「面白い」=ギャップ×タイミング
面白さを生み出すタイミングについては、「なんでも面白くする「タイミング」の見つけ方」の記事で以前説明した。
そこで今回は、そのタイミングに面白さを生み出す「ギャップ」について、解説していく。
「面白い」のギャップの正体
面白さを生み出すのにギャップは必要不可欠だ。
では、そのギャップとは、具体的には何だろうか?
簡単に言えば「そうだけど、そうじゃない」だ。
このシンプルな言葉に、大事な要素が含まれている。
面白さを探す時は「そうだけど、そうじゃない」を、あらゆる視点から探せばいい。
この言葉だけでも覚えておくと、面白さを見つけやすくなると思う。
では、この言葉で、どうして面白くなるのかを説明しよう。
「そうだけど、そうじゃない」の意味
いつものヤツになってしまい、人によっては「またか」と思うかもしれないが、それだけ大事な事だと思って聞いてほしい。
「そうだけど」とは「普遍性」を表し「そうじゃない」とは「新規性」を表している。
つまり、良いコンセプトやアイディアの必須要素と、面白さも、本質的に前提として似た部分があると言える。
この、普遍性と新規性のギャップによって、面白さが発生する。
それを分かりやすく言うと「そうだけど、そうじゃない」と言う言葉が、シックリくると言う事だ。
「笑」を生む新規性「失敗」
笑いを生むための「そうじゃない」は、基本的に「失敗」を生む事が求められる。
つまり「間違っている」事が、面白さに繋がるのが笑いの本質だ。
笑いを生むには『わざと間違える』必要がある。
それも「そうだけど、そうじゃない」に合わせた形で、計算して間違える必要がある。
「そうだけど」と「そうじゃない」を繋ぐ、7つの基本的な方法
見当違いの間違いでは、面白さは生まれない。
あくまでも「そうだけど」と言う普遍性を備え、「そうじゃない」と言う新規性を持って間違える必要がある。
つまり「そうだけど」と「そうじゃない」には、いつだって関連や共通点が無ければいけない。
この相反する物を繋ぐ「パス(道)」の種類によって、失敗や間違えの仕方も変わってくる。
それを、いくつか紹介する。
1.無関係の物の共通点を言う「大喜利」
大喜利は、お題と言う「そうだけど」に、○○と解くと言う「そうじゃない」を並べ、その関連や共通点を提示する非常に知的な技術だ。
様々な物の関連性、共通点、相似性、韻を踏んだりと言ったパスを見つけ、思いもよらぬ繋がりを披露する事は面白さ以上に驚きにつながる事もある。
- ①そうだけど(お題)
- ②そうじゃない(○○ととく)
- ③共通点(その心は)(考える順番的には②)
2.共通点から間違える「勘違い、早とちり」
「これだと思ってたけど、別の物だった」と言う間違いによって発生する失敗が、勘違いや早とちりの類だ。
間違いが発生する原因は、「要素の共通点」にあり、共通項のある要素で話が進んでいる間は、勘違いしっぱなしになるが、共通項の外に要素が飛び出ると、間違いに気付く事になる。
ワードウルフ等のゲームでは、プレイヤー同士の駆け引きと同じぐらい、この勘違いの発生が面白い要素となる。
- ①共通点(勘違いの原因)
- ②そうじゃない(勘違い)
- ③そうだけど(気付く)
3.間違った考え・想像・妄想を信じる「思い込み、偏見」
間違った事・物を信じるのは、十分面白さにつながる。
なぜ信じるに至ったのか、間違った事を信じ続けて行動した結果、どうなってしまうのか。
- ①それは、そうに違いない(間違った根拠で)
4.知識不足から間違える「知ったかぶり・わかったつもり」
バカは、面白い。
特に、自分は賢いと思い込んだバカは、どうしたって滑稽になる。
手持ちの知識ではどうにもならない事に、手持ちの知識だけで立ち向かう姿は、当事者は必至だが、はたから見ればギャグだ。
- ①それは、そうに違いない(完全に理解した気分)
5.変人が自分流で振る舞う「非常識・奇行」
周りから見ると、変人の行動は、一挙手一投足が間違いに映る事もある。
変人とは、その環境の異物であり、存在そのものがある意味で間違った存在と言える。
だから、面白い。
これは、なにも変態とか異常者と言う事でなく、場違いな存在であれば、誰でもなりうる。
「場違い」とは「そうだけど、そうじゃない」と同じ意味だ。
その人は、そうだけど、その場所では、そうじゃない、と言う状況には誰もが陥る可能性を秘めている。
「聖☆おにいさん」では、日本に暮らすキリストとブッダが、「パリピ公明」では、諸葛孔明が日本で暮らす事で面白さを生み出している。
- ①お前は、そうだけど
- ②そこでは、そうじゃない
6.剥がれ落ちる誇り「隠していた秘密の暴露、羞恥」
カッコつけている人は、行き過ぎれば嫌われる。
「自分を良く見せようとする他人の行為」は、言ってしまえばウソであり、虚飾だ。
だが、それが無残に剥がれ落ちる事は、カッコつけている度合いの強さと比例し、面白くなる。
隠すと言う事は、そこには至らなさや、隠したいだけの理由がある。
プライドと言う表面に見える普遍性の裏側にある、本当の姿と言う裏面に隠れた新規性の暴露は、嫌でも面白くなってしまう。
実は優しい、実は高所恐怖症、実はSMが趣味でドM気質、実は中二病の過去がある、実は、実は……
見た目や権威があるほど、剥がれ落ちたプライドの裏側にある、虚飾で守っていた本当の姿が滑稽だと面白い。
感情の発露も、ここになる。
- ①そうだったけど(プライド、外面)
- ②そうじゃなかった(実際の内面)
7.言ってる事とやってる事が違う「皮肉」
言行不一致をたしなめるのは、面白い。
世の中で特に政治家が皮肉にさらされるのは、その現行が著しく不一致だからだ。
国民の為に行動すると約束しておいて私腹を肥やすから、皮肉にさらされる。
仮に、私腹を肥やすと宣言していて政治家になれたのであれば、誰も私腹を肥やす事に皮肉を言う事はない。
- ①昔はこうだったけど
- ②今では、こうなっちゃったね
終わりに
説明、羅列した手法は基本中の基本だ。
あとは何でギャップを生み出すか、それを試していけば、面白さは、きっと手に入るだろう。
計算して間違える事や、間違いを拾う事が面白さに繋がる事は、十分理解出来たと信じている。
この記事が、創作や表現の役に立てば幸いだ。
※この記事は、追記・編集していく予定です。
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