物語のお約束パターン特集

お約束には意味がある

テンプレ、定型、お約束、ワンパターン。

その形になったのには、それなりの意味がある。

この記事では、お約束を集め、その意味を解説していく。

冒頭のお約束

学校に遅刻しそうでパンを咥えて慌てて走っていると、曲がり角で転校生にぶつかる

冒頭に挿入されるシーンのお約束。

実際に真面目にやっている作品は、今では流石に無いと思う。

このシーンの重要性は、短いシーンの中に主人公の説明と重要な出会いを凝縮している点にある。

学校に通っている学生であり、遅刻をする抜けた性格があり、パンを咥えているガサツさがあり、慌てて走っていて人にぶつかる不注意さがあり、ぶつかった結果すぐに非を認めて謝る素直さと善人である事も伝えられる。

そして、転校生と言う新しい出会いの切欠と言うイベントであると同時に、転校生の反応によって新キャラクターの描写も主人公と共に表現出来る。

主人公の「立場」「性格」「行動」「新しい出会い」と言った要素は、どれも物語に必要な描写であり、この「転校生との衝突イベント」は、それらを凝縮したパターンとして、一つの好例なのだ。

多くの作品は「転校生との衝突イベント」に圧縮された要素を、丁寧に分解し、個別に描写していると言う見方も出来る。

「あなたなんて生まなければよかった」

言ったら最低認定必至。

ダメ親が、我が子に言うセリフのお約束の一つである。

ある種のキャッチーさ故に、実際に言われた事のある人も、かなりいると思われる、かなり危険なセリフだ。

親の望んだ理想とかけ離れた時、親が子供を傷つける時に使うのが主だが、物語の中で出てくる際は、後に子供が悪事を働く際の免罪符の一部の様な役割を果たしてしまう。

「そんな毒親に育てられた不遇な境遇から抜け出せないまま、良い出会いも無く現代に至ってしまったのなら悪人になっても仕方がない」的な描写だ。

一方で、親の都合で邪魔な我が子に吐きかけられるだけの場合、子供はひたすらに被害者となる為、物語においては救済対象となる。

例えば、毒親が恋人との交際に子供を邪魔に思って吐きかける場合は、子供を親が捨てた様な認定が劇中でみなされ、子供は別の誰かに救われる展開が待っている。

現実で使ったら人間失格なセリフ上位だが、鬱屈とした展開が用意されている物語ではしばしば聞く。

事件が起きる前のお約束

「戦争が終わったら故郷で恋人と結婚するんだ」

戦争描写のある物語のお約束。

言うと、高確率で直後の戦場で戦死する。

なぜ戦死するのかと言えば、物語として感情の起伏を発生させる為、次の場面で落とす(死なせる)前に上げた(幸せにした)方が効果的になるから。

つまり、物語の流れとしては、死や悲惨な運命が先にあり、それを効果的に見せる為に幸せな印象のあるシーンを入れていると言える。

なので、戦場で幸せの演出が出来るなら、結婚じゃなくても良いし、そもそも戦場で幸せなシーンが流れる事自体が、ストーリーテリングにおいては死亡フラフと言って良い。

「子供が生まれた」「告白する決意が出来た」等々の戦場での幸せは、物語的に見ればどれも次に描く不幸を効果的に見せる前振りである。

立ち直る切欠のお約束

「何かあったら空を見て。星になって見守るから」

死の前に残された人に対して残すセリフのお約束。

死の際に大事な人を残す事になるであろう、大半の人が言うべきと思えるぐらいに、奇跡を起こしたり、残された人に勇気を与えるテンプレ。

定番かつ鉄板の泣ける展開に繋がるセリフ。

星以外でも「何になって見守るか」でバリエーションが出来るのも特徴。

星が古来より基本で、そもそもが大昔に神話に由来するのと、星は「夜空を見上げれば見える物=いつも見守っている」と言う意味合いがある。

星以外に、特定の動物や物のパターンもある。

夢枕に故人が出てきて、起きたら手に所縁のある物を握りしめている等のバリエーションもある。

クライマックスのお約束

「ここは俺が引き受ける。先に行け」

敵の追手や大群を引き付けて味方を逃がしたり、先に行かせる美味しいシチュエーションのお約束。

それまで憎まれ口を叩いていたりするキャラクターが、ここぞと言う時にやると、より効果的。

仲間達との心の距離が自己犠牲を払っても構わないと言う近さになった上で、実際の行動で示す場面なので、絆の実感と、二度と会えないかもしれないと言う悲壮感で二倍美味しい。

「少しだけ本気を見せてやる」

超強い敵に対して苦労して一矢報いた、直後に聞かされる絶望的なセリフ。

フリーザ様の「3段変身」戸愚呂弟の「%」みたいな数字や段階で表すパターンもある。

「よくここまで頑張った」

味方のピンチの際に、先輩や師匠キャラクターがギリギリで来るシチュエーションのお約束。

激熱な上、助けられる際の安心感が半端じゃない。

ドラゴンボール、僕のヒーローアカデミア、鬼滅の刃、等のバトル漫画ではお馴染み。

主人公交代をした前作主人公の初再登場シーンとかでも、更に盛り上がる。

「世界か、一人の命か、選べ」

世界を救うには、一番大事な人を犠牲にする必要があると言うパターン。

究極の選択のバリエーションで、世界系に多い。

天気の子とか。

「俺ごとやれ!」

敵の動きを封じたりして、味方ごと敵を倒すパターン。

動きを封じる味方からの攻撃了承後に悩んだ末にどうするか決める事になる。

そのまま攻撃する、攻撃できずに敵から反撃を食らう、等々の結末がある。

「こいつを殺せば、こいつと同じになってしまう」

復讐物だけでなく、バトル物のクライマックスラスト、主人公が敵にとどめを刺すか刺さないかのシーンで聞かれるセリフのお約束。

悪に報いを受けさせることに対して、どうする事が正解なのかと言う、作品の持つ答えが現れる。

スタンダードなのは「殺すと同じになる→見逃した敵が攻撃を試みる→殺すしかなくなる」と言う、ドラゴンボールのフリーザ様パターンに近い物。

敵が改心のチャンスを払いのけてくれれば、気持ち良く殺すことが出来るって事でもある。

バリエーションで、しっかり自分の意志で殺すダークヒーローパターンと、見逃した敵が後々改心するパターンなどがあり、そのバリエーションは膨大。

「もし、違う出会い方をしていたら、もしかしら親友に」

立場上の敵とのバトルで見られるシチュエーション。

立場のせいで敵対していたが、お互い人間性は認めている場合に切ない別れになったりする。

片思いパターンの場合もある。

「守ってくれた」

捨て身や相打ちを狙った戦法の末、主人公だけが生還するシーン等で見られる。

普段の行いの賜物系。

例えば、ラピュタの樹の根が守ってくれた等。

悪役は悪運でしぶとく生き残るが、世界や運命には厳しく扱われる。

決闘で撃たれたがロケットが弾を止めていたり。

番外

バナナの皮で滑り転ぶ

お約束

バナナの皮が地面に落ちてたら、滑らなくてはならない。

銃が出てきたら誰かが撃たなければならないのと同じ。

古くはコント、最近ではマリオカートのイメージだろうか。

タライが落ちてくる

舞台コントから入って来たお約束。

物理的に落ちてくる事もあるが、一種の衝撃を受ける心象風景でもある。

タライ以外にも、ハンマー等、程よく固く重い物がお約束。

※この記事は、追加・編集を随時行っていきます。

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