「異国での運命の出会い」とは?
ここでは「異国での運命の出会い」をテーマにした物語を解説します。
異国と言っても別に、外国である必要はありません。
この形式の物語は、構造カテゴリーで別の言い方をするならば「変わり者となって、相棒を得る物語」となります。
解説
異国での運命の出会いって?
まず、そもそも「異国での運命の出会い」とは、ここではどんな状態を指すのでしょうか?
この記事では「異国で運命的な出会いをして、大事な相棒を得る物語」として解説していきます。
誰もが羨む立場だけど
このタイプの物語の主人公は、社会的に誰もが羨ましがる立場にいますが、その立場であるが故に、人間関係に問題を抱えています。
そして、もう一人の相棒となる方は、一般人と相場が決まっています。
物語の始まりは、誰もが羨む立場の方にある主人公が、自分が別人になれる場所、つまり異国に行って、今の自分に欠けた物を探しに行く事から動き始めます。
映画「ローマの休日」では、日常に不満を抱えた王女アンが宮殿から逃げ出します。
映画「星の王子ニューヨークへ行く」では、父王の決めた結婚に不満のあるアキーム王子が、ニューヨークへ花嫁探しに行きます。
運命の相手との出会い
誰もが羨む立場にある主人公は、身分を伏せながら異国での自由を楽しみます。
そして、その中で運命的な出会いを果たします。
先にも書きましたが、後に相棒となる相手は一般人で、社会的立場こそ相応しくはないですが、徐々に知り合って行くと、お互いの欠けていた部分を埋め合える運命の相手であると、双方が確信に変わっていきます。
大事なのは、立場よりハート
この形式の物語で見せ場となるのは、二人の交流の過程、つまり熱い情や、恋仲へと辿り着くまでのプロセスにこそあります。
一般人の相棒が社会的立場が上の主人公の正体を、知っていても、知らなくても、利用しても、親切にしても、どう行動しても良いです。
ただ、どんな関係で交流を深めるにしても、社会的な地位や立場ではなく、一個人として惹かれ合う必要があります。
社会的な地位や財産ではなく、その相手だから好きと言う状態である必要がある訳です。
二人を引き裂く元いた世界のルール
物語が中盤に差し掛かると、主人公に元いた世界のルールによる、圧力がかかります。
分相応の立場を意識せざるを得ない事件が起きるのです。
映画「ローマの休日」では、宮殿からの追手が来てしまいます。
映画「星の王子ニューヨークへ行く」では、王一行がニューヨークへ来てしまいます。
映画「或る夜の出来事」では、身分差故に裏切られたと勘違いするすれ違いの事件が起きます。
相手を本気で想う故の決断
立場が違い過ぎる二人。
どんなにお互いが惹かれ合っていても、共にいるのが難しいと思える状況に陥ります。
しかし、全てを知って尚、惹かれ合う事で、二人の絆が本物である事は間違いないです。
それは、主人公を見守っていた人には分かっています。
フィナーレ
元の世界に戻った主人公は、立場を全うする事になります。
背負っている責任から逃れる事は出来ないのです。
ですが、元の世界に戻った主人公には、意外な再会が待っています。
異国で出会った真の絆で結ばれた相棒が、主人公の本当の幸せを願うが故に、主人公の住む世界へと会いに来てくれるのです。
そうして、主人公は本当に欲しかった物を手に入れ、国を飛び出す前よりも、ずっと良い日常を手に入れ、物語は感動のフィナーレを迎えます。
まとめ
以上、異国での運命の出会い物語とは、主人公が、自由を求めて異国を旅する中で、運命の相手と出会い、真の絆を結んだ状態で、国に帰り、より良い締め括りで旅を終える物語と言う事でした。
この形式の物語のポイントは、やっぱり身分差のある二人が徐々に惹かれ合う描写でしょう。
主なテーマは身分差の恋愛物ですが「ロミオとジュリエット」ほど主人公が所属する社会から強い反発を受ける事も無い為、ライトに楽しめる点も良いポイントですね。
この記事が好きな作品探しや、この形式の物語を作る時の参考になればと思います。
必須要素
変わり者
- 図太いメンタルの主人公
- 変化する行動or見た目or名前
- 主人公を脅威に感じる存在
- 変わり者で無ければ解決できない問題
相棒
- 揃って初めて完全となる主人公と相棒の二人
- 相棒と近づかせ、同時に対立させる事情
- 二人でないと解決出来ない問題
「異国での運命の出会い物語」該当作品
※地道に追加、修正予定。※他の形式の物語も知りたい場合は、物語カテゴリーをご覧ください。
※アイキャッチはヒューマンピクトグラム2.0様より使わせて頂いています。