「コンセプトの新規性」その重要性について

新規性についてアレコレ

前提の話をすると、良いコンセプトは「普遍性」と「新規性」が絶対に必要になる。

まずは、普遍性のおさらい

普遍性とは、一定の「規格」であれば何にでも当てはまる「共通点」だ。

例えば「人」は、すべての人に強烈に当てはまる普遍性だ。

これを「女性」「男性」と言う風に分けたら、そこで、どちらか一方の普遍性が変化する事になる。

ここで気を付けて欲しいのは、いきなり「ゼロ」になるのではなく、あくまでも「%」の上下や、意識が変わると言う感じと言う事だ。

「女性」と言う普遍性だとしても、男性は女性を知らない筈が無い(ドラゴンボールの悟空の幼少期の様な生き方でもしてない限り)。

つまり、女性は「女性」と言う共通点を持ったままだが、男性は、それぞれが考える「女性」のイメージに普遍性を自然と見出す。

なので、仮に「ジョン」や「ジェシカ」と言う普遍性にした場合は、ジョンやジェシカの情報もイメージも無ければ「%」は十分「ゼロ」になり得る事もあわせて理解したい。

作品の普遍性

で、コンセプトの普遍性は「ジャンル」であったり「モチーフ」や「ストーリー」の要素に必ず存在する必要がある。

ミステリー作品であれば、ミステリーと言うジャンル選定は、普遍性だ。

洋館を舞台にするのでも普遍性だし、殺人鬼を捜査と推理で捕まえるのも普遍性である。

つまり、普遍性とは、単純に考えればこう言う物で、それだけでは、一定の人の興味を引き、理解の助けにはなるが、面白い物では無い。

表に出ている普遍性は「見る人が既に知っている好きな物」である事が好ましい。

既に知っていて好きだから興味が湧くが、知っているから面白いとは感じにくい要素。

それが、普遍性だ。

そこで必要になる要素が、新規性になる。

コンセプトの新規性の重要性

普遍性が、上に書いた様に「既に知っている興味を引く要素」なので、それだけだと人は寄ってくるが、長く居つかない。

だって、面白そうなのに面白くないから。

普遍性のみだと、なんか知っている状態になるから。

何か知っていると言う「既視感」が強過ぎると、既視感の原因となっている「普遍性の原因となった物」を人は思い出し、比較する。

比較された場合、普遍性のみだと当然だがオリジナルには勝てない。

パクリにしても、模倣にしても、ただの同ジャンル作品にしても、普遍性のみで構成しては、逆立ちしたってオリジナルに勝つことは出来ない。

例えば、絵画のオリジナルとコピーでは、オリジナルよりコピーの価値が出る事は無いのは分かり易いだろう。

既視感を吹き飛ばすのが新規性!

普遍性だけだと、どうしたって焼き直しかパクリになってしまう。

そうすると、既視感と、オリジナルの存在によって、どんなに良く出来ていても埋もれてしまう。

恐ろしい事に、そこに創作する労力やコスト、熱意等は一切関係ない。

そこで、既視感を減らす為、コンセプトから誰も見た事が無い物にする事で「新規性」を獲得する必要があるわけだ。

作品は、「新規性」があって、ようやく本当の意味でオリジナル作品となる。

新規制の獲得方法1:普遍性×普遍性

例えば「ロボットアニメ」で、鉄腕アトムが最初に登場した。

鉄腕アトムは、メトロポリスのロボットに原子力パワーでスーパーマンを足した様な存在だ。

この、既存の「普遍性」を初めての形で組み合わせる事で「新規性」を得る手法は、創作の基本中の基本だ。

メトロポリス+スーパーマン=アトム+ラジコン=鉄人28号+乗り物=マジンガーZ

と言う風に、何かを組み合わせる事で、その組み合わせが初めて行われた物であれば、新規性は自然と生み出せる。

その際、普遍性のどちらを主体にするかで、コンセプトのカラーは大きく変わる

例に出した「鉄腕アトム」はメトロポリスが主体だし、「鉄人28号」はラジコンが主体で、「マジンガーZ」は乗り物である事が主体になっている。

これを逆転させると、それだけで全く別の作品が作りだせる。

例えば、スーパーマンを主体にメトロポリスを足せば「DCのサイボーグ」になるかもしれないし、アトムを主体にラジコンで作品を作ったら「アトムザビギニング」になるかもしれないし、乗り物を主体に鉄人28号を足せば、それは「トランスフォーマー」になるかもしれない。

新規性の獲得方法2:普遍的と見なされない別の場所に持っていく

コンテンツが輸出や輸入される事は、今や常識だ。

これは、既にある一度ヒットして普遍的となったコンテンツを、普遍的とは知らない場所に持っていく事で、新規性を持って迎えられる戦略だ。

新規性に関しては、かなりの確率で獲得出来る。

この戦略の問題は、むしろ普遍性の方だ。

例えば、言語が違えばローカライズした方が普遍的になる。

場合によっては、登場人物の名前や、タイトルを変えて普遍的にする。

新規性だけでなく普遍性も整ったら、そのコンテンツは受け入れられる確率がグンと上がると言う訳だ。

また、この戦略は、何も場所だけではなく、業界にも当てはまる。

小説のヒット作を、漫画化、アニメ化、映画化、実写化、そう言ったマルチメディア化は、新規性の獲得的にも理にかなった戦略と言える。

新規性の獲得方法3:忘れられた頃に、もう一度

リメイク作品やリブート作品がなぜ作られるのか?

人は、何年も経てば記憶が薄れる生き物だ。

だから、普遍的となったモノを誰もが忘れていれば、それだけ、それは新規性を持って迎えられる。

だが、この手法には、制限があり、オリジナル作品と既に受け入れられた物にしか許されないと言う事だ。

つまり「鉄腕アトム」「宇宙戦艦ヤマト」「スパイダーマン」等が、何度も作り直されても良いのは、それがオリジナル作品だからであり、言ってしまえばリメイクやリブートは「古くなった絵画の修復」的な側面がある。

一方で、忘れられた頃に、何か焼き直し作品を作っても、それはイメージを「想起」させて「既視感」を持たせ、「車輪の再発明」と揶揄される事になりかねない。

忘れられた頃に、もう一度リメイクやリブートを許されるのは、オリジナル作品の特権だ。

補足:焼き直しでも、誰かの初めてかもって話

焼き直し作品を作っても、新規性を持って迎えられる事は、十分ありえる事は伝えておきたい。

それは、コンテンツの受け取り手が、すべての作品を知っているなんて事はあり得ないからだ。

つまり「ご新規さん」なら、焼き直しの作品でも、そのジャンルで始めて手に取ってくれたならば、十分そこには新規性がある事になる。

問題は、その環境に、どれだけ新規の人がいて、自分の作品を初めての作品として手に取ってくれるかと言う話になる。

少し前に「鬼滅キッズ」のパクリ問題がTwitterで話題になった。

「キッズ」とは、おそらく揶揄する蔑称だろう。

この問題は「○○は鬼滅のパクリ」と言う構文で、鬼滅の刃を持ち上げるために他を攻撃すると言う一部のファンが起こした行動を問題視した物だ。

ここで言いたいのは、その人達にとって鬼滅の刃は、あらゆる点で初めて触れた作品だった可能性があると言う事だ。

構造だけ見れば、例えば「ジョジョの奇妙な冒険」と共通する部分がある。

これは「ジョジョ」を知っていれば、同系統の作品として処理出来るが、初めてである場合は様々な反応があるのも頷ける。

他に「マッドマックス」を見て、ヒャッハーな世界観に「北斗の拳」と似ていると感じる人がいたと言う話を聞いた事がある。

マッドマックスは1979年の作品で、北斗の拳は1983年連載開始なので、北斗の拳がマッドマックスをモチーフとして参考にしている事が分かるが、1作目のマッドマックスを知らない人は「マッドマックス怒りのデスロード(2015)」から始めて見れば、北斗の拳に似ていると前後関係を誤って錯覚するなんて事は、普通にあり得る。

新規性獲得失敗例1:既に似たのがあった

獲得の仕方だけでなく、失敗あるあるもあわせて、いくつか紹介する。

最も多いのは、この既にあったパターンだろう。

事前のリサーチ不足、勉強不足、理由は様々だろうが、運悪くも「似た作品」に遭遇せずに作り始め、発表してから気付かされるパターンだ。

これは、創作者にとっては悪夢だが、100%避ける方法は、無いので、失敗率を下げる意味でも日頃からアンテナを立てておいて欲しい。

運の悪い人になると、ほぼ同時に似た作品が発表されて比べられるなんて事もある。

そうなると、パクリとは思われないが、やはり辛い所だ。

避けられない時は避けられないので、現実を受け入れよう。

新規性獲得失敗例2:新し過ぎた

オリジナルを求めすぎて、普遍性が気が付けば薄くなったり、消滅しているパターンである。

こうなると、普遍性のフックが弱くなるため、注目を集めるのが大変になる。

また、いざ注目させても、理解させるまでが、とにかく大変だ。

普遍性を削ぎ落し過ぎると、ついてこれる人が極端に少なくなる訳だ。

SFが苦手な人が多いのは、この普遍性の少なさから、作品のルールを理解するまでに離脱する人が多いからだ。

余談だが、なろう系がカジュアルにウケるのは、実家の様な安心感ある普遍性で固めた作風によって、理解するまでがとにかく楽だからと言う側面がある。

もっとも、何かしらの新規性、キャラクター、チート、イベントの差異、等によって、オリジナリティを獲得できないと、埋もれてしまうのは、他の作品と同じだ。

終わりに

新規性が無いと、オリジナルになれない。

普遍性が無いと、受け入れてもらえない。

普遍性×新規性のバランスで、良いコンセプトが作られる。

まあ、そんな話。

えっと、こういう話でよかったのか?

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