テーマを絞る?無理やりつなげる?
この記事では、曖昧な括りですが表現上挑戦的だった「実験アニメ」を紹介します。
まあ、パロディ作品がかなり多いです。
AKIBA’S TRIP(アキバズトリップ) -THE ANIMATION-(2017)
<ストーリー>
秋葉原では、謎の敵・”破繰者(バグリモノ)”が出没するという都市伝説が広まっていた。破繰者に噛み付かれると、体を乗っ取られ、自我を失い、自分の意志で行動できなくなるという。妹のにわかと共に秋葉原に来ていたタモツは、たまたま破繰者との戦いに巻き込まれ、瀕死の重傷を負ってしまう。謎の少女・まとめの不思議な力によって一命を取り留めるが、助けられた影響で秋葉原の街から出られなくなる。まとめや有紗やにわか、かげさん達と共に自警団を結成し、秋葉原の自由を守る戦い、破繰者と秋葉原の関係の謎を追う戦いに、仲間と共に挑んでいく–。
原作は2011年に発売された同名タイトルのゲームソフト。
基本設定こそゲームと関連しているが、ゲームの肝である敵を脱がせて倒す事よりも、1話毎のネタにステータスを振り切っている。
なので、お色気作品を期待して見ると、確かに下着姿ぐらいには、毎回ちゃんとなるのだが、どこか少し古いキャラデザや淡々とした描写のせいでエロ分は少なく、大きく拍子抜けする筈だ。
問題の本編は、1話1テーマで秋葉原に関連しそうなオタク趣味に主人公がハマり、そのディープな世界を垣間見せつつ敵と偶然的に遭遇し倒していくと言う構成が基本で、オタクネタの「フーン」や「あるある」の方がメインの面白さで大半の話は進んでいく。
一応、全体を通してのオチもしっかり用意されている為に、ゴチャゴチャとした印象の作品ながらも視聴後感は悪くない。
気に入らない人は1話で切るだろうし、ハマる人は3・4話ぐらいから主人公と一緒にオタク沼を楽しめるだろう。
アニメガタリズ(2017)
<ストーリー>
主人公「阿佐ヶ谷未乃愛(あさがや みのあ)」は私立咲鐘湖学園高等部の新一年生。入学早々、同級生の「上井草有栖」に誘われアニメ研究部に入部することになってしまった。アニメの知識はほとんど無かったが、同級生の「高円寺美子」やちょっと変だけどやさしい先輩達に囲まれだんだんアニメが好きになっていく。しかし、入部初日に封鎖されているドアを開けてしまったために、未乃愛の身に次々を不思議な出来事が起こるのだった。そして何故か学校から廃部命令を受けるアニメ研究部。何とか廃部を阻止しようと部員全員で奔走するうちに、未乃愛たちは学園に、そして自分たちの周りに大変な事件が起きていることを知ってしまうのだった。
前作は2015年から2016年までTOHOシネマズ新宿でアニメ映画の幕間に上映されていた短編アニメーション「アニメガタリ」。
アニメガタリズは、前作の1年後が舞台である。
基本的に、元が分かる形でのアニメパロディネタで毎話進む為、視聴者層はアニメ好きに特化している。
実験アニメ系で多い「最終話目前でテイストの違う話を入れて、全ての話に意味があると言いだすパターン」がこの話でも取り入れられていて、日常部活系アニメとして見ていた人は面食らうだろう。
エクセルサーガ(1999)
<ストーリー>
舞台はF県F市の某地下。総帥イルパラッツォ率いる秘密結社アクロスは、世界征服のために市街征服を目指す理想推進機関。理想の実現を果たすため、二人の美少女構成員・エクセルとハイアットは今日も戦いを繰り広げる。…と言えば聞こえはいいが、イルパラッツォ配下の構成員はエクセルとハイアットの二人のみ。しかも市街征服の偉大な事業はボランティアのため、二人は安アパートに潜伏しながら地道にアルバイトで生活資金を稼いでいるというていたらく。この極貧生活を支える最後の頼みはペット兼非常食として飼われている子犬のメンチ。 いっぽう、市政の黒幕?蒲腐(かばぷ)博士はふとしたきっかけで彼らの陰謀を察知し、市役所内に特務機関・市街安全保障局を設置して戦いを挑むのだが…
1996年から2000年までヤングキングアワーズで連載された原作(全27巻)も、関連作のホーリーブラウニー(全6巻)も、どちらも実験的な作品だったが、それらとも全然別物かつ、自ら「へっぽこ実験アニメーション」を名乗ってしまうあたりが、本気で実験作な本作。
監督や原作者が劇中に本人役で登場し、メタフィクション的な部分は見せつつも、基本は毎話1テーマで様々なパロディが行われる。
脚本は奇数回を倉田英之が、偶数回を黒田洋介が担当し、非常に豪華。
原作通りの作品を求めると見ていられないが、「大人達の本気の悪ふざけ」として見ると非常に面白い筈だ。
エンディングがマスコットキャラクターのメンチ(犬。非常食設定)が歌っていたり、地上波未放映の26話目に18禁バージョンがあったりと、どこまでも実験に徹している。
おそ松さん(2015)
<ストーリー>
古き良き昭和の時代-。日本中を沸かせた名作ギャグ漫画「おそ松くん」。 そしてその昭和の最後を華々しく飾った前作アニメ。それから時は流れ、現代。街並みも、ライフスタイルも変わった今、あの6つ子たちも、ひそかに成長を遂げて帰ってきた!あの頃と同じ家に住み、大人になってもマイペースに生きる、おそ松達。はたして、イヤミやチビ太、トト子にハタ坊、ダヨーン、デカパンなど個性豊かなキャラクター達の現在の姿は…?!
原作は1962年連載の赤塚不二夫原作「おそ松くん」で、その後を描いていると言う設定の作品。
6つ子が人気声優で固められ、1話からブレーキが壊れたパロディで始まり、ブラック・シュール・下ネタまで濃いネタがこれでもかと言うほど詰め込まれた作品。
圧倒的女性人気を獲得したのも印象深い。
監督は藤田 陽一さんで、アニメ版「銀魂」で有名な人である。
一応、赤塚不二夫生誕80周年作品。
個人的に、十四松の話が基本的にツボでした。
銀魂(2004)
<ストーリー>
天人(宇宙人)が来襲して、価値観が変わってしまった町、江戸。宇宙人や高層ビル、バイクなど何でもありの世界で変わらない“魂”を持った最後のサムライがいた。男の名は坂田銀時。いい加減で無鉄砲、でもキメるところはさりげなくキメたりして…。笑えて、泣けて、心温まる、銀さんと仲間たちの生き様、得とご覧あれ!
アニメオリジナル要素として、世代ギャグやパロディ、メタフィクションネタなども積極的にアニメ化され、放送枠移動や打ち切り、原作への追いつき、製作費や画面アスペクト比といったアニメ製作の裏側までもが表現される。
Wikipedia
実写化までした大人気漫画。
全77巻完結済み。
さよなら絶望先生(2005)
<ストーリー>
糸色望は、どのやうなこともネガティブにしかとれない青年である。横に繋げて書くと、とても切なくなるやうな名前をもつ彼は、ことあるごとに「絶望した」と死にたがり、でも本当には死ねないような、困つた人間だ。そんな彼が、風浦可符香たちの通ふ学校の、二のへ組に、担任教師として赴任することとなつた。しかし二のへ組は、望とは逆にどのやうなこともポジティブにしかとれない生徒、何事もきつちりとしていないと気がすまなひ生徒、なにかと怪我ばかりしてゐる生徒、メールでしか会話のできない生徒など、もしかしたら彼以上に厄介な人間が数多く在籍するような学級だつた。どこまでも後ろ向きな考えの望の教へは、そんな生徒たちの人生にどのやうな波紋を投げかけるのだらうか。また逆に、望は生徒たちからどのやうな影響を受けるのだらうか。絶望先生との、絶望的な学校生活が始まろうとしてゐる。
久米田康治先生が贈る「行け!!南国アイスホッケー部」に続く、名作ギャグマンガ。
風刺、皮肉の利いた切れ味の良いギャグが面白く、極端な設定のキャラクター達が織りなす世界観は非常に魅力的。
シャフト製作によるアニメの出来も、表現のマッチングも良い。
全30巻完結済み。
サムライフラメンコ(2013)
<ストーリー>
改造手術も受けず、特殊な能力も持たず“自力で”正義(せいぎ)の味方になってしまった男・羽佐間正義。運命の悪戯でその正体を知り、以降彼の起こすトラブルに巻き込まれる警官・後藤英徳。二人の関係を軸に、この世界で「正義(せいぎ)の味方として活動」することの困難と意義、そこから生まれるドラマをときにコミカルに、ときにシリアスに、真のヒーロー誕生までの物語をドラマチックに描く! 大人になりたくないなれないスタッフが、大人になりたくない“大人たち”へ贈る、愛と正義(せいぎ)の物語—
キックアス的なヒーロー物かと思いきや、ヒーローと言う1テーマが、後半徐々にモチーフの規模がインフレしていき「何を見せられているのか」が危うくなる作品。
入口は広いが、最終的に人をかなり選ぶ印象。
深夜!天才バカボン(2018)
<説明>
ギャグ漫画の金字塔であり、赤塚不二夫の代表作とも言える「天才バカボン」が、前作から18年ぶりに、細川徹監督のオリジナルストーリーでTVアニメ化決定!「これでいいのだ!」でお馴染みバカボンのパパとそのファミリーに加え、本官やレレレのおじさん、ウナギイヌまで、超個性的な面々が、舞台を現代に変えてやりたい放題!赤塚不二夫没後10年にあたる2018年、“深夜”に繰り広げられる「バカボン」の新境地が、いよいよ幕を開ける!
「おそ松さん」の成功で二匹目のドジョウを狙ったかはしらないが、盛大にズッコケた印象のあるアニメ。
細川徹監督がアニメよりも舞台やテレビ番組の放送作家、脚本家、演出家、監督の経験が深い人なので、そっちのカラーに寄せたのだろう。
謎の芸能人推し、普通に下品なだけの下ネタ話と、見る層が求める物とズレ続けたままひっそりと終わってしまった。
スペース☆ダンディ(2014)
<ストーリー>
スペース☆ダンディは、宇宙のダンディである。
そして彼は、宇宙人ハンターである。見たこともない新しい宇宙人を発見して、新種の宇宙人と認められると報奨金がもらえるのだ。それは、早い者勝ちがルール。宇宙を旅して、誰よりも早く、誰も見たことのない宇宙人を見つけるのが使命。ダンディは、ポンコツロボのQT、途中で拾ったボンクラベテルギウス星人のミャウとともに、未知の星や異星人と出会う。宇宙の果てへの冒険。見たこともない宇宙人の発見。それが宇宙人ハンターの醍醐味なのだ!
ただの緩いSF作品と思わせつつ、ギャグあり、泣ける話あり、死にオチあり、アクションあり、何でもありな話がごちゃ混ぜに展開するが、それが最後に収束する展開は「お約束」ながら、非常に良く出来ている。
シーズン1第5話「旅は道連れ宇宙は情けじゃんよ」とかは、普通に感動しちゃう。
スペース☆ダンディは、マジで名作です。
ぱにぽに(2000)
<ストーリー>
桃月学園1年C組にやってきた新任の先生・レベッカ宮本は、10歳でMIT(マサチューセッツ工科大学)の博士号を修得した超天才ちびっこだった! ちっちゃい! 金髪! そしてナゾのウサギ・メソウサを連れている!! アホ毛でお元気なマホ少女・姫子や、クールなメガネキャラ・橘 玲、不思議系学級委員・一条、何気に地球を救う使命を任されてる魔法少女・ベホイミなど、不思議&変態キャラ満載のにぎやかな学園生活をお楽しみあれ~。
新房昭之監督の「月詠 -MOON PHASE-」 に続くシャフト2作目の作品で、2005年制作。
内容より、表現の特殊性に特化した感じ。
原作は氷川へきる先生が贈る名作4コマ漫画で、全17巻完結済み。
懐かしい。
ポプテピピック(2014)
<説明>
どうあがいても、クソ。
大川ぶくぶ先生が贈る、シュール・ブラックな内容を多分に含む4コマ漫画を原作とした作品。
原作は、現在(2019年)シーズン5を連載中。
アニメが様々な表現手法、製作手法で作られた事で話題を集めた。
その中でも特筆して有名にした手法が、主人公コンビであるポプ子とピピ美の2キャラに対して担当声優が毎話ABパートで変わり、バージョン違いを含んで40人ずつ人気声優や大御所声優ばかり使い、声優ネタによるアドリブ的な表現が多々含まれる事だろう。
テレビスペシャルの花澤香菜&戸松遥のランボーパロディの掛け合いはファンなら爆笑すること間違い無いだろう。
AC部の独特な作風も、カオスだったのが心地よくなる魔力があり、中毒性が全体的に高い。
地上波放送最終話では実験アニメの「お約束」的手法によって、バラバラだった全ての話が繋がったが、実写で蒼井翔太がキーキャラクターとして登場した演出は衝撃的であった。
ハムスターのポンタは草。
ラストピリオド(2018)
<ストーリー>
『ピリオド』とは、絶望から生まれた異形の怪物『スパイラル』を倒す者達の名である。アーク・エンド第8支部に所属する見習いピリオド・ハルもまた、絶望の輪廻を断ち切るため、果てなき闘いに身を投じるのだった……。‐‐だったのだが!謎の盗難事件により財政破綻し、本部からも見捨てられた第8支部に残ったピリオドは、なんとハル達3人のみ。彼らは支部再建のため、果てなき闇営業へと身を投じるのだった!
原作は2016年から配信されている人気ソシャゲ。
パロディやメタフィクション、風刺ネタに溢れた作風ながら、ちゃんと最終回には物語としてオチが付く綺麗なまとめで、非常に良作。
ライバルキャラクターのワイズマン(チーム名)の、ミザル、イワザル、キカザルが魅力的で、ポケモンのロケット団の様なポジションが良い。
※この記事は、内容を追加・編集していく予定です。
“【人を選ぶが】パロディ・実験アニメ特集【挑戦的】” への1件の返信