種類が来る。

また、仲間を助ける為にする事も、下位概念にモンスターを食べる以外に、モンスターを相棒にする、黒魔術に手を染める等があり、仲間を助ける代償に種類があることが分かる。

ストーリーとモチーフ、両方のテーマを組み合わせ、様々な形で一つのテーマについて表現するのだ。

これが、テーマの使い方である。

終わりに

テーマの基本は分かった筈だ。

後は、テーマの扱いが上手い作品を参考にするでも、自分なりに試行錯誤して見るでも良い。

まずは、テーマを扱う事に慣れる必要がある。

ちなみに、今回触れなかった「テーマを気にしない問題」もあるが、それはこの記事を読んで直す気になれば直るし、その気が無ければどうしようもない最も大きな問題である。

物語のテーマと言う一見すると曖昧な要素だが、テーマは重要な柱なので大事にして欲しい。

この記事がクリエイターの役に立てば幸いである。

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