「出会いによる飛躍物語」とは?
ここでは「出会いによる飛躍」をテーマにした物語を解説します。
ポテンシャルこそあるが輝けなかった弟子が、実力はあるが問題もある師匠と出会う事で急成長していく物語です。
この形式の物語は、構造カテゴリーで別の言い方をするならば「相棒と出会い、成長の旅をする物語」となります。
解説
出会いによる飛躍?
まず「出会いによる飛躍物語」とは、どの様な物語を指すのか?
この記事では「素質はあるのに実力を発揮出来なかったり、努力の方向を間違っていた主人公が、訳ありの師匠と出会う事で、共に大きく成長する物語」として解説していきます。
素質は抜群だが、伸び悩む主人公
この形式の物語の主人公は、最初から、それなりに魅力的です。
ダイヤの原石と言っても良い存在ですが、何らかの理由によって、上に行けず、くすぶっています。
アニメ「ユーリオンアイス」では、主人公のユウリは成績不振に悩むプロのフィギュアスケート選手です。
映画「はじまりのうた」では、プロデューサーである主人公は、会社をクビになり、もう一人の主人公は売れない歌手としてバーで弾き語りをしています。
相棒との出会い
物語が始まって少しすると、イベントが起きます。
切欠を経て、主人公は相棒と巡り合う事になります。
ここでポイントとなるのが、相棒は、師匠か弟子となり、師匠は師匠で、弟子は弟子で、別の問題を抱えているという事です。
大物の、あるいは、過去に名声を築いた元大物である師匠は、相棒となるダイヤの原石と出会う事で、自身の抱える問題解決の糸口をつかみます。
つまり、弟子の大成が、師匠にとってもスランプ脱出の糸口となる事で、二人は一つの目的に向かって動き出す事になる訳です。
アニメ「ユーリオンアイス」では、師匠となるヴィクトルが、ある切欠からユウリのコーチをしに来日します。
映画「はじまりのうた」では、落ちぶれた主人公が、相棒の素質を見抜き、スカウトする事から物語は大きく動き始めます。
弟子と師匠の二人三脚
師匠による導きとは、弟子である主人公に無かった視点、つまり、気付きを与える試練を課す事です。
師匠のプロデュースによって、弟子は、大きな成長を始めます。
アニメ「ユーリオンアイス」では、ユウリは基礎を叩き直された上で、ギャップのある演技を指導され、隠された魅力を引き出されて行きます。
映画「はじまりのうた」では、コンビとなった二人は、街中でのアルバムレコーディングを始めます。
二人だから出来た成功
弟子と師匠、二人だからこそ辿り着けた成果を、お披露目する事になります。
弟子はダイヤの原石として磨かれて輝きを放ち、師匠は自身の抱えていた問題を乗り越える為の手応えを感じます。
弟子と師匠の関係ですが、二人はアーティストとプロデューサーや、競走馬とジョッキーの様な、厳密な上下関係では無く、お互いが支えあい、高め合う関係となっていきます。
弟子は、師匠がいなければ成功出来なかったし、師匠は、この弟子と出会わなければ、やはり成功を手には出来なかった、そう言う関係です。
成果のお披露目によって、多くの人に主人公コンビと言う凄い奴が現れた事が知れ渡ります。
二人を引き裂く試練
小さな成功をした二人には、試練が訪れます。
二人を引き裂く事になる問題が舞い込み、関係が揺れます。
お互いの問題を解決しないと前に進めない為、弟子と師匠は、一度ぶつかり合います。
試練に立ち向かうのは、もう一人じゃ無い
ですが、既に二人は、お互いが必要な存在である事は分かっているので、お互いが相手の問題に対して解決の糸口を与え合い、共に乗り越えようと歩み寄り、二人の関係は、以前より強まる事になります。
大成功よりも、大切な相棒
完璧な相棒となった二人は、お互いの抱えていた問題も解決し、二人だからこそ手に入れられたと思える最高の成果を手に入れます。
こうして、この形式の物語は、感動のフィナーレを迎えます。
アニメ「ユーリオンアイス」では、数々の戦いを乗り越えたユウリは、グランプリファイナルで優勝と引退を賭けた演技に挑み、ヴィクトルは、それを受け入れ見届け、二人は、それぞれの答えを出す事になります。
映画「はじまりのうた」では、レコード会社から契約のオファーを貰う所まで来ますが、二人はプロデュース終了の関係解消では無く、相棒関係の継続を決意してある決断をします。
まとめ
以上、出会いによる飛躍物語とは、主人公が相棒と出会い、師弟関係となって成功を掴み、成功よりも重要な師弟関係に気付く物語と言う事でした。
この形式の物語のポイントは、成功を求める師弟関係から始まった二人が、成功よりも重要な二人の関係に気付く事にあります。
一見すると師匠と弟子の二人三脚で進む様な物語ですが、その裏には、友情や愛情と言った、上下関係ではない対等な絆が育まれている事が重要となります。
お互い、自分の成功の為に相手を利用していた側面があったのに、最後には成功よりも相手の事が大事になると言う展開が、最高にキュンと来ますよね。
この記事が好きな作品探しや、この形式の物語を作る時の参考になればと思います。
必須要素
相棒
- 揃って初めて完全となる主人公と相棒の二人
- 相棒と近づかせ、同時に対立させる事情
- 二人でないと解決出来ない問題
成長の旅
- 旅の目的、夢や目標
- 目的を同じくする仲間の存在
- 大事なのは成長の過程で、真の報酬は仲間
「出会いによる飛躍物語」該当作品
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