タイミングが分かれば面白くなる
Twitterで、面白さが分かっていない人は「タイミング」が分かっていない旨の書き込みが、えらくバズって流れてきた。
書いてある事は最もで、表現もウィットに富んでいて、私も思わず「いいね」を押してしまった。
だが、そこでふと考えた。
「言う・やる内容」と同じぐらいタイミングが大事なら、どのタイミングがその時か分かれば、もっと世界を面白いで溢れさせる事が出来るのではないか?
と。
そこで、この記事では、なんでも面白くする「タイミング」の見つけ方を解説しようと思う。
物語仕立てのギャグやコメディから、漫才やコントまで、なんにでも適応できる基本ルールを簡単に解説する。
面白いタイミングの大半は「転」
結論から書くと、面白いタイミングの大半は「転」でやってくる。
起承転結の「転」さえ察知出来れば、面白くしやすいのだ。
面白い話を考えるのでも、物語でも、「転」で、どう「ひっくり返す」かを、意識的か感覚的に理解していれば、面白く持っていける。
笑点でドッとウケるのは、「その心は~」と、大喜利の「転」の部分で、面白い事を言えた時だし、コントで最もウケるのも「ボケ」による「転」の部分だ。
これには、理由があり、前提となる流れ「起・承」があっての「転」での「ギャップ」にこそ、人は面白さを感じているからだ。
だから「転」が、とにかく大事なのだ。
何を「起・承」として「転」をぶつけるか
あるあるネタは、あるあるの前提を「起・承」として予め知っている事を前提として「転」としてあるあるを抽出し、表現する。
一方で、コントはコメディアンのやり取りの中で「起・承」を見せていき「転」で一気に持っていく。
大喜利の場合、お題が「起」で、「~と解く」が「承」となり「その心は~」で「転となる」。
このように、面白い事を言ったりやったりする職業の人は「転」のタイミングを自分の物にする為に、「起・承」をタイトルで想起させたり、相方・仲間に言ってもらうなり、自分で説明するなり、様々な工夫をする。
面白くない人の特徴
タイミングを外す人の場合、その人に合った「起・承」が場に流れている訳でもなく、自分で用意する事もなく、自分のタイミングでいきなり面白い事を言おうとする。
つまり、周りが見えていなかったり、TPOを悪い意味で逸脱していたりする事で、言おうと思っている「面白い事」が面白くなりうる「起・承」が整わない状況で「転」を言いたがるのだ。
これは空気が読めないタイプの人に多い。
つまり「タイミング」が読めないとは、その状況に合った判断が出来ていないと言う事だ。
例えとして分かりやすい人は限られそうだが……
音ゲーのノーツが来る前や過ぎた後でボタンを押しているだけならタイミングを外しているだけだが、悪い物になると昇竜拳のコマンドを必死に入力したりしているという感じ。
わかる?
面白い事を言える「状況」と、その中にある「タイミング」、そしてギャップを生み出す「言う事・やる事」の3拍子が揃わないと、面白くならない。
面白い事言ってと言われてから、ちゃんと面白く出来る物なのか?
よくある「ねえ面白い事言って・やって」と言う無茶ぶり。
苦手な人も、大嫌いな人もいるだろう。
まあ、言ってくる奴は大抵、ロクでもないか、何も考えていない。
だが、期待に応えたくなるシーンもあるかもしれない。
その時どうすれば良いだろうか?
これは、提案者との間で、どんな「起・承」の準備が許されるかと言う問題が、当然発生する。
更に、面白い事を期待される事で起きる「ギャップ」を起こしにくいハードルの高さもある。
実に嫌らしい状況だ。
こういう事をされると困るものだが、無茶ぶり側が求めているのは、多岐に渡るため、相手が何を求めているのか察する能力も必要になる。
本当に面白い事を求められているならば、「起・承」を整えて「転」で、相手が予想しないギャップを言えばいい。
こういう場面で強いのは、大喜利だ。
相手に「起」であるお題を出してもらい、自分で「承」を言い「転」がハマれば、こんな場面でも面白くなる。
だが、もしも、相手が無茶ぶりで困るあなたの姿を見たいのであれば、相手をしないのも手だが、相手が想像もしなかった新たな一面を見せるだけでウケることもある。
ウケ狙いとしてはウケずとも、正面から無謀と分かっているチャレンジをするだけでも、状況としては大いに受けることもある。
これは、期待されていない状況で「全力でやりきる」事で、自身の存在を「転」にする技術で、コメディアンではないイケメン俳優や芸能人が「無駄にベストを尽くす」時などに見られる事が多い、面白い状況だ。
そこまで全力投球されれば「もはや天晴」というレベルでチャレンジをする事で、場の空気はひっくり返る。
引き上げられたハードルは、綺麗に超えるのは難しいが、超えられない訳ではない。
「注目」「疑問」「意外な事実」の法則
ここまで説明してきた「起・承・転」は、以前に解説した「注目・疑問・意外な事実」の法則と同じ物である。
意外な事実は、それまでの流れにギャップを生み出す「勘違い」という一種の間違いだと見る人・聞く人が気付くと、面白くなる。
日常の中で使うには?
物語の場合、「起・承」を整えるのは作者自身だ。
どんな「転」にするかを決めてから考えてもいいし、「起・承」を決めてから「転」を探しても良い。
でも、日常の中で面白い事を言いたい人もいるだろう。
そうなると、物語作りとは要領が変わってくる。
実際の会話では、自分で用意した「起・承」を使えるのは、「この前、こんな事があったんだけど聞いてくれる?」系の投げかけで、相手が聞く立場になってくれないと、「転」まで持っていけない。
会話の中で自然に面白くするには、会話の中身に「起・承」を見つけたり、お互いの状況で整っている「起・承」を使ったりする必要がある。
常に特定の状況で言える「面白い事」も、言える「タイミング」も、限られている事を理解しないと、面白いを作るのは非常に難しくなる。
他の記事で、
あたりも、参考になるかもしれません。
その場の「転のタイミング」を計る力を鍛えつつ、「起・承の流れからギャップがある事」のストックを「面白かった事」としてためておけば、咄嗟の面白いタイミングでも物に出来ます。
「タイミング力」と「ギャップのある組み合わせのストック」が、日常では特に物を言います。
※この記事は、追記・編集していく予定です。