連載漫画1話目分析「ワンピース」

構造で見る漫画のテクニック

映画脚本では、ハリウッド流のパラダイムに沿って作れば大きな間違いは起きないかもしれない。

だが、脚本と小説が別物であるように、漫画と言う表現形態もまた、別物である。

しかし、メディアが違っても、同じ物語を描く媒体である事に変わりはなく、漫画には漫画独自のパラダイムが存在している。

今回は「ワンピース」と言う有名作品を、パラダイムで分析し、その中で使われているテクニックを紹介していく。

作品のAmazonリンクを設置しておくので、単行本が手元にない人はサンプルを利用して実物を見ながら見ると、より分かりやすくなるはずだ。

もちろん、手元に単行本がある人は、それを見るのが手っ取り早いだろう。

ワンピース(1997)

現在も連載中の、幅広い世代に愛される漫画である「ワンピース」の一話は、まるまる前日譚的なプロローグとなっている。

ページ 起承転結 三幕構成 パラダイム ページ開き コマ数 内容
1 1幕 プロローグ、これからどうなる 3 欲しけりゃくれてやる
2         見開き
3         見開き
4     日常の時 4 海賊船
5     日常の時 5 証拠を見せてやる(特技
6     日常の時 4 海賊になりたいんだよ
7     日常の時 4 シャンクス
8     日常の時 4 なんだその言い方は
9     日常の時 6 ほらガキだおもしれえ
10     日常の時 6 カナヅチ
11     日常の時 5 マキノ
12     日常の時 5 勝手に頑張れ
13     切欠の時 7 邪魔するぜ
14     切欠の時 5 ヒグマ
15     切欠の時 8 これは悪い事をしたなぁ
16     切欠の時 6 気をつけろ
17     切欠の時 5 掃除が好きらしいな
18     切欠の時 5 じゃあな腰ぬけ共
19     切欠の時 6 なんで笑ってんだよ
20     切欠の時 6 手がのびた(特技)(プロットポイント
21     悩みの時 6 一生泳げない(弱点)
22     決意の時 5 ゴム人間になれたから嬉しいんだ
23   危機の時 6 邪魔するぜ
24     危機の時 5 酒だ
25     危機の時 7 ルフィが山賊達に
26     絶望の時 6 くそぉ
27     絶望の時 7 あやまれちくしょう
28     絶望の時 8 その子を放してくれ
29     絶望の時 6 もうこいつは助からねぇ
30     契機の時 5 いつかの山賊じゃないか
31     契機の時 5 銃を抜いたからには命をかけろよ
32     解決の時 5 やりやがったな
33     解決の時 4 おれは友達を傷つける奴は許さない
34     解決の時 5 おれがやろう充分だ
35     解決の時 6 ジュウ
36     解決の時 7 うぬぼれるなよ山賊
37     危機の時 6 煙幕だ
38     危機の時 6 あばよ
39     絶望の時 10 くそくそ
40     絶望の時 6 何、この怪物は(エピローグ伏線)
41     契機の時 5 誰か助け
42 3幕 解決の時 6 失せろ(クライマックス
43     解決の時 4 腕が
44     解決の時 4 安いもんだ腕の一本くらい
45     エピローグ 6 おれはいつか
46     エピローグ 4 海賊王になってやる
47     エピローグ 5 おれの大切な帽子だ
48     エピローグ 4 10年後
49 2幕 エピローグ(試練の時) 5 ゴムゴムの
50     エピローグ 1 ピストル(絶望の時、伏線回収、強くなった証明)
51     エピローグ    
52     エピローグ 5 まずは仲間集めだ(小目標提示)
53     エピローグ 2 海賊王におれはなる(大目標提示)
         

計266、平均約5コマ

 

ワンピースの場合、48ページの現代になるまで、全編を通して主人公の人生のターニングポイントとなった過去の出来事が丁寧に描かれている。

前回の記事で触れた「ハンターハンター」では、回想で主人公の過去の出来事を描いていて、旅に出る切欠の提示としては近い構造だが、ワンピースの方が回想に集中した構成でシンプルになっている。

どちらの作品でも、「巨大な魚が主人公が旅立つ試練の門番」として設定されているのも、興味深い共通点、かも、しれない……

過去の出来事を丁寧に描く始まりの作品では、他に「ハイキュー」等も該当するが、そちらもその内取り上げようと思う。

終わりに

今回は「ワンピース」を取り上げた。

前回と同じように比較をしようとも思ったが、あえて1作のみの紹介だ。

シャンクス率いる海賊達の、前半と後半のギャップにやられた人も多いだろう。

パラダイムによるページ配分やコマ数等も、初心者は参考になるかもしれない。

今回も、連載作品だからこそのテクニックもあるが、読み切り作品にも使えるテクニックも多分に含まれているので、参考になれば幸いだ。

関連記事も、まだ見てないなら参考にして欲しい。

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