シナリオの書き方「英雄への旅物語」の脚本構造を紹介!英雄になるのは楽じゃない!

「英雄への旅物語」とは?

ここでは「選ばれし者が旅を通じて英雄になる事」をテーマにした物語を解説します。

神話の時代から存在する「王道中の王道」の物語パターンです。

この形式の物語は、構造カテゴリーで別の言い方をするならば「成長の旅の中で、使命を果たそうとする物語」となります。

解説

英雄への旅とは?

まず「選ばれし者が旅を通じて英雄になる物語」とは、どの様な物語を指すのか?

この記事では「負うべき使命や責任に出会い、自ら踏み込んだ主人公が凡人扱いされながらも次第に成長し英雄になっていく物語」として解説していきます。

主人公は凡人だった

この形式の物語の主人公は、物語が始まった当初は凡人です。

それは、まだ負うべき使命や責任に気付いておらず、その非凡な才能や特性を活かせる環境に身を置いていないからそう見えるのです。

多くの類型物語では、守りたい日常に暮らしながらも、精神的な満たされなさを抱えた主人公を冒頭に置きます。

それは、主人公が新しい事にチャレンジする心の姿勢を確保する為でもあります。

つまり動機・モチベーションです。

主人公は、日常に一定の満足をしている為に、その日々を守りたいと考えつつも、良い日常に悪戯にすがるのではなく、誰かの役に立ったり、英雄的行動に憧れを心の中で持っています。

そう予め思っている為、使命や責任に出会った時、悩みながらも最後には、そこに飛び込む決心をする事が出来ます。

映画「ロードオブザリング」の主人公フロドは、叔父であり英雄のビルボの英雄譚に憧れを抱く若者として描かれています。

運命との出会い

物語が始まると、主人公は運命的な出会いをします。

ヘラルドによって知らされる事もあれば、状況的に気付く事もあります。

使命や背負うべき責任に気付くのです。

ここで提示される使命や責任を果たす事が、物語のメインとなります。

魔王を倒す、滅亡を食い止める、誰かを守る……

もっとも、最初の段階では使命の全容が分かっていない物語も多くあります。

小さな事件や、ちょっとしたお使いから大きな事件に巻き込まれる訳です。

この『使命』によって作品の個性や方向性が決まります。

主人公は自分の運命と出会い、そこに使命感と魅力を感じます。

多くの場合、使命感や魅力を感じるのは既に存在する英雄への憧れか、英雄になった際に得られる栄誉や宝物に対してです。

自分も、ああいう風になりたい、あれが必要だと思う事で、物語が動き始めます。

海外ドラマ「ストレンジャーシングス」では、主人公を担う子供達はダンジョン&ドラゴンに夢中な普通の少年で、最初は行方不明になった親友を探す事から使命に関わります。

旅の試練

主人公は最初、これから向かう使命の旅路の中において凡人のままです。

そこで必要なのが、師匠や仲間達との出会いとなります。

主人公の事を「未来の英雄」として使命の旅路に迎える師匠や仲間達は、基本的に主人公の人格に対して最初は興味がありません。

主人公の英雄としての素養や、背負っている使命に興味があり、最初は共に行動をします。

基本的に、登場する師匠や仲間は、英雄になる旅に必要な人々であると同時に、目的を同じくする人に限られます。

なので、英雄になる旅に対して主人公が不適格だと思えば邪魔をするし、邪魔だと思えば揉め事を起こします。

ですが、目的を同じくしているので、旅の間に出会う人々は、手を貸してくれたり、共闘したりもしてくれます。

この使命達成の為に旅をする中で、目的に関わる出会う人と発生する葛藤と、葛藤を乗り越えて主人公が「未来の英雄」として敵味方に認められていく様が、この形式の物語の一つの醍醐味です。

多くの「旅」を描くRPGやファンタジー小説等では、使命の為に必要な物を手に入れる為に立ち寄った町などで仲間や敵と遭遇します。

使命への接近

主人公は、仲間達と共に次々と旅の試練を超えていき、使命達成が現実味を帯びる所まで迫ります。

ですが、すんなりと使命を達成する事は出来ません。

主人公の前に立ちはだかる使命を達成されては困る相手、要するに悪者が徐々に本気を出してきます。

英雄への道は、非常に険しい物なのです。

絶望的状況

敵からの襲撃によって、主人公はピンチに陥ります。

ここまでの旅で英雄を目指して成長してきた主人公なので、昔に比べれば戦う事も出来ます。

ですが主人公は、まだ英雄では無いのです。

この使命の旅路を終えた時に英雄になるのであって、旅の最中は使命達成に必要なスキルを持っているだけの凡人と変わりありません。

だから、旅の中で得て来た全てを駆使して戦います。

戦いますが、英雄になる為の使命の旅路では、敵が本気を出してきた際は、多くの被害が出ます。

仲間を亡くしたり、離ればなれなったり、ピンチを乗り越えた先に待っているのは、大きな絶望なのです。

映画「ロードオブザリング」では、仲間を失ったり、危機的状況に追い込まれたり、多くの絶望がやってきます。

絶望を乗り越えて

主人公は、絶望感に苛まれながらも、使命を果たそうと旅を続けます。

今まで出会った使命を同じくする仲間の存在、絶望の時を乗り越えた経験が主人公を大きく成長させ、物語はいよいよクライマックスです。

使命の旅の継続と敵の猛攻

絶望を乗り越え、それでも尚、使命を果たそうとする主人公の姿は、真に自己犠牲的であり、既に英雄的でしょう。

敵からの攻勢も強くなりますが、それは同時に主人公が敵を状況的には追い詰めている事も示します。

敵が圧倒的な力で主人公達を攻撃してくる姿は、敵が有利に見えます。

ですが、実は状況的にはギリギリの駆け引きをお互いしているのです。

最後の戦い

使命を帯び旅をして来た主人公は、遂に最後の戦いに挑みます。

敵の方が力と言う意味では圧倒的に有利な為、主人公は正攻法では勝ち目がありません。

工夫や作戦によって戦い続けますが、最後でも主人公の経験不足や弱点が露呈します。

ですが、主人公は旅の中で学び、成長してきた為、状況を打開する術を持っています。

それらを主人公にもたらしたのは、旅の間に出会いと別れを経験した中で培った仲間との絆であったり、志半ばで使命を共に出来なかった人達に託された想いです。

なので、旅物語全般では『仲間との絆が本当の宝だった』と言うストーリーテーマが王道で、普遍的なのです。

映画「ロードオブザリング」では、旅の仲間の一人サムがフロドを助ける姿が、特に印象的に描かれます。

映画「ベイマックス」では、兄の代替品から真の仲間へと変わったベイマックスの自己犠牲によって、最終的に主人公は救われます。

フィナーレ

一進一退の攻防の末、主人公は勝利の条件を満たし、使命を果たす事に成功します。

主人公が全ての使命を果たし、平和になった世界の日常が描かれて、より良い世界が訪れると共に、物語はフィナーレを迎えます。

まとめ

以上、凡人が使命や責任を自ら背負い、旅人となって成長し、最後には勝利を収め、英雄となる物語と言う事でした。

この形式の物語のポイントは、主人公にとって本当に価値があるのが、英雄になる事ではなく、旅で知り合う事になる仲間やライバル、師匠との出会いその物という所です。

主人公にとって、英雄になる為の通過点の様な経験の一つ一つにこそ価値があり、だからこそ物語を見る人は、主人公が真の英雄になった時に納得する事が出来て、主人公の旅に憧れを感じる事が出来ます。

中身が伴った英雄になる為の試練の旅だからこそ、乗り越えて英雄になる事にも意味が生まれます。

また、旅の中や、最後の戦いで絆を証明する仲間の描写は、この形式の物語では必須と言えます。

この記事が好きな作品探しや、この形式の物語を作る時の参考になればと思います。

必須要素

成長の旅

  • 旅の目的
  • 目的を同じくする仲間の存在
  • 大事なのは成長の過程で、真の報酬は仲間

スーパーヒーロー

  • 弱点や制限
  • ヒーローとしての名前
  • 守るべき相手
  • 倒すべき相手、解決すべき問題

「英雄への旅物語」該当作品

地道に追加、修正予定。

※他の形式の物語も知りたい場合は、物語カテゴリーをご覧ください。

※アイキャッチはヒューマンピクトグラム2.0様より使わせて頂いています。

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