分かり易い「邪悪」の象徴
「レイプ」あるいは「強姦」や「暴行」は、現代社会において絶対に許されない。
それは、なにも「法律で犯罪だから」と言う”だけ”ではない。
貞操観念が強く固い人ほど、上品で正しいと言う風潮のある社会において「レイプ」は、それまで守ってきた思想や信念を、一方的にぶち壊し、人生を狂わせる行為であり、大げさではなく殺人にも等しいと感じて然るべき邪悪だからである。
つまり、上品で正しくあろうとしている人ほど、受けるダメージが大きな犯罪と言う事だ。
更に、殺人の場合は、被害者目線では、結末は等しく死で終わる。
だが、レイプの場合は、被害者目線では、汚された事実が残り、苦しみが続き、多くの場合に人生が大きく狂ってしまう。
そして、負の要因で狂った人生は、悪い方に傾く為、大きなトゲが刺さった状態で一生を過ごす事となる。
しかし、当の犯罪者は、この犯罪行為に対して「命を奪っていないし、大して傷つけてもいない」と開き直り、腹立たしい事に「事の重大さ」に気付いていない場合がある。
つまり、犯罪者と被害者の認識に、特に大きな差がある可能性のある犯罪でもあるのだ。
もちろん、最大限の悪意を持って「傷つけようと」する犯罪者もいるが、それはそもそもが論外だ。
そんな犯罪だからこそ、モチーフとして、時に演出として使う創作者は非常に多い。
「レイプ」は、生理的に、あるいは感情的、反射的に、絶対に許せないし、言葉を聞きたくもないと言う人もいるだろう。
世の中の大半の人は、そうであり、そして、沸き起こったその気持ちは、間違いなく正常だ。
だからこそ、「負」を描写する、この犯罪は、モチーフとして強力な力があり、時に効果的なのだ。
これは、現実問題として、強力な共通認識がある大問題だからこそ、モチーフにこもった力である。
そして、モチーフとしては、やはり「殺人」や「暴力」「窃盗」等の犯罪と同じく、モチーフでしかない。
戦争でも殺人事件でも、人の死は描写されるし、絶対に起きて欲しくない事だが、創作の上では、あくまでもモチーフであり、それ以上でもそれ以下でもない。
モチーフに善悪は無く、問題は、むしろ、モチーフを使って何を表現し、何を伝えたいかにある。
そこが歪んでいる作品は、作品その物が邪悪さを帯びる事となる。
つまりレイプを「悪」として描く作品は、モチーフを倫理的に正しく使っていると言える。
その上で「性癖」として消費している作品も、作品のターゲットが正しいなら間違っていない事になる(受け入れられるかは別だが)。
邪悪な作品とは、「肯定」で終わる作品だ。
つまり、レイプが「正しい事」であると思わせて終わる作品が、倫理的には、問題となる。
扱うテーマがテーマなので前置きが長くなったが、この記事では、そんな扱いに注意が必要な「レイプ」描写、あるいは、それを匂わせる描写が登場する一般作品を紹介していく。
レイプ描写を絶対に見たくない人は、避ける為に目次を利用するのもありだろう。
また、作品によっては、重大なネタバレを含む物もあるので、その点も気を付けて貰いたい。
“【閲覧注意】「性的な乱暴」描写のある一般作品特集” の続きを読む