物語の基本は「場違い」な状況を作る事と言う話

「場違い」だからこそ面白い事が起きる

「場違い」とは、その場に相応しくない事を指す。

日常の中では、恐らく場違いを嫌う人も多いだろう。

だが、面白い物語では、必ず何かが場違いな状態に置かれている。

それは、なぜか?

今回は「場違い」と言う物を説明したい。

「場違い」とは?

「場違い」とは、何かが「変」な状態だ。

変とは、それだけで注目を集め、人々の興味をそそる。

場に相応しい物と言うのは、言ってしまえば「普通」である。

「普通」は、特徴が無く、注目を集める事も興味をそそる事も無い。

良い物語には、どこか「変」な、要するに「特徴」が必要であり、その状態を作り出すと、自然と「場違い」な状態が起こると言うわけである。

 

場違いの種類

場違いな状態を作るには、何通りもの手法が存在する。

ここでは、その中でも分かり易く、使いやすい物を紹介する。

基本的な考え方は、「場所」と言う環境の中に、「変」と言う異物を置く事で構成される。

つまり、場所と何かがミスマッチを引き起こす事で、場違い状態になる

 

人と場所のミスマッチ

これが最もスタンダードだろう。

住む世界が違う人間が、別の世界にやってくる事で「場違い」を引き起こす形式である。

なろう系でお馴染みの「異世界物」は、現代人が異世界に行く事で「場違い」を引き起こす。

異世界人が現代世界に来る事で場違いを引き起こす事もある。

ここで言う異世界は、別の世界であればファンタジー世界やSF世界の様な極端な世界でなくとも問題無い。

例えば、

映画「デンジャラスビューティー」は、オシャレに興味の無い仕事人間のFBI捜査官が、ミスコンに潜入捜査する破目に遭う物語だ。

映画「キューティーブロンド」は、オシャレにしか興味の無い高校生が、彼氏を追いかけてハーバード大学のロースクールに通って弁護士を目指す物語である。

これらから分かるのは、正反対の性質を持っていたり、知らない別の場所に行く事で、どんなキャラクターであっても場違いになると言う事だ。

変わり者、変人、異邦人、旅人、人と場所のミスマッチは、分かり易く、強力だ。

 

行動と場所のミスマッチ

人の次は、行動のミスマッチだ。

人が場所にマッチしていても、その行動がマッチしているとは限らない。

例えば、スーパーヒーローは、その環境の中で飛びぬけて強かったり能力を持っている事で異物となり、ミスマッチを引き起こす。

映画「スパイダーマン」では、ピーターは住む町も基本の生活も今まで通りだが、スパイダーマンの能力を授かり人助けをする事で行動が環境の中で異物となっている。

アニメ「デスノート」では、名前を書くと人を殺せるノートを手に入れた主人公が、ノートで大量殺人を働いてしまう。

他の人に出来ない事が出来ると言うのは、それだけで場違いになる

他に例えば、多くのタイムスリップ物は、既に起きた事をやり直すチャンスを得る事で、人と場所はマッチしているのに、行動と場所にミスマッチを引き起こす。

アニメ「シュタインズゲート」では、タイムリープマシンによって過去に干渉できる様になった主人公が、未来で起きる悲劇を回避する為に奔走する。

どちらも、行動が変化する要素が物語に登場する事で、行動が場所とのミスマッチを引き起こすから面白くなる。

 

人と人のミスマッチ

人それぞれに住む世界があり、常識が存在する。

通常は住む世界が違うので交わらないが、隣接する真反対の世界の住人と関わらなければならない様な事が起きると、面白い事が起きる。

例えば、

映画「羊たちの沈黙」では、天才犯罪者レクター博士と、FBI捜査官クラリスが一つの事件を追う事で事実上のコンビとして活躍する。

映画「ズートピア」では、詐欺師のニックと新人警官ジュディが一つの事件を共に追う事になる。

この形式、実は、行動と場所のミスマッチと近い。

別世界の人と関わる事によって、キャラクターの行動が場違いになる

アニメ「エマ」では、エマとエドワードが出会う事で、二人の行動が場違いな物となる。

これは、全ての相棒・恋愛物に当てはまる普遍的な形式と言える。

運命の相手と出会う事で、主人公が場違いな行動を取り始めるから、物語は面白くなると言うわけだ。

 

終わりに

紹介した手法は、基本の中の基本に過ぎない。

どこを「変」にするかによって、新しい場違いは幾らでも生み出す事が出来るので、色々とチャレンジしてみても面白い。

 

ただし、ここで大事なのは「場違い」が物語の中に存在していて、それが誰にでも分かる状態である事の方だ。

そして「場違い」が必須要素だと言う認識を、クリエイターが持っている事、それ自体である。

 

この「場違い」と言う視点が欠けていると、平凡な物語になってしまう。

日常を描くにしても、魅力的な物語であるなら、その中には必ず「場違い」が存在する。

物語の中の「場違い」の度合いが弱い作品は、それだけ刺激や魅力が弱い作品である可能性が高いので、注意しよう。

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