一つの事柄を複数の視点から
章毎に主人公が変化して、一つの事柄について表現する「オムニバス形式」。
メインのストーリーラインが決まっていないと作るのが難しい、創作難易度が少し高めの作品だ。
この記事では、そんな「オムニバス形式」の作品を紹介していきたい。
外天楼(2011)
<ストーリー>
外天楼と呼ばれる建物にまつわるヘンな人々。エロ本を探す少年がいて、宇宙刑事がいて、ロボットがいて、殺人事件が起こって……? 謎を秘めた姉弟を追い、刑事・桜場冴子は自分勝手な捜査を開始する。“迷”推理が解き明かすのは、外天楼に隠された驚愕の真実……!? 奇妙にねじれて、愉快に切ない――石黒正数が描く不思議系ミステリ!!
一見バラバラの物語が一つに収束していく快感が秀逸な傑作漫画。
シン・シティ(2005)
<内容>
“罪の街=シン・シティ”で繰り広げられる3人の男たちの愛と復讐をハリウッドスター総出演で描いた異色クライム・アクション。原作者のフランク・ミラーが自らメガフォンをとり、ロバート・ロドリゲスと共にモノクロをベースとした斬新な映像でコミックの世界観を忠実に再現。また、クエンティン・タランティーノがスペシャルゲスト監督として参加している。
グロ等の表現が少しキツイ、名作コミックの実写化作品。
ダンケルク(2017)
<ストーリー>
ダンケルクの海岸に追い詰められた何十万人もの英仏連合軍に敵の軍勢が迫りつつある状況の下、物語は陸・海・空を舞台に展開される。海峡上空ではイギリス空軍(RAF)のスピットファイアが敵機を迎え撃ち、地上の無防備な兵士たちを守るために空中戦を繰り広げる。そして海上では軍人ばかりか民間人も小型船に乗り込み、一人でも多くの味方の命を救うため、時間との戦いの中で危険をも顧みず、決死の救出作戦を決行する。
陸海空、三つの主要視点毎に違う時間の流れで並行的に進み、最後に合流する少し変わったオムニバス形式の映画。
ラストのカタルシスは爽快な物がある。
パルプフィクション(1994)
<内容>
20世紀の映画を再定義したオールスターキャストの映画として、世界中の評論家や観客に大ウケした『パルプ・フィクション』。脚本/監督を担当したのは、1994年にアカデミー脚本賞を受賞したクエンティン・タランティーノ。低俗な殺し屋の2人(ジョン・トラヴォルタとサミュエル・L・ジャクソン)、彼らのボスのセクシーな妻(ユマ・サーマン)、自暴自棄のプロボクサー(ブルース・ウィリス)などの記憶に残る登場人物で贈る、スリルと笑いが溢れる圧倒的な痛快エンターテインメントムービー!
映画史に輝く傑作オムニバス映画。
フィッシュストーリー(2009)
<内容>
2012年、地球滅亡まで、あと5時間!1975年、売れないパンクバンドが最後に放った1曲が、めぐりめぐって、奇跡を起こす! 大ヒット作「アヒルと鴨のコインロッカー」チームが贈る、痛快、爽快エンタテインメントムービー!
流星たちに伝えてよ(2006)
<内容>
夜空に輝きを放ちながら駆けぬける“流れ星”をテーマに、さまざまな人間ドラマを描いたオムニバスストーリー。子供の頃、山にある秘密基地で流星の絵を描いた大沢(おおさわ)は、皆から尊敬される少年・岩下(いわした)から「マンガ家になれるかも」と言われる。その数年後、マンガ家になった大沢は、思い出からネタを拾おうと久しぶりに秘密基地へ行き、会社員になった岩下と再会するのだが……!?
あまり有名ではないが、本棚に置いておきたくなる良作。
泣ける話を読みたい人に是非勧めたい。
ワンダー 君は太陽(2017)
<ストーリー>
「僕は普通の10歳の子じゃない」–オギーは遺伝子の疾患で、人とは異なる顔で生まれてきた。27回の顔の手術のせいで自宅学習を続けてきたオギーだが、両親は息子を外の世界へ送り出そうと決意する。だが、5年生で入学した学校で、オギーはいじめや裏切りなど初めての困難と出会う。幾度もくじけそうになりながら、家族の愛を勇気に変えて立ち向かうオギーの姿に、周囲の人々が変わり始める。そして忘れられない1年を締めくくる修了式の日に、最大の出来事が待ち受けていた──。
ストーリーの構造的には、名優ロビン・ウィリアムズ主演の「ジャック」が近いが、ワンダーはオムニバス形式でオギー以外に三人の視点があり、より多角的な人間模様を描き出している。
最初は嫌なヤツに思えるキャラクターにも裏や、抱えた問題、事情があって、最終的に主要人物に悪いヤツが一人もいない人物構成も視聴後感の良さがある。
オギーが変わり、周囲を変えていく、ある種の王道ストーリーは「学校」と言う環境に身を置いた事がある人すべてに刺さるだろう。
※この記事は、追記・編集していく予定です。
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