何かが起きるカウントの魔力
昨日「100日後に死ぬワニ」がTwitterで完結し、物凄い反響を受けていた。
その直後「電通案件なのでは無いか?」と、一部で炎上(むしろ急速冷却)し、別の話題にもなったのも、それはそれで現象としては興味深かった。
その「100日後に死ぬワニ」だが、これはカウントダウン系の作品だ。
電通云々は真偽は知らないし置いておくが、カウントは物語において有効な手段の一つである。
ただ数えるだけでは、弱い。
数えた末に、何かが起きる事が分かっていて、しかもそれが「劇的」であるカウントの強力さは、かの名映画監督にしてサスペンスの王様とも呼ばれた巨匠ヒッチコックも好んで使っていた要素の一つだ。
今回は、そんなカウント系作品を集めてみた。
宇宙戦艦ヤマト(1974)
<ストーリー>
西暦2199年。外宇宙から襲来した謎の星間国家ガミラスによって、人類は滅亡の渕に立たされていた。その中で人類最後の希望を託すべく「ヤマト計画」が進められていた。その人類最後の希望を託すべき艦の名は「ヤマト」。しかし、人類に残された猶予は1年しかない。ヤマトは果たして人類を救うことができるのか…。
1年後に滅ぶ予定の地球を救いにイスカンダルを目指す話。
波動砲とか良いよね。
サボタージュ(1936)
<内容>
斬新な発想で日常生活の場から生まれる事件をヒッチコックらしい演出と共にサスペンスとして仕立てている。破壊工作活動をする夫とその正体を知らぬ妻。夫が時限爆弾を運ばせたために、妻の弟は爆死。復讐に燃える妻は、 夫殺しの完全犯罪をもくろむが…。辞書のページからタイトル画面をクロー ズアップさせたり、水槽のフレームに徐々にロンドンの街並をオーバーラッ プさせたりと、様々な映像表現を試みるヒッチコックの新しい技法が楽しめる作品 。また、少年が時限爆弾を持っていると知らずに寄り道し、徐々に爆発する時間が近づくまでの緊張感は、 サスペンスの醍醐味を十分味わえる。ピークを迎えた巨匠アルフレッド・ ヒッチコックの””日常的サスペンス””の傑作。
<ストーリー>
ロンドンで映画館を営むヴァーロックは、破壊活動をする裏の面を持っている。八百屋に扮した刑事が彼をマークする中で次の指令を受けた館長は、警察の目をごまかすために、妻の幼い弟に爆弾を持って行かさせる。
Wikipedia
アルフレッド・ヒッチコックの名作サスペンス映画。
ヒヤヒヤする事間違い無し。
ダラス・バイヤーズクラブ(2013)
<ストーリー>
余命30日とHIV宣告された男。同性愛者でもないのになぜ!?と怒りを周囲にぶつけるが生き抜く為に未承認エイズ治療薬密売組織「ダラス・バイヤーズクラブ」を立ち上げアメリカ政府・医療業界を相手に一人闘うが…。
30日後に死ぬカウボーイ。
管理人一押し映画。
24(2001)
<ストーリー>
CTUロス支局チーフ、ジャック・バウアーに非常召集がかかった。大統領候補のパーマー上院議員の暗殺計画が発覚したのだ。山場は大統領予備選の今日、24時間。物語の進行と現実の時間進行が同じ速度で進むリアルタイムなストーリー展開で、全話見ると丸1日の出来事を目撃することになる。大統領候補暗殺計画をタテ軸に、旅客機爆破、誘拐、殺人、機密漏洩など様々な事件が同時多発的に発生、複雑に絡み合う24時間待ったなしのノンストップ・エンターテイメント!
24時間、ほぼリアルタイムで展開する傑作海外ドラマ。
基本が24話構成なのだが、何気に1話の長さはCM入れての1時間なので41~43分ぐらいだったりする。
100日後に死ぬワニ(2019)
<内容>
日本中が見守った100日間、待望の書籍化
あたりまえ。だから、愛おしい。
1匹のワニの、なんでもなくて、かけがえのない
毎日の記録をぜひお楽しみください。Twitter 累計1000万いいね!超えを記録した100日間の本編に加え、
0日目や100日後の後日譚など、ここでしか読めない
描きおろしも28ページ収録!
商品プロモーションへの展開が早すぎるとネットで話題になっていたが、これはフィクションであってもキャラクターの死を尊い物と読者が感じている好例であるとも言える。
よく考えれば、好きな人が死んで悲しんでいる時に、追悼商品を新発売するのを不謹慎に感じるファン心理は理解出来るだろう。
既にある所縁の商品が再度売れる現象と、死亡記念商品は全くの別物だ。
人気アイドルや歌手が死んで、秒速で「死亡記念追悼アルバム」が登場したらファンなら「イラっとする」のも分かるだろう。
死とは、時間が経って万人に過去として受け入れられて、ようやく二次利用が許される概念なのだ。
だから、事件や災害をモチーフにした作品も、フィクション色が強いほど数年の間を挟んで作られる。
つまり、ワニ君は、読者の中でちゃんと生きて、死んだキャラクターと言える意味で、作品としては大成功と言って良いだろう。
プラスティック・メモリーズ(2015)
<ストーリー>
現代より少し科学が進んだ世界。18歳の“水柿ツカサ”は、大学受験に失敗したものの、親のツテのおかげで世界的な大企業SAI社で働くことになった。SAI社は、心を持った人型のアンドロイド、通称『ギフティア』を製造・管理する企業で、ツカサはその中でも、ターミナルサービスという部署に配属される。だがそこは、寿命を迎えるギフティアを回収するのが業務という、いわゆる窓際部署。しかもツカサは、お茶汲み係をしているギフティアの少女“アイラ”とコンビを組んで仕事をすることになってしまう…。
2000時間後に停止するアンドロイド。
83日程度の寿命しかないアンドロイド「アイラ」と、主人公「ツカサ」の恋の話。
設定から切ない。
ブレイキング・バッド(2008)
<内容>
ベテランプロデューサー、ヴィンス・ギリガンとマーク・ジョンソンの制作によるドラマ。主人公のウォルターは冴えない高校の化学教師だが、自身が末期がんに冒されていることを知った後、新しい人生に目覚める。かつては成功を嘱望される化学者だったウォルターだが、今はやる気のない高校生に授業を行うかたわら、洗車のアルバイトをして家計を助ける身。妻のスカイラーは、eBayでの売買でほどほどの稼ぎを得ていた。息子のウォルター・ジュニアは17才。意志の強い若者だったが、脳性まひに苦しんでいた。家族に残せるものがほとんどないことに気がついたウォルターは、新しい人生の目的に目覚め、愛する家族に財産を残すため犯罪に手を染めていく。
1年後に死ぬ化学教師が、死ぬまでに家族に財産を残そうと覚醒剤の製造に手を染めていく物語。
最高に面白い犯罪ドラマ。
ぼくらの(2004)
<ストーリー>
夏休み、過疎地の村へ“自然学校”にやってきた少年少女15人。1週間が経ったある日、海辺の洞窟へ探検に入った一同は、その奥にコンピューターを持ち込んで住んでいた謎の男・ココペリと出会う。彼は自分が作ったゲームをやらないかと誘い、宇白可奈を除く14人の中学1年生が同意して契約を結ぶ。半信半疑で宿舎に戻った一同だったが、その日の夕刻、大きな物音と共に巨大ロボットが現れて…
14人の中学生が順番に、乗ると死ぬロボットに乗る話。
自分達の世界を守る為には乗らないといけないけど、乗ると確定死っていう凄い設定のロボット作品。
ジ・アースがカッコイイ。
まほろまてぃっく(1998)
<ストーリー>
外宇宙からやってきた謎の侵略者に立ち向かう、地球最強のアンドロイド戦士『まほろ』。数々の武勲を立て、残り稼働時間をすり減らした彼女は、その代償としてある日任務を解かれる。「残り約1年の命、自分の好きなように生きてみてはどうかな~」と。そしてまほろが選んだ残り僅かな命の使いみちとは…。
400日後に停止するアンドロイド。
「えっちなのはいけないと思います!」と言うヒロインのセリフが有名。
主人公達と少しでも長い時間一緒にいたいのに、無理して戦うと寿命が削れる設定は非常に上手い。
漫画の表紙の加工が経年劣化で隣の本にくっつく事があって、所蔵してた本がバリバリに破れてしまったので、持っている人は注意されたし。

モブサイコ100(2012)
<ストーリー>
自己表現がヘタな超能力少年・影山茂夫、通称・モブ。普通の生き方にこだわり、超能力を封印しているモブだが、感情が昂り、その数値が100になったとき、彼の身に何かが起こる!インチキ霊能力者、悪霊、謎の組織……モブを取り巻く様々な人に囲まれて、彼はいったい何を思い、何を選ぶのか?
カウントアップ系で、主人公の感情の昂ぶりが数値として100になった時、超能力が発動する。
ワンパンマンと同作者の作品で、主人公が最強に近い設定を活かしたギャグと、取り巻く人々の人間ドラマが魅力的な名作。
アニメの出来が飛びぬけて良いので、アニメ版未視聴の人は騙されたと思って見て欲しい。
アニメ史に残る気持ちの良いアニメーション体験ができる。
※この記事は、追記・編集していく予定です。