良い物語は「例え話」が出来ると言う話。「それ、どんな話」に答えれば良し悪しが分かる?

「それ、どんな話?」テストをしよう

物語とは、基本的に「例え話」である。

全くの架空や誰かを基にした人物を通して、フィクションによってテーマを表現する。

「例」を示す作り物によって「伝えたい」真実を表現すると言う事は、それ自体が「例え話」である側面があるのだ。

つまり「例え話」が出来ない、あるいはし難い、そんな物語は、何らかの問題を抱えている場合が多い。

今回は、問題のある状態に陥らない為の方法を説明する。

部分的な真似を恐れるな

まず、最初に認識すべきは、真似を恐れたら創作は出来ないと言う事だ。

完全な真似は、当然だが贋作やコピーの類となり、それをオリジナルと謳って発表するのは、詐欺だ。

だが、真似を完全排除する事は、創作では『絶対に不可能』である。

ここで言う真似とは、既存の作品だけでなく「現実にあった出来事や自然」も含む真似だ。

部分的な真似無くして創作は不可能ならば、つまり、部分的な真似をしている状態は『健全な創作』と言う認識を第一に持つべきと言う事になる。

すると「例え話」がようやく可能になるわけだ。

例えるなら「○○」が「△△」する話

「例え話」の基本は「○○」が「△△」する話と言う形だ。

つまり、ベースとなる「類似物」と、そこに加わる「新しい要素」で出来ている。

例えば、スターウォーズだ。

スターウォーズは、「時代劇」を「宇宙」でする話である。

また、他に「神話」を「SF」で表現する話でもある。

この様に、簡潔な例え話が出来る物語は、非常に強い。

類似物の種類

類似物には大きく分けて4種類がある。

1:ジャンル(抽象的・真似)

スターウォーズの例で出した「時代劇」や「神話」と言う類似物は、かなり抽象的な部類だ。

だが、抽象的であっても過去に成功例が無数にあり、ベースとしての強度は非常に強固である。

つまり、下敷きにして物語を構築する土台としては、最適な物と言う事になる。

2:既存作品(具体的・真似)

ガンダムって、どんな話?

「十五少年漂流記」を「宇宙」でする話。

時代劇や神話に比べ、圧倒的に具体的な類似物である。

この類似物選定で重要なのも、類似品として提示した既存作が過去に成功しているかと言う観点が重要になる。

類似物が成功していない物を選ぶ場合、土台としての強度が強いのか弱いのか分からない部分が出てくる。

3:現実のパターン(抽象的・オリジナル)

いわゆる「あるある」だ。

「良くある事」を「強調」した話である。

この系統は、共感出来るかどうかが重要となる。

4:実際の出来事(具体的・オリジナル)

それ、どんな話?

「実際にあった事」を「解釈」した話。

ジャンルや既存作品に比べ「例え話度」が高いが、これも重要な類似物の種類だ。

これをリアルに寄せれば「ドキュメンタリー」や「再現」になる。

選定基準は、わざわざ人に伝えるべき事か否かだ。

どこが新しいのか?

例え話で類似物の選定と同じく重要なポイントが「新しい要素」である。

「新しい要素」が無い・弱い物は、パクリや劣化コピーと言われても仕方がない。

この、類似物を別物に昇華させる「新しい要素」こそがオリジナリティの源泉である。

繰り返しになるが、スターウォーズは「時代劇」や「神話」と言うベースを、「宇宙」や「SF」で表現する事によって、オリジナルの世界を生み出している。

当然ながら、これを真似しても「スターウォーズ」の真似をした作品にしかならない。

常に「新しい要素」とは「時代の最先端」であったり「誰もやっていない」事を入れなければならないと言う事になる。

「それ、どんな話?」テスト

作品を、別の物で例えてみよう。

あなたが創作者なら、自分の作品の「類似物」と「新しい要素」を簡潔に表現して、両方を理解出来る人に伝えられるか考えて見よう。

出来ないなら、自分の好きな既存の作品を、色々な別の作品で例えよう。

例えば、彼方のアストラは、「十五少年漂流記」を「宇宙」でする物語と言う意味で「11人いる!」「機動戦士ガンダムZZ」「無限のリヴァイアス」に例えられる。

つまり「十五少年漂流記モノ」は、類似物としての強度が、かなり強固なのが、この時点で分かる。

「戦争抜きガンダムZZ」で「11人いる!」をする話と例えると、両作を知る人は彼方のアストラがどんな話なのか想像し易いだろう。

ただ、「乗組員全員が自覚の無いプルシリーズ」の「戦争抜きガンダムZZ」で「11人いる!」と言う見た目で、内容は「私を離さないで」と「銀河ヒッチハイクガイド」を足した話みたいに、ここまで既存作品で詳しく例えると、全部を知っている人でも「どんな話だ?」となると思う。

全部を無理やり説明する必要は無い。

あくまでも、簡潔に例えよう。

余談:現代の修行場「なろう系」

なろう系は、よく大喜利に例えられる。

「○○」を「△△」とかけて、その心は……

もう、お分かりだろう。

なろう系とは、例え話の「類似物」の大半を「なろう作品」の系譜に限定して「新しい要素」として「チート」等を入れ替えた、巨大な実験場にして、修行の場なのだ。

問題があるとするなら「類似物」の選定で強度の弱い土台を選んだり、「新しい要素」が新しくない等の問題を抱えた作品が、産まれては埋もれて行く点ぐらいで、修行場としては申し分ない場所である。

終わりに

創作する際「それを別の物で例えられるか」が重要と言う話でした。

「それ、どんな話?」テストをして、既存作品「単品」で説明できてしまう場合、その作品には「新しい要素」が足りません。

オリジナル作品とは、既にある物の「アップデート」が基本なので、「強固な土台」と「新しい要素」の選定は、かなり重要な観点です。

アップデートして、新しい魅力や、より良くなる要素が無ければ、そこに意味はありません。

何かソフトを使っていて、アップデートで性能が低下したらガッカリしますよね?

良い作品を作ると言う事は、世界やジャンルに対して、より良いアップデートをすると言う事なのです。

この記事が創作のヒントや気付きにでもなれば幸いです。

スポンサーリンク
広告

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください