「怪物に立ち向かう選ばれし者達の物語」とは?
ここでは「怪物に立ち向かう選ばれし者達」をテーマにした物語を解説します。
力を合わせて、強大な怪物に立ち向かいましょう。
この形式の物語は、構造カテゴリーで別の言い方をするならば「怪物の対処法を探り、使命を果たそうとする物語」となります。
解説
怪物に立ち向かう選ばれし者達
まず「怪物に立ち向かう選ばれし者達の物語」とは、どの様な物語を指すのか?
この記事では「強大な力を持った怪物に対して、立ち向かえる能力を持ち、立ち向かえる状況に置かれた人達が立ち向かう物語」として解説していきます。
主人公は一般人だけど凡人じゃない
この形式の物語の主人公は、基本的には一般人です。
つまり、軍人とか傭兵みたいな職業的な戦闘のプロフェッショナルではなく、あくまでも社会の中における立場は、学生や普通の人と言う事になります。
普通に仕事をしたり、学校に通って暮らしていると言う事です。
ですが、今までの人生の中で身に着けた突出した技術や技能を持っていて、一般人には違いありませんが、決してただ者ではありません。
映画「デジモンアドベンチャーぼくらのウォーゲーム」では、デジタルワールドと言う異世界で冒険の末に救った経験がある、元勇者とも言うべき子供達が主人公となります。
映画「ウォーゲーム」では、コンピュータの知識が、映画「サマーウォーズ」では、数学オリンピックに出れる程度の計算能力が主人公の秀でた能力として描写されます。
この、主人公を凡人ではなくさせる能力こそが、この物語では重要な武器となります。
巻き込まれる事件
物語が始まると、主人公が事件に巻き込まれますが、その原因は、怪物からの招待です。
怪物が、まだ平穏な世界に溢れ出て、人知れずに暗躍する中、主人公に・その能力に引き寄せられ、主人公を利用して何かを始めようとします。
映画「サマーウォーズ」では、セキュリティキーの解除を手伝わせる為に、怪物が数学の問題として人々に暗号を送り付け、主人公は偶然巻き込まれ、自分のSNSアバターを奪われてしまうなど、敵に利用されてしまいます。主人公が敵の計画を手伝ってしまう事で、事態が悪化していきます。
映画「ウォーゲーム」では、主人公がゲームと勘違いして米軍のコンピュータにハッキングをして、危うく核戦争の危機を引き起こしてしまいます。つまり、事件に巻き込まれている主人公が、最初の危機を引き起こしてしまう訳です。
この様に、主人公を巻き込む形で、徐々に、危険な怪物が暴れ始めるのです。
主人公は運悪く、事件の最前線も最前線、特等席で巻き込まれます。
ですが、この時点で主人公には、どうする事も出来ません。
味方からの接触
事件に巻き込まれ、怪物と接触した人物と言う事で、主人公は、強力な味方からも接触を受けます。
この強力な味方とは、何らかの怪物の関係者です。
映画「ウォーゲーム」では、主人公は軍の施設に連行されてしまいます。
映画「サマーウォーズ」では、ヒロインの実家に集まった親戚一同に、キーとなる人物が集中している事が徐々に分かります。
映画「デジモンアドベンチャーぼくらのウォーゲーム」では、怪物が来た世界と同じ場所から、かつて共に旅をした仲間達が救援に駆け付けます。
怪物退治に乗り出す人々
起きている騒ぎを鎮めようと、主人公と仲間達は出来る事を始めます。
ですが、この時点で行われるアクションは、解決の決定打にはなりません。
映画「ウォーゲーム」では、主人公が逮捕されてしまいます。
映画「サマーウォーズ」や「デジモンアドベンチャーぼくらのウォーゲーム」では、暴れ始めた怪物によって、社会が大きな混乱に包まれ、成す術もありません。
怪物を知る者
怪物を倒そうと試行錯誤していると、主人公のもとに怪物の情報が舞い込みます。
映画「ウォーゲーム」では、怪物の生みの親に連絡を取るアイディアによって、事態が動き始めます。
映画「サマーウォーズ」では、ヒロインの叔父が怪物の開発者であると分かり、怪物の正体と、誰が倒すべきかがハッキリします。
反撃開始
怪物を倒す為、主人公達は、次の手に出ます。
怪物の正体が分かった今、対処法が少し見え始めます。
ここまでは怪物に翻弄されましたが、ここからは攻守交替です。
映画「ウォーゲーム」では、ソ連軍の動きは誤報である事が周知され、戦略AIは一時的に動きを止めます。
映画「サマーウォーズ」では、仲間達と協力し、怪物を閉じ込める作戦を実行し、動きを封じます。
簡単には倒せない
怪物を正攻法で一度は封じましたが、あとちょっとで封じ込めきれず、怪物は再び自由になります。
映画「ウォーゲーム」では、勝利を求めてゲームを再開したAI(怪物)が、人の手を借りずに勝手に核兵器を使用して核戦争を起こそうと暴走します。
映画「サマーウォーズ」では、アクシデントによってサーバーがオーバーヒートしてしまい、隙を作った味方は総崩れになり、敵は最終形態へと進化し、小惑星探査機を原発に落とされる危機が迫ります。
映画「デジモンアドベンチャーぼくらのウォーゲーム」では、アクシデントでコンピュータがフリーズし、その間に味方は総崩れとなり、10分後には核ミサイルがどこかに落ちる事が分かります。
正しい怪物の倒し方
正攻法では倒せない事を悟った主人公と仲間達は、怪物の性質を利用して、からめ手で倒す事を計画します。
怪物相手に正攻法は、悪手だった事に気付くわけです。
映画「ウォーゲーム」では、核戦争をゲームだと考えているAIに、勝利の無いゲームが存在することを教える為、3目並べゲーム(戦法を知っていれば必ずドローに出来る)を挑みます。
映画「サマーウォーズ」では、ゲーム好きな怪物に、賭け花札を持ち掛け、ゲームを通して力を削ぐ計画を立てます。
映画「デジモンアドベンチャーぼくらのウォーゲーム」では、敵デジモンがプログラムである性質を利用して、大量のメールを送り付けて処理落ちさせて大幅に弱体化させます。
クライマックスの最後の一押し
からめ手戦法の効果は抜群で、怪物の脅威レベルは下がります。
あと一手、最後の一撃は、主人公の出番です。
映画「ウォーゲーム」では、コンピュータ対コンピュータで3目並べゲームをさせる事で、勝者が生まれない状況を学ばせます。
映画「サマーウォーズ」では、小惑星探査機の軌道を変えるアクセスコードを主人公が鼻血を出しながら暗算で解きつつ、仲間が怪物にとどめを刺します。
映画「デジモンアドベンチャーぼくらのウォーゲーム」では、モニターを通ってデジタル空間に入った主人公と仲間達の絆の力によって生まれたオメガモンによって怪物は倒されます。
ドキドキのフィナーレ
怪物の脅威は去りましたが、怪物の計画は完全には止まっていません。
ですが、怪物を無力化した主人公と仲間達をヒヤリとさせるだけで、世界は平和を取り戻し物語はフィナーレを迎えます。
映画「ウォーゲーム」では、AIが「勝つための唯一の動きはプレイしないことなんて変です」と言って、軍の司令に「チェスをやりませんか?」と聞く事で、本当に核戦争の危機が去った事が分かり、物語は幕を閉じる。
映画「サマーウォーズ」では、小惑星探査機の軌道をずらす事に成功したが、落下の衝撃波で被害を受けた物の、大事には至らずにエピローグに入る。
映画「デジモンアドベンチャーぼくらのウォーゲーム」では、核ミサイルが団地の横にある池に突き刺さり、不発と言うオチで物語は幕を閉じる。
まとめ
以上、怪物に立ち向かう選ばれし者達の物語とは、突然暴れ出す怪物に対処する為、立ち向かう能力を持っているからこそ、最前線で巻き込まれてしまった人達が、協力しながら、ついには怪物の性質を利用して倒し、世界を救う物語と言う事でした。
この形式の物語のポイントは、怪物の危機によってパニックになる人々と、それを救えるキーとなる主人公の活躍の描写でしょう。
最初は巻き込まれて必死に怪物に対処していた主人公が、仲間に認められ、最後は世界を救う重要な役割を担う、一連の流れは見ていて気持ちが良いものです。
この記事が好きな作品探しや、この形式の物語を作る時の参考になればと思います。
必須要素
モンスターパニック
- モンスターから逃げられない空間
- 貪欲の罪に罰を与えるモンスター
- モンスターの知識を持つ者
スーパーヒーロー
- 弱点や制限
- ヒーローとしての名前
- 守るべき相手
- 倒すべき相手、解決すべき問題
「怪物に立ち向かう選ばれし者達の物語」該当作品
※地道に追加、修正予定。
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