物語を132種類に分類
私は、物語の具体的分類を行った一覧表を、ここ数年間だがライフワークの様に延々と作り続けている。
今回は、その事について説明と経過報告をしたい。
物語の種類一覧
132種類と言う個数が現状とは言え判明しているのは「12×12-12」と言う式を拙いながらも導き出したからだ。
この研究の源流は、ブレイク・スナイダー先生のセーブ・ザ・キャットにある「物語は10種類に分類出来る」と言う理論から着想を得ている。
なぜ10では無くなったのかと言うと、ブレイク・スナイダー理論は正解な様でいて、所々「曖昧」な部分があったからだ。
ある章ではAカテゴリーに入る物語が、ある章ではBカテゴリーに入る事がある。
どちらも正しいのだが、説明が酷く曖昧と言う状態。
私は、これが気持ち悪かった。
そこで、理論の発展、いや、研究の再検証をする必要性を感じたのだった。
二分割を繰り返す
私は、ブレイク・スナイダー理論をいったん忘れ、あらゆる物語の二分割によるカテゴライズと言う基本に戻る事にした。
- 主人公が平凡が特別か
- 自己犠牲的物語か自己実現的物語か
の様な構造的分類と
- 主人公は子供か大人か
- 主人公は男か女か
みたいな表現的分類が入り混じり、分類の分類が完了するまでは、正に混沌とした状態だった。
だが、次第にブレイク・スナイダー方式が構造的分類に注目するべきと言う事に気付き、そこから12分類と言う極めてブレイク・スナイダー方式に近い所まで物語分類を成功させる事が出来た。
これは、膨大なパターンから物語のカテゴリーを見出した経験的分類と、2分割したパターンの選択によって網羅的にカテゴリーを定義した論理的分類が別の道から合流した瞬間でもあった。
掛け合わせる
私は、この別の道から分類に触れる事によって「選んだ要素の選択」と言う視点に気付き、物語の基本が「12カテゴリーと被らない別の11カテゴリーの掛け合わせ」によって出来ている所に発想が繋がっていく。
この時、132種類で分類すると言う研究プロジェクトがスタートしたと言う訳だ。
だが、このプロジェクトには問題があった。
見た事の無い種類の物語の壁
例えば「変わり者×特別な力」と言う具体的な物語の種類は、既に作られた物語が存在しているほど、想像しやすく、探しやすい。
「入れ替わり喜劇」か「呪いによる変身」と言う種類の物語になるのがすぐに分かったのは、既存の物語が大量に存在していた為だ。
そうでなければ「変わり者」と「特別な力」が「入れ替わり喜劇」とか「呪いによる変身」の物語になるなんて、すぐには判明しない。
つまり、このプロジェクトは具体的分類は出来たが、何が当てはまるのか判別する事が困難と言う、「分かっているのに使えない理論」と言う状態に陥った訳だ。
そこで、私は次のプロジェクトに動き始めた。
カテゴリーから想像出来る物語
カテゴリーを132種類に分類出来て、それは理論的には抜け漏れが無く、ある程度正しい筈だ。
132種類は、それぞれ共通要素と共にオンリーワンに近い要素も持っている。
カテゴリー毎の必須要素は判明しているので「必須要素が全て肯定される状態」を導き出せる「式」が生み出せれば、カテゴリー表から物語の具体的な姿を逆算出来る「筈」なのだ。
そこで、今現在は、132種類の分類を進めると共に、物語を判別出来る「式」の開発をしている。
終わりに
そんな事が可能なのか、と聞かれる事が良くある。
結論としては、可能な筈だ。
物語に「パラダイム」があり、納得性等の「ロジカルさ」が必須要素である以上、物語の構造に関しては論理的に解明出来る物である事に疑いはない。
少なくとも、エンターテインメントと言われる人の心を動かす物語に関しては、間違いなく論理的に網羅した表を作成できる。
このサイトでは、製作途中の「表」は公開されているが、「式」か、あるいは「答えの一覧」に類する様な研究結果もその内報告したいと考えている。
そんなわけで、計画の進捗報告としては、いささか雑ですが、こんな感じです。