【単純明快】伏線と伏線回収のルールと使い方

伏線と伏線回収

面白く魅力的な物語に付き物と言えば?

華麗な伏線回収や大どんでん返し!

物語の華ですよね。

その為には、伏線を張って、それを回収しなければなりません。

今回は「伏線」と「伏線回収」について解説します。

目次

  1. 基本
  2. ルール
  3. 放置
  4. 二次利用による伏線化
  5. 終わりに

1.伏線と伏線回収の基本

伏線とは、

  • 物語の中で後の展開に登場する物を、前もって密かに忍ばせておく事

を指します。

伏線とセットになる物で、伏線回収とは、

  • 前もって劇中に忍ばせておいた伏線を、想起させた上で意味を悟らせる事

を指します。

例えば、

海外ドラマ「ブレイキングバッド」で、主人公のウォルターは「何度も咳き込む」姿を冒頭のシーンで見せます。

その後、倒れて病院に運び込まれ、「癌に侵されている」事を医者に聞かされてしまいます。

これで分かるのは、体調が悪い描写を伏線として、癌である事が明らかにされ、伏線回収している点です。

非常にシンプルかつ、伏線回収が速いので「前振り」や「お膳立て」等とも呼ばれますが、これが伏線と伏線回収の基本的な考え方となります。

2.伏線と伏線回収のルール

伏線には、ルールがあります。

まず、

  • 伏線だと、見ている人に意識させる事

これは、簡単でしょう。

意味ありげに描写したり、謎を提示して解決せずに置いておくと言った事で表現出来ます。

むしろ、伏線と気付かれてしまい、困っている人の方がいるかもしれません。

そこで次に、

  • 謎でないなら、伏線だと見ている人に気付かれない事

これが、コツを分かっていないと難しいわけです。

分かっていても、物語の仕組みを掴んでいる人には読まれてしまう事も多いです。

そこで使われるコツ、と言うか技法があります。

それが、

  • 謎でないなら、伏線に別の意味を与える

と言う物です。

伏線の登場時点で、すぐに登場理由を与えてしまうのです。

つまり、出てきた時点で、すぐ伏線を別の用途で利用してしまう事で、伏線だと気付かせにくくなる効果があるのです。

ですが、それだけでは伏線を張った場所が読まれてしまう事があり、伏線が伏線だとバレていると、伏線回収時の予想をされてしまいます。

そこで、合わせて使われるのが、

  • 伏線回収の際、張った伏線に予想外の意味を持たせる

と言う技法となります。

例えば、アニメ映画「君の名は」では、キーアイテム『口噛み酒』が登場する時点で、ヒロインが田舎の町から出たい理由の一つと言う意味が与えられます。

伏線回収時には、主人公がヒロインと再会する為の装置としての、別の意味が与えられます。

仮に伏線を読めたとしても、伏線回収を読む事は不可能に近いと言う状態にする事で、物語の面白さは損なわれる事がありません。

これは、張られた伏線が謎の場合でも共通です。

予想外の真実、予想外の伏線回収、予想外だからこそ物語は面白くなります。

つまり、伏線を意識させつつ、それが謎でないなら伏線と気付かれない様に別の意味を与え、更に予想外の伏線回収を行う事で、これ等は綺麗に機能する事になるわけです。

これらルールのどれかが欠けても、伏線と伏線回収は不完全な物となってしまいます。

伏線を意識させられないと、伏線回収時に感動は起きません。

回収では無く、初登場に思えてしまうからです。

逆に伏線があからさまな伏線過ぎると、伏線回収前に先を読まれてしまい「きっと~だろう」となってしまいます。

そして、伏線回収が予想通りだと、「やっぱり」となって感動せずに終わってしまいます。

3.伏線放置について

伏線放置とは、

  • 明らかに意味ありげに描写された要素が、特に意味が無かった事

への失望を指します。

つまり、クリエイターが伏線と考えていなくとも、伏線だと認識させてしまう描写や、謎の提示を行ってしまったら、それは回収しないと期待した分だけ期待外れとなるわけです。

これは、少なければ少ないほど、計算され調和の取れた物語だと見て貰えます。

謎は提示したら明かさなければなりませんが、別の意味を与えられた伏線は、放置をしたとしても意味が既にある為に伏線放置とは思われません。

なので、結末から物語を作らない積み上げ方式で物語を作る際は、出来るだけ別の意味を与えた伏線を張る事で、伏線放置を大幅に回避出来ます。

4.二次利用による伏線化

謎は前もって提示しなければ解明できません。

ですが、劇中に出した要素は、後付けで伏線化する事が出来ます。

つまり、既に意味があった登場要素に、別の意味を与えてやれば良いわけです。

長い連載作品であれば、これは非常に有効な手段となります。

意味を与える事で伏線だったとして利用できる要素が、過去のストックがあるほど多くなるからです。

漫画「ドラゴンボール」では、恐らくになりますが、レッドリボン軍の人造人間八号を伏線化する事で人造人間のシリーズとセルが後に登場しています。

連載当時に伏線としていなくとも、発想次第で何でも伏線化する事が出来るのです。

5.終わりに

伏線と伏線回収は、ストーリーテリングにおいて超重要なテクニックです。

面白い物語には、必ずと言って良いほど綺麗な伏線の設置と回収が何度となく仕込まれています。

伏線の設置によって、物語には納得性がプラスされ、回収の瞬間に意味が変化する事で心地良い驚きが生まれます。

伏線と伏線回収が上手に出来ないと、先が見え見えになったり、構成がゴチャゴチャとした物語となってしまいます。

この記事が、伏線と伏線回収のルールを認識し、面白く魅力的な物語を作る一助になれば幸いです。

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