はじめてマトリクスを使う人が知っておきたい基本的なルール

マトリクスって知ってる?

マトリクス。

映画「マトリックス」ではなく、統計図法の方です。

 

●表1

  A B
   
   

こんな奴です。

 

エクセル等の表計算ソフトを使った事があるなら、確実に触れた事がある物ですね。

 

これは表計算ツールとして有名ですが、行と列を利用した思考法としても機能します。

私は要素の整理をする際、高確率でマトリクスを利用しています。

 

このマトリクス、非常に便利なツールなのですが、実は結構間違った使い方をしている人がいます。

見よう見まねで使用を始める場合に、なんとなくで使っていると間違いがちな点を含め、基本から分かる様に説明したいと思います。

マトリクスの基本の基本

まず、マトリクスは、シンプルです。

二次元の座標で、大抵の物を表せます。

 

基本は、上記で例に出した表1の様にエクセル等では、なっています。

 

この横軸の行「A、B」縦軸の列「1、2」とは、要するに座標です。

行と列で座標を表し、だから「行列」で管理が出来ます。

 

●表2

  A B
A1 B1
A2 B2

と言った感じです。

この単純な基本ルールに沿って、表は機能します。

縦軸と横軸、その両方に当てはまる物以外、該当の欄に入る余地はありません。

 

表2で言えば、「A1」が入っている所に、当たり前ですが「A1」以外が入る事はありません。

 

このマトリクスを物事の整理に利用した有名な例が、自己啓発本「七つの習慣」等で紹介されている「物事の重みづけ」を整理するマトリクスです。

 

これは、数字等の「値」ではなく「要素」や「概念」を行・列に入れる事で、行と列に該当する、入る余地がある物を整理する手助けをしてくれます。

 

●表3

  緊急 緊急でない
重要 第一領域「」 第二領域「」
重要でない 第三領域「」 第四領域「」

 

この整理法を使えば、行と列、二次元の座標によって物事を重要度と緊急度と言う尺度から優先順位をつけ、タスク管理等に利用出来ます。

別の行・列の意味や値に変換する事で、マトリクスは様々な整理に役立ちます。

この「2×2マトリクス」の基本は『要素を半分に区切る』事です。

 

上記表3の例なら「重要」と「重要でない」で、大半の物事は半分に区切れます。

「緊急」と「緊急でない」も同じ事で、半分に区切れます。

 

この半分に区切る「二分割線を何にするか」を決める事で、網羅的に、あらゆる分類が可能となります。

他に例えば、

 

●表4

 
大人 成人男性「」 成人女性「」
子供 未成年男性「」 未成年女性「」

と言った表なら、男女と年齢層の整理が出来ます。

これによって、例えば、店なら該当する客の数を記入すれば、客層の把握に役立ちます。

 

マトリクスを使うのがはじめての人でも失敗しない基本的なルール

「2×2マトリクス」が網羅的に考える上で役立つのは「A、B」「1、2」で全てをカバーできる為でした。

上記例の表では、ジェンダーな問題を抜きにすれば、男女と大人子供の分け方によって漏れなく人類を整理出来た訳です。

 

ですが、お気付きの様に「2×2」以外の構成も出来ますし、網羅しない使い方も可能です。

 

●表5

  レズビアン ゲイ バイ トランスジェンダー
10代            
20代            
30代            
40代            
50代            
60代            

上記表5みたいな詳細な表を作成すれば、それぞれの分布を視覚化する事が出来ます。

表5の場合は、性別を2分割以上に細かく構成し、10代より下と60代より上を網羅していません。

 

ですが、必要なデータを視覚化できるなら、管理は煩雑になり面倒ですが、この様な構成も有効と言う訳です。

 

例えば、上記表5の場合、LGBT向け映画や店等の客数の分布を計る事が出来れば、どの層に興味を持たれたのかが分かります。

 

何のデータが欲しいかによって、入れるべき要素は変化する訳です。

 

二分割を重ねる

マトリクスは、条件を重ねる事でデータを、より具体化する事が出来ます。

 

●表6

 
  高評価 低評価 高評価 低評価
大人 高評価成人男性 低評価成人男性 高評価成人女性 低評価成人女性
子供 高評価未成年男性 低評価未成年男性 高評価未成年女性 低評価未成年女性

上記表6は、1行目と2行目の条件を重ねる事で、より具体的なデータを視覚化出来る例です。

 

表6の場合、例えば映画の評価を視覚化出来ます。

表4より詳細で、表5より具体的です。

仮に、表5で同じ二分割を重ねれば、更に詳細で具体的なデータを得る事が出来ます。

 

当然、行だけでなく、列の方も条件を重ねる事が出来ます。

 

しかし、いくら具体的なデータを視覚化出来るとしても「重ね過ぎ」は表を複雑化してしまい、汎用性が著しく下がってしまう事になります。

 

あくまでも『必要なデータ』の視覚化に『必要最小限の網羅的分割』をする事が最適解な訳です。

 

覚えて欲しいルール

  • 行と列に入れる「値」や「要素」の条件に必ず従う(ロジカルシンキング)
  • まずは、必要最小限で重複の無い「網羅的」な表を目指す(抜け漏れ無し)
  • 必要なら追加で条件を重ねても良いが「重ね過ぎ」に注意する(混乱注意)
  • 表から「何のデータ」を得られ「何に利用できるか」を考えて使う(目的意識)

ここら辺を押さえておけば、マトリクスは物事を整理する上で実用的な大活躍をするツールとなり、エクセルは表計算ソフト以上の価値を持つ筈です。

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